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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-165-166【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:原発性アルドステロン症 / 低カリウム血症 / 低レニン血症

第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問165-166

一般問題(薬学理論問題)


【薬理/病態・薬物治療】 

■複合問題|問 109-165-166

Q. 50歳女性。5年前に近医にて高血圧を指摘され、アムロジピン5mg/日を服用していた。最近の血圧は155/95mmHg程度と高値が持続しており、頭痛や脱力を自覚し今回受診した。二次性高血圧が疑われたため、腹部CT検査が実施されて左副腎に腫瘍を認めたが、血中コルチゾール値や血中カテコールアミン値の上昇は認めなかった。


薬理|問 109-165 
Q. (薬理)
この患者にスピロノラクトンが投与されることになった。スピロノラクトンに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 上皮性Na+チャネルの発現を増加させる。

  2. アルドステロン誘導タンパク質の生合成を抑制する。

  3. 腎尿細管におけるNa+, K+-ATPaseの発現を増加させる。

  4. 腎尿細管におけるK+分泌を促進する。

  5. 抗アンドロゲン作用を示す。


解説はこちらからどうぞ。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-165-166【薬理/病態・薬物治療】(1/2) 論点:アルドステロン拮抗作用 / 抗アンドロゲン作用 / スピロノラクトン|matsunoya


病態|問 109-166 
Q. (病態・薬物治療)
本症例で認められる血液検査所見として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. カリウム低値

  2. カルシウム高値

  3. LDLコレステロール高値

  4. 遊離チロキシン(FT4)高値

  5. レニン活性低値


解説はこちらからどうぞ。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-165-166【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:原発性アルドステロン症 / 低カリウム血症 / 低レニン血症|matsunoya


こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

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苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【薬理/病態・薬物治療】 の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問165-166【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 、論点:原発性アルドステロン症 / 低カリウム血症 / 低レニン血症を徹底解説します。

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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-165-166【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:原発性アルドステロン症 / 低カリウム血症 / 低レニン血症

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滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

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設問へのアプローチ|

第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問165-166

第109回薬剤師国家試験の問165-166【薬理/病態・薬物治療】(問109-165-166)では、原発性アルドステロン症治療薬に関する知識を薬理および病態・薬物治療のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。

複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。

例えば、今回の問109-165(薬理)の問題は、治療薬の作用機序の正誤を選べばいいので、冒頭文の症例は読む必要がないです。
さらに、問題文の前半は必要がないです。
スピロノラクトンに関する記述の正誤を選ぶ問題です。

Q. この患者にスピロノラクトンが投与されることになった。スピロノラクトンに関する記述として、正しいのはどれか。

問題を解くために必要がない文言は、本来なら設問の草稿の段階でレビュワーが差し戻して、責任者に修正を求めるべきです。
一見して複合問題が連動しているように見せかける意図がある👽と推察されても致し方がないです。
薬理の問題と病態・薬物治療の問題は別々の問題であると捉えて良くて、事実上、連動していないです。
この患者にスピロノラクトンが投与されることになった。」は、症例の部分に含まれる内容なので、症例に記述すべきです。

一方、問109-166(病態・薬物治療)の問題は、冒頭文の症例から情報(二次性高血圧の疑い。左副腎に腫瘍。血中コルチゾール値・血中カテコールアミン値の上昇なし。⇒論点:原発性アルドステロン症)を取得して正誤を判断する必要があります。

ちなみに、冒頭文の「血中コルチゾール値血中カテコールアミン値の上昇は認めなかった。」という記述で、検査値と検査値とを「や」で結んでいるのは、試験問題における科学的な記述においては、やってはいけない表現です。

こんな稚拙なミスを校正できない国家資格試験は、問題製作段階での品質コントロールシステムの修正が必要である可能性が大きいです。

概して、複合問題において、症例と病態・薬物治療の問題とを意図的に分離し、薬理の問題を最初に挟む問題は、視認性を落として資質の検出力を限りなくゼロに近づける意図👽があると推察されても致し方がないです。

