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第17章:選択の良い悪いはその後の行動で決まる

最近のわたしの投稿が転職がらみの内容が多いので申し訳ないのですが、来月から新しい環境で働く身として、今現時点でのホットな感覚で感じていることや考えていることを残しておきたい&共有したいと思い、一般にも応用できる内容に転化した発信を心がけています。

今回はタイトルにもあるように、「選択」というテーマで学んだことをまとめていきたいと思います。

転職だけではなく、日常一般でも応用できるようにまとめているつもりですので、考え方や捉え方など参考になれば、ぜひご活用いただけたらうれしいです。

人生は選択の連続

わたしが転職を決めるまでにもたくさんの「選択」の段階がありました。

自粛期間に社会に価値を提供するために何かすべきか。(保留 or 行動)

新たな活動を始めようと思って取り組む選択。(異動 or 転職)

どういうフィールドで戦いたいかという選択。(日系 or 外資)

自分の経験に合った企業を絞る選択。(大手 or ベンチャー)

新卒5年勤めた企業を去る選択。(安定 or 挑戦)

退職日の選択。(8月末 or 9月末)

各段階ごとにある複数の選択肢からいずれか1つを選ばなければその次の選択に移ることはできません。

当然のことですが、何かを選ぶということは何かを捨てるということなので、選択とは、「何かを選ぶ行為」と同時に「何かを捨てる行為」と同義だと考えています。

わたしは選択という行為がそもそも得意ではありませんでしたが、いくつかの著書や論文を通じて、選択に対する不得手な感覚は現時点ではほとんど皆無に等しいほど克服できました。

なぜそのように捉えるようになっていったかということについては、次の章で1つずつ見ていきたいと思います。

正しい選択ではなく、後悔しないための選択をする

ハンブルク大学が無作為に選ばれた男女1,233人に対して、過去の選択に対する後悔というテーマでオンライン調査を行いました。

この調査では、過去の大きな節目で取った選択について、公開しているかそうでないかの2択の質問を行いました。

その結果、後悔がない、もしくは、後悔の度合いが少なかった人に共通する特徴がわかりました。

それは、ウェルラウンド(well-rounded)な選択をできたかどうかという違いでした。

ウェルラウンドな選択というのは、節目節目でバシッと区切りをつけられて、次に行うことに過去のことを引きずらない選択の仕方を指します。

例えば、組織内で評価されてマネージャーに抜擢された場合に、次の転職先に行こうと決めれる選択などが挙げられます。

この場合には、ウェルラウンドな選択ができない方は、マネージャーに抜擢されたからより一層がんばって組織に貢献しなくちゃと思ってしまいます。

今までの実績が評価されて、周囲のサポートもあって、順調に昇格しているからこの組織に居続けようという風に過去の一連の流れに「マネージャー抜擢」という分岐点を見てしまう人は、その選択で後悔する傾向が高いと調査で明らかになっています。

10年後20年後に振り返った際に、選択を後悔していない人の考え方の特徴は、「よし、マネージャーに抜擢されるという目標を達成したから、次の別の目標に向けて新しい取り組みをしよう」というように、今までとこれからをきっちりと区分けすることができる点だと言われています。

やるべきことではなく、やりたいことを選択する

トーマス・ギロビッチ氏による調査研究では、被験者に人生における後悔をいくつかリストアップしてもらいました。

その結果、以下のような2つに分けられることがわかりました。

1. やりたかったことができなかった後悔(=理想への後悔)
2. やるべきことができなかった後悔(=義務への後悔)

そして、被験者の回答を全て集約して、2つのいずれかに分類した時に、次のような結果が出ました。

理想への後悔・・・78%
義務への後悔・・・28%

つまり、やるべきことができなかった事に関しては、人はあまり後悔しておらず、逆に、自分のやりたいことが何かしらの理由でやれなかったということに対する後悔の方が圧倒的に多いことがわかりました。

理由としては、目の前にタスクとして課されたやるべきこと(=義務)が落ち着いたら、やりたいことを始めようという順序で考えることが多いため、やりたいことを後回しにすることで、理想への後悔の割合が高くなってしまうということです。

熟考も大事だが、直感も大事にする

ベルリン自由大学が111名の学生に対して行った調査では、ストレスが多いと優柔不断になりやすいことがわかりました。

分析手法としては、いくつかの画像を用意して、それのいずれか一枚を見た後に、簡単な謎解きに回答してもらうというシンプルな実験だったのですが、不安や恐怖を感じさせる画像を見た後の謎解き問題にかかる時間が大幅にかかるという結果が出ました。

つまり、人は不安や恐怖を感じる場合においては、選択を躊躇する傾向が高まったという結果です。

論理的に選んでも必ずしも幸せな選択ではない

アイオワ大学が1998年に行ったキャリア選択に関する研究では、「幸福度を感じられる仕事」に就くには、選択までに考えたり悩んだりしても無駄だということが明らかになりました。

この研究では、就職もしくは転職を考える上で、考えうるいくつかの論理的なマッチ度を図る要素と、その後の幸福度の相関関係を調査しました。

それぞれの相関関係係数は以下の通りでした。
※相関関係係数が1.0だと100%の相関(=完全に幸福度に関係がある)という意味になります。

インターン・・・0.54
IQテスト・・・0.51
面接・・・0.51
業界知識テスト・・・0.4
似た経験や似た業界での職歴・・・0.18
学歴・・・0.1
年齢・・・0

つまり、インターンや面接でマッチ度が高くても、幸福度を感じる仕事であるかどうかは半々の割合だという結果が出ました。

加えて、その他のどの係数も、幸福度にほとんど、もしくは、あまり関係のない判断要素という結果となっています。

まとめ

上述で見てきた通り、選択する上で後悔しないための重要なポイントは以下のようにまとめることができると思います。

★正しい選択はできないが、後悔しないための選択はできる
★選択と選択の間に繋がりを見出さなくて良い(結果的に繋がるから)
★やるべきことではなく、やりたいことを優先すべき
★恐怖や不安があると選択の邪魔になる
★どれだけ考えてもその選択で幸福になるかどうかは分からない

したがって、わたしの結論としては、以下の通りです。

<結論>
ある程度考えてみて何となく自分に合ってそうな良さげなやりたいことであれば、その選んだ道を恐れることなく進めばいい

つまり、あなたの選択が正しいか正しくないかを選ぶ前から悩むのではなく、選択した後にちゃんと正しい行動を取れるかどうかが、その選択を正しいものか否かを左右する一番大事なポイントだと考えます。

みなさんももし選択に躊躇する場面や、大きな決断をする際に、今回紹介した研究や調査の結果を思い出していただければ幸いです。

将来の良し悪しは、何を選択するかで決まるのではなく、その選択をした後にどう行動するかで決まります。

みなさんの選択は間違っていません。
間違うのはその後の行動です。

後悔の矛先は「選択」ではなく「行動」です。

なので、選択することをあまり考えすぎて躊躇せずに、自信を持って決断し、たくさんの選択を実のある行動に変えていきましょう!

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