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ベトナムで出会った夫と交際契約書を結び3ヶ月で結婚した話

夫が作ってくれたガーリックシュリンプと、イカの塩辛クリームパスタを食べながら、Netflixで「あいの里」を観る。最初は「この絵面、最後まで見られるだろうか」と心配だったが、気づけばすっかりハマってしまった。大人の恋愛の難しさやカオスな展開が妙にクセになる。

そして、観ながら、なんだか夫との交際初期を思い出して懐かしい気持ちになった。

夫と私は、出会ってから3ヵ月で結婚した。
当時、私(33歳)はベトナムで働いていたけれど、パンデミックによるロックダウンで家から一歩も出られない日々が続き「猛烈に結婚したい!」という感情が湧き上がった。その結果、ベトナムで創り上げた事業や仲間、安定した収入、念願のタワマン生活など、全てを手放してでも婚活のために日本帰国を決意。ちょうど有給消化中だった。

一方、夫は夫でインド赴任が決まっており、任期も不明な状態。このままインドに行けば、一生独身の可能性すら感じていたらしい。お互い、恋愛で駆け引きをしている余裕などない。

初対面ではあったものの、共通の知人たちが私たちをよく知っていて、悪い人ではないということは理解していたし、お互い「結婚したい」という明確な意思を持っているのも大きなポイントだった。

そこで、私から「とりあえず1ヵ月お試しで付き合ってみませんか?」と提案をしたのだった。

ただ、ホーチミンの狭いコミュニティでは、どうでも良い噂でも驚くほどのスピードで広がる。それを避けるために「交際契約書」を作成した。「甲は」「乙は」なんて文言が並ぶやつだ。

このお試し期間中は、交際を公言することを禁止するといった内容含め、いくつかお約束事を記載した。そんなとっ拍子もない提案に乗ってくれ、契約書を作成してくれた夫には感謝しかない。

そんな私たちが短期間でお互いの価値観を理解できたのは、恋愛リアリティ番組のおかげだった。

夫は、真実の愛を求め「あいのり」に応募し、フジテレビに面接に行ったことがあるくらい筋金入りの恋リア好き。テラスハウスもあいのりも何度も見ており、ある意味「疑似恋愛」の経験値だけは豊富だった。

そんな夫と一緒に恋リアを観ると、毎回議論が白熱する。「これはありえない!」「いや、せめて一声かけるべきだよね」なんて、あーだこーだ言い合い、ときには「この状況、どうするべきだったのか?」と議論に発展。

こうしたやり取りを通じて、お互いの「好き」「嫌い」「されて困ること」や「許せないライン」や「大切にしている価値観」が自然と見えてきた。恋リアを観ることは、短期間でのケーススタディそのもの。おかげで、短期間でお互いを理解する大きな手助けとなった。

私は、坂口健太郎のような塩顔イケメンがたまらなく好きだ。一方で、夫はというと、まるでラーメン屋の大将のような雰囲気で、黒タオルがとてもよく似合う。そして、BreakingDownのオーディションでパイプ椅子を蹴り倒していそうな顔つきだ。結論から言えば、夫はまったく私のタイプではなかった。(お互いさまか!)

なのに、常識的な判断をし、解決のための議論ができるという夫の意外な一面が見れた。誰と結婚しようが、問題は必ず起こる訳で「解決のための議論ができるか、話し合いができるか」ということを私は大切にしていた。

夫は見た目で誤解されやすいタイプだけれど、そんな夫と距離を縮めるきっかけになったのは、間違いなく恋リアのおかげだった。

お互いの価値観を短期間で見極める方法として、恋リアの共同視聴は意外とおすすめ。ぜひお試しあれ。



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