レビュワーが草稿の査読段階で差し戻して、症例は病態・薬物治療の問題文の中に含めるなど、責任者に修正を求める👹べきです。

なお、いつも言っていることですが、症例に関しての記述は、結語から読むことがコツです。
長い文章で書かれていても、問題を解くための情報として必要ではない文言が多いからです。
誰かが止めないと、利益相反関係に基づく意図👽によって、視認性を落とすために、症例の文言が野放図に水増しされていく傾向があります。

Q. 50歳女性。5年前に近医にて高血圧を指摘され、アムロジピン5mg/日を服用していた。最近の血圧は155/95mmHg程度と高値が持続しており、頭痛や脱力を自覚し今回受診した。二次性高血圧が疑われたため、腹部CT検査が実施されて左副腎に腫瘍を認めたが、血中コルチゾール値(※正:および)血中カテコールアミン値の上昇は認めなかった。

今回は、2回に分けて、それぞれの問題の論点を解説します。
第2回は、問109-166です。

まず基本的な知識について復習しておきましょう。

1. 原発性アルドステロン症における主要な検査所見


  • 低カリウム血症

  • 高ナトリウム血症

  • 高血圧

  • 低レニン活性

  • 高アルドステロン血症


2. 原発性アルドステロン症における検査所見のメカニズム


原発性アルドステロン症(PA)は、アルドステロン産生が異常に亢進することで体液量や電解質に影響を与える疾患です。以下に各所見が発生するメカニズムを解説します。


(1) 高アルドステロン血症

原発性アルドステロン症の原因として、副腎腺腫(アルドステロン産生腺腫)や副腎皮質過形成があり、これらによりアルドステロン分泌が過剰になります。アルドステロンは腎臓の集合管におけるNa+の再吸収とK+の排泄を促進するため、体内に過剰なナトリウムが蓄積され、血圧の上昇と低カリウム血症が引き起こされます。


(2) 低レニン活性

高アルドステロン血症により体液量が増加し、ナトリウム保持が促進されることで、腎臓においてレニン分泌が抑制されます。これにより、血漿レニン活性(PRA)が低下します。この低レニン・高アルドステロンの状態は原発性アルドステロン症の特徴であり、他の原因による二次性アルドステロン症と区別するための重要な指標となります。


(3) 高血圧

アルドステロン過剰によりナトリウムと水が過剰に再吸収されると、循環血液量が増加し、血圧が上昇します。この血圧上昇は原発性アルドステロン症の主要な症状の一つであり、治療によりアルドステロンの作用を抑制することで改善されることが多いです。


(4) 低カリウム血症

アルドステロンは腎臓の集合管でのK+排泄を促進します。そのため、アルドステロンの過剰な作用によりK+が過剰に排出され、低カリウム血症が引き起こされます。特に、軽度の運動や食事によってカリウム値が急激に低下する可能性があるため、定期的なモニタリングが推奨されます。


(5) 高ナトリウム血症

過剰なアルドステロンの作用により、腎臓でナトリウムの再吸収が促進されるため、血中のナトリウム濃度が上昇し、高ナトリウム血症となります。これにより、浮腫や体液貯留などの症状が発生する場合がありますが、PA患者では特に体液量調節が正常に保たれていることも多いため、必ずしも重篤な高ナトリウム血症には至らないケースもあります。


3. 文献リスト

  1. Funder, J. W., Carey, R. M., Mantero, F., Murad, M. H., Reincke, M., Shibata, H., ... & Young, W. F. (2016). "The Management of Primary Aldosteronism: Case Detection, Diagnosis, and Treatment: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline." The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 101(5), 1889-1916.

