病気の発覚〜生後1日目〜
産後の夜から母子同室となり、ふにゃふにゃな新生児のお世話が始まりました。
泣いたらオムツ交換か授乳かのエンドレスです。まだ、胸は張ってこないけれど吸ってもらわないと母乳がでません。2−3時間はまとめて寝てくれたのを覚えています。
生後1日目の朝、赤ちゃんの検診があるため一旦赤ちゃんと離れました。
9時頃、浮かない顔で小児科の先生がやって来ました。何か良い話では無さそうだと直感的に思いました。あの表情は今でも覚えています。そして、説明がありますからと静かに話し始めました。
赤ちゃんの心臓に雑音があり、近くの総合病院で今すぐ見てもらった方が良いです。
心臓の弁に何らかの不具合があり、開きにくくなっているのではないか。今すぐどうこうはるわけではないかもしれないが、この先心不全の可能性もあります。血液や酸素を送りにくい状態かもしれないです。
それを聞いて、わたしは、びっくり呆然です。
し、しんぞう??? べん??
心雑音??? 心不全???
え、この先どうなっちゃうの?もしかしたら死んじゃうの??
まさかまさか、間違いかもしれないし…
今まで何の病気もなく元気な子どもたちを3人出産したけれど、ただただ元気で生まれるっていうのは本当に奇跡なんだなぁ。と改めて実感しました。
そして30分後、赤ちゃんは総合病院へ出発しました。
赤ちゃんを見送ったあと、看護師さんとお話ししていて、確かに産まれたときから心雑音はありました、とおっしゃっていました。
ただ何でもない心雑音もあるし、早く見つかって良かったと思いましょう。まずは病院から連絡が来るまで結果を待ちましょうと言われました。
現段階で色々と調べても不安やもやもやが大きくなるばかりだから、先の事まで考えないほうが良いよ、とアドバイスを受けました。
こんな状況でも、赤ちゃんに会えてよかった です。ふわふわ〜な赤ちゃん。小さくてめちゃめちゃ可愛い。産まれてきてくれて、本当にありがとうありがとう。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせながら、検査結果の連絡を待ちました。
総合病院から連絡があり、15時に夫婦で病院に向かいました。産後1日も経っていなので、正直歩くのもけっこうしんどいですが、そんな事は言ってられません。何なら昨日出産したことすら、ずっとずっと過去の事のようでした。早く結果を知りたいとともに大した事が無いことを祈るばかりです。
病院に着くなり、
以下の説明を医師から受けます。
ご出産おめでとうございます。突然の転院となって驚かれたと思います。前医での診察で心雑音が聴取され、心エコーの検査で大動脈弁狭窄症という病気が疑われ、管理目的に当院に転院となりました。こちらに来てから改めて検査させていただき 大動脈弁狭窄症と診断しました。
人によって程度に差はありますが、医学的に優位な程度の大動脈弁狭窄症は1万人に3人程度と言われています。大動脈弁狭窄があると、左心室の出口が狭いということなどで、 左心室の圧が高まり、心臓に負担がかかっていきます。その状態で放っておくと心不全になることがあります。乳児では息が早い、脈が早い、母乳を飲むのがしんどそう、体重が増えないといった症状として現れます。また、運動時に特に心臓に酸素・栄養を送る冠動脈という血管に十分な血流が行かずに失神など危ない状態になることがあるため、この病気の方には運動制限をかけることがあります。
重症例に対しては狭窄を解除する治療(カテーテルや外科治療)を行う場合がありますが、軽症〜中等症程度で、他に合併症がなければ無治療で経過を見ることが多いです。お子さんの場合は、心エコーの結果から、現時点の重症度としては軽度〜中等度程度と考えられました。今後この方針(いつまで入院するのか 、何らかの薬を使うかなど)は、小児循環器の専門家と相談しながら決定していきます。
その説明を受けて、私は涙がポロポロ込み上げてきます。
い、いちまん人に3人て、ホントすごい確率じゃん…なんて思いつつも、先生に思わず原因は何ですか。と、聞きました。
予想通り、先天性心疾患なので原因は不明ですと言われました。
妊娠中にあんなもの食べたからか、仕事と育児でストレスを抱えていたからか、コロナに秋頃罹患したからか?なんて色々と振り返ったりしました。私のせいで、赤ちゃんが心疾患になっちゃったのだろうかと自分を責めます。
この先ずっと病気を抱えて生活するのかと思うと、不安しかなかったです。今後は手術が必要になってくるかもしれない。保育園や学校に通えるのだろうか?運動制限って言われてるけど、兄弟たちが遊んでいたら走りたくなるに決まってるよね?兄弟たちよりやっぱり寿命は短い…のだろうか?
わからない事だらけでした。
説明後、私だけ面会が許され赤ちゃんに会いに行きました。
今のところミルクも飲めていて、元気ではありました。
特に治療をしているわけではなく、経過観察です。採血、レントゲン、心エコーなどのデータを取って心不全の兆候はないか、モニターをつけてチェックしていました。
今朝まで隣りにいた赤ちゃんが、数時間後には転院。こんなの初めて〜自分の身体もボロボロで、なんとか歩いているっていう状況でした。
ふわふわの赤ちゃんが本当に可愛くて、ずっと抱っこしていたかったです。
旦那は私が落ち込まないように気丈に振る舞っていたのか、何とかなるから大丈夫だと言ってくれました。
産院に戻り、ひとり入院生活がスタートです。