10 GTDの締めくくり「レビュー」と「実行」
さて、GTDの流れに沿って「収集」「処理」「整理」のステップを踏んで来た。残るは「レビュー」と「実行」だ。
前々週までに目の前には4種類の行動リストとスケジュール帳(カレンダー)が出来上がっているはずだ。
まず、毎日のレビューとして「次にとるべきアクションリスト」とスケジュール帳(カレンダー)を見直し、1日のスケジュールを決める。この作業は朝やるのでは遅い。前日の晩のうちに行う。それによって朝一番からスタートダッシュする事が可能になる。当日に計画したのでは早朝の作業が必要だった場合、手遅れになってしまう。
次に週次レビューとして、土曜日か日曜日にこの1週間で積もり積もった「気になる事」をinboxに書き出す。1週間のうちに様々な状況が変化しているので、「いつかやる/多分やるリスト」「プロジェクトリスト」「すぐやるリスト」「連絡待ちリスト」「次にとるべきアクションリスト」「カレンダー」すべてを見直し、次週のタスクとスケジュールをすべて把握しておく。リストの更新作業は自分自身の更新作業でもある。
「プロジェクトリスト」に書き出した内容の処理についてまだ記していなかった。厳密な意味での「プロジェクト」を語れば専門書が何冊も出来てしまうくらい奥深い。ここでは生活レベルの作業の塊として記す。
たとえばプロジェクトリストに「旅行をする」と書いてあったとする。まず「旅行」を要素分けする。「旅行」を分解すると、大まかに「日程を決める」「予算を決める」「目的地を決める」「宿泊先を決める」くらいの要素に分けられる。「日程を決める」をさらに要素分けすると、「仕事のスケジュールを確認する」「上司に許可を得る」「休暇届を提出する」など具体的なタスクが見えてくる。そうなれば、あとは先のリストに落とし込んでいくだけだ。すぐやるのか、誰かに頼むのか、日にちを決めて行うのか、などなど。「プロジェクトリスト」はそのように処理して行く。
ここまでがGTDの概要だ。これを毎日、毎週の自分自身のルーティーンにする事で、あらゆる事態に全力で対応可能な自分が準備出来る。あらかじめ「こうなりたい自分リスト」というリストを作成しておけば、それが方向付けとなってGTDは単なる作業の整理ではなく理想の自分へと向かう着実なロードマップになり得る。
GTDは生活や仕事に規律をつくる骨格のようなものだ。GTDによって自分が抱えている作業の全体像を把握する事が出来、自分のスケジュールを持つことが出来、やるべき事・やるべきではない事を仕分ける事が出来る。なぜ自分がそれをするのかを、誰かに説明する事が出来るようになる。やみくもに人からの依頼を受けてしまう事なく自分の生活を組み立てる事が可能になる。自分のスケジュールを持たない者は他人のスケジュールに組み込まれてしまうだけである。自分の人生を謳歌するために、私たちの旅はまだまだ続く。
今週の参考書籍
・『ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則』デビッド アレン 2006年/二見書房
・『ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編――仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法』デビッド アレン 2010年/二見書房
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