  2. Monticone, S., Burrello, J., Tizzani, D., Viola, A., Buffolo, F., Veglio, F., & Williams, T. A. (2017). "Primary aldosteronism diagnosis and treatment." Endocrinology and Metabolism Clinics, 46(4), 791-808.

  3. Rossi, G. P., & Seccia, T. M. (2019). "Primary aldosteronism: Is it frequent?" Endocrine, 64(1), 12-17.


4. クッシング症候群における主要な検査所見


  • 高血糖

  • 高血圧

  • 低カリウム血症

  • 中心性肥満

  • 月状顔貌(ムーンフェイス)

  • 筋力低下

  • 皮膚の菲薄化と皮下出血

  • 血中コルチゾールの上昇

  • ACTHの分泌異常(副腎依存性の場合は低下)

  • 骨粗鬆症


5. クッシング症候群における検査所見のメカニズム


クッシング症候群(CS)は、体内でのコルチゾールの過剰な産生により多彩な代謝的・臓器的影響が現れる疾患です。以下に、各所見が発生するメカニズムを段階的に説明します。


(1) 高血糖

コルチゾールは肝臓において糖新生を促進し、筋肉や脂肪細胞でのグルコース取り込みを阻害することで血糖値を上昇させます。また、インスリン抵抗性も引き起こしやすく、糖尿病のリスクを増加させます。


(2) 高血圧

コルチゾールは血管を収縮させる効果があり、血圧を上昇させます。また、コルチゾールの過剰はレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の活性化に影響し、高血圧を促進します。さらに、コルチゾールが鉱質コルチコイド作用を示すため、体液量の増加により血圧が上昇します。


(3) 低カリウム血症

クッシング症候群における過剰なコルチゾールの一部が鉱質コルチコイド様作用を示し、腎臓でのカリウム排泄を促進します。この作用により、血中カリウム濃度が低下し、低カリウム血症が引き起こされます。


(4) 中心性肥満およびムーンフェイス

コルチゾールの過剰により脂肪分布が変化し、腹部や顔面、背部(いわゆる水牛肩)に脂肪が集中します。これは、脂肪の代謝異常と脂肪細胞の異常な増殖が原因です。


(5) 筋力低下

コルチゾールは骨格筋のタンパク質を分解し、エネルギー源として利用するため、筋力低下や筋肉量の減少が起こります。これにより、体力低下や四肢の筋萎縮が見られます。


(6) 皮膚の菲薄化と皮下出血

コルチゾールの作用により皮膚のコラーゲン合成が抑制され、皮膚が薄くなることに加え、血管の脆弱性が増し、皮下出血が起こりやすくなります。このため、紫斑や皮膚の線条(ストレッチマーク)が現れやすくなります。


(7) 血中コルチゾールの上昇

クッシング症候群ではコルチゾールの持続的な過剰産生が確認されます。副腎性の場合には副腎腺腫や副腎過形成が原因で、ACTH非依存性となる一方、ACTH依存性の場合には下垂体腺腫などによるACTH過剰分泌が原因です。


(8) 骨粗鬆症

コルチゾールは骨形成を抑制し、骨吸収を促進するため、骨密度の低下が生じます。これにより、骨粗鬆症や骨折リスクの増加が問題となります。


6. 文献リスト


  1. Nieman, L. K., Biller, B. M., Findling, J. W., Newell-Price, J., Savage, M. O., Stewart, P. M., & Montori, V. M. (2008). "The diagnosis of Cushing's syndrome: an Endocrine Society Clinical Practice Guideline." The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 93(5), 1526-1540.

  2. Arnaldi, G., Angeli, A., Atkinson, A. B., Bertagna, X., Cavagnini, F., Chrousos, G. P., ... & van der Lely, A. J. (2003). "Diagnosis and complications of Cushing's syndrome: a consensus statement." The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 88(12), 5593-5602.

  3. Newell-Price, J., Bertagna, X., Grossman, A. B., & Nieman, L. K. (2006). "Cushing's syndrome." The Lancet, 367(9522), 1605-1617.


