20240906 学会で泣いた話
日本心理学会の大会で熊本にきています。初日の今日は朝一から興味深い演題が目白押しだったので大変興味深く勉強になる一日を過ごせました。
今回の大会のタイムスケジュールはいい感じで,シンポジウムなどとポスター発表の時間が20分ほどずれて進行しているので,シンポジウムを聞く人もそれが始まる前にちょこっとポスターを見ることができてよい感じでした。
そのほかポスター会場の横には休憩所が結構な席数あって電源も取れるし,会場は熊本の市街地のど真ん中にあってホテルからすぐで助かるしといろいろと配慮が行き届いていて便利でよい大会だったなと思います。
そんな素敵な大会でなぜ泣いたのか? というと「発表を否定されて泣く」のが考えられますが私の発表は明日なのでまだ泣くことはありません。というか泣かしてくれるようなご意見を言ってくださるようなお客さんが来てくれるならいいのですがどうせ誰も来てくれなくて孤独で泣くのはもう確実でしょうが,それはいつものことなので慣れています。
でも今回発表前なのになぜ泣いたのかというと「知り合いに全然あえなかった」ことでした。今日は夜に飲む気満々だったので,知り合いをみつけたら多少強引でも晩御飯に誘おうと思っていました。まあ,3人くらいに声をかけたら1人は確保できるだろうと思っていたのですが…声をかけることができるほどの関係性の人が誰もいませんでした。
大学院の時の同期はゼロ…もうこの時点で難しいのですがなんとかまだ話せる±3学年くらいの人たちを探すものの…参加しているのは今では有名大学の教授としてD生をいっぱい指導していてシンポジウムの話題提供じゃなくて指定討論者になっているような成功者ばかり…そんな人はもう大学院生や共同研究者と一緒に飲むことが決まっているだろうから誘えませんよね…。
もし誘った場合…「あ~今日は院生たちと飲むから無理です」っ断られたらいいですが,「院生と飲むから一緒に参加してもらってもいいですよ」とか言われてしまって参加したら,その院生たちから「なにこの研究で名前聞いたことないおっさんは?いや~調べてみたらD1の俺より論文ないでやんの!こんな奴に気を使って話しかけてあげる必要なし~」って感じで完全放置プレイをくらってものすごく浮いているのに上から針の筵を被せられて心が滅多打ちにされるのだろうなあと。
有能な人は研究大学のポストに収まって研究者志望の大学院生の育成などに携わるからずっと学会の大会にも参加し続けるけど,私のような無能な人間はだれからも共同研究も誘われませんので一人でぽちぽち研究するしかないのでその成果も乏しく,大会での発表も難しくなっていくのは確かだよなあと。
それでも私は大会に参加すること自体が好きなので至らない研究でも発表することで大会に参加することを続けていますが,そういうのを良しとせずに参加しなくなった年の近い知り合いは結構増えてきた気がします。
でもまあそれにしたってこの人の少なさはおかしくないか?と思って気づいたのですが,今年は日本心理学会と日本教育心理学会が1週おきの開催なので日本教育心理学会の方を選んだ人も多かったのかもしれません。特に今年は日本心理学会の大会参加費が早期で18000円,当日で20000円だったので,「発表しないけど当日参加でふらりと参加」をするには2万という金額のハードルは高く感じるだろうなあと。まあ,大学院生の場合は早期9000円,当日11000円でこれは従来と変わらない感じだったので,一番参加が求められている大学院生の参加を阻害しなかったのは良かったと思います。
では教育心理学会はどうかと思って調べると,一般が 11000円だけど大学院生は4000円!これはまた大盤振る舞いのよい配慮!おそらくどの大学でも大学院への進学者の減少は特に博士後期課程で顕著だと思うので学会全体で大事に育てていきたいですね。
まあでも若い院生にリソースを割くためには私のような無能な老害は学会大会から退く方がいいよなあと実感してきました…。でもまあ中島みゆきの『宙船』の根性でまだ自分の行く末は自分のオールで漕いで決めたいなあとは。
【書誌情報】
國井良昌 2024 第1回 パワーポイントから始まる老害の初期症状(技術者こそコミュニケーション力を磨け!). 日本機械学会誌, 127(1262), 64 – 65.
ちなみに「学会 老害」でCiNii検索すると上の気になる論文が出てきましたが読めません…でも確かに学会で若者のパワーポイントをみると格好いいのがおおいけど全然まねできませんね~若手の人にオサレパワポの作成チュートリアルとかしてもらえるといいのになあと。
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