オフィスは必要だけど出社は不要。これからのオフィスに求められること
コロナ禍を経て、出社せずとも仕事が出来るようになった昨今、オフィスって必要なんでしょうか。
Twitter社を買収したイーロン・マスク氏が、大量リストラの末に残った社員にオフィスへの出社を強制したことが話題になりました。
アップルのティム・クック氏も出社を強制して社員から猛反発を受けたり、日本国内でもコロナによる規制緩和の流れを受けて、リモートワークを廃止し出社を強制する会社が増えている、という話を聞きます。
最近感じるのが、人と人の信頼関係はオンラインで繋がっているだけでは醸成されないのでは、ということです。
私の仕事仲間はほぼ東京にいるため、自宅だろうとオフィスだろうと変わらず仕事はできるのですが、大阪のオフィスに出社することが多いです。これは人との繋がりを求めていることも理由の一つです。(単純に夜遅くまで働いて家族に迷惑を掛けたくない、というのもありますが)
といった事を最近なんとなく考えていたのですが、サイボウズチームワーク総研のこちらの記事がズバリの内容でした。これは2017年に執筆された記事ですが、オンライン中心からオフラインに戻りつつある世の中と妙にシンクロしており、なかなか印象的です。
入山章栄先生の記事「会社は人で出来ている」入山章栄教授が語る戦略的な人事の必要性においても、「これからのオフィスの役割」の一つに「五感で考える必要性」を挙げています。
イーロン・マスク氏にしてもティム・クック氏にしても、こういった論理を考慮しての事かは分かりませんが、根底にあるのは事業の成長のために従業員同士のフィジカル・コミュニケーションが必要と考えての方針であることは想像に難くありません。
問題はこういった目的・狙い・コンテクストを軽視して、望む望まざるに関わらず出社を強要する「やらされ感」が従業員のエンゲージメントを低下させ、本末転倒となっている事にあると思います。そこには丁寧な説明や理解醸成が不可欠です。
とはいえ、自宅や固定のオフィスだけをワークプレイスとして平々凡々と過ごすだけでは、良い発想やイノベーションは生まれません。発想力は移動距離に比例します。
つまり、仕事仲間が集うためのオフィスは必要だけど、ルールによる強制的な出社は不要。それが今の私の考えです。
ワーケーション等も活用し「どこで働いても自由」という形は維持しながら、一方で仕事仲間との物理的なコミュニケーションも大事にする。そういった働き方が今後求められるのではないかと考えています。
本日は以上です。