7. 褐色細胞腫における主要な検査所見


  • 高血圧(持続性または発作性)

  • 頭痛、発汗、動悸

  • 頻脈

  • 血中カテコールアミンの増加(アドレナリン、ノルアドレナリン)

  • 尿中カテコールアミンまたはその代謝産物(メタネフリン、ノルメタネフリン)の増加

  • 血糖値の上昇

  • 低カリウム血症(まれ)


8. 褐色細胞腫における検査所見のメカニズム


褐色細胞腫(Pheochromocytoma)は副腎髄質や交感神経節に発生する腫瘍で、カテコールアミン(主にアドレナリン、ノルアドレナリン)を過剰に分泌することで症状を引き起こします。以下に、各所見のメカニズムを段階的に説明します。


(1) 高血圧(持続性または発作性)

カテコールアミンの分泌が急激かつ過剰になることで、α1受容体の刺激により血管収縮が引き起こされ、血圧が上昇します。血圧上昇の程度は持続的な場合もあれば、発作的に急激に高まる場合もあり、これにより持続性または発作性の高血圧が生じます。


(2) 頭痛、発汗、動悸

カテコールアミンの過剰は交感神経の過活動を引き起こし、全身の交感神経系が過度に刺激されます。この結果、頭痛や過剰な発汗、動悸が発生します。特に動悸は、カテコールアミンの作用で心拍数が急増するために感じられます。


(3) 頻脈

褐色細胞腫によって分泌されるカテコールアミンが心臓のβ1受容体に作用し、心拍数を上昇させるため頻脈が生じます。これは、アドレナリンやノルアドレナリンが心臓を直接刺激する結果です。


(4) 血中カテコールアミンの増加

褐色細胞腫はカテコールアミンを過剰に産生・分泌する腫瘍であるため、血中にこれらの濃度が著しく増加します。カテコールアミンは一般に短時間で代謝されるため、腫瘍からの過剰な供給がなければ急激に濃度は上昇しませんが、腫瘍の影響で著しい高値を示します。


(5) 尿中カテコールアミンまたはその代謝産物(メタネフリン、ノルメタネフリン)の増加

血中カテコールアミンが増加することで、腎臓を通じて尿中に代謝産物であるメタネフリンおよびノルメタネフリンが排泄されるようになります。このため、尿中代謝産物の増加は褐色細胞腫の診断に有用なマーカーとされています。


(6) 血糖値の上昇

カテコールアミンは肝臓において糖新生を促進し、筋肉や脂肪組織におけるインスリン依存性のグルコース取り込みを抑制します。これにより、血糖値が上昇し、高血糖が生じます。


(7) 低カリウム血症(まれ)

まれにカテコールアミンの過剰分泌により、腎臓でカリウムが過剰に排泄されるため低カリウム血症が生じる場合があります。しかし、この所見は頻繁ではなく、低カリウム血症が主症状となることは少ないです。


9. 文献リスト


  1. Manger, W. M., & Gifford, R. W. (2002). "Pheochromocytoma." Endocrinology and Metabolism Clinics of North America, 31(1), 103-121.

  2. Lenders, J. W., Duh, Q. Y., Eisenhofer, G., Gimenez-Roqueplo, A. P., Grebe, S. K., Murad, M. H., & Young, W. F. (2014). "Pheochromocytoma and paraganglioma: an Endocrine Society Clinical Practice Guideline." The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 99(6), 1915-1942.

  3. Eisenhofer, G., Peitzsch, M., Kaden, D., Langton, K., Pamporaki, C., & Pamporaki, K. (2015). "The biochemical diagnosis of pheochromocytoma and paraganglioma: multi-analyte and metabolite biomarker approaches." Clinical Biochemistry, 48(12), 19-36.


論点およびポイント

■■GPT4o


薬理|問 109-165
論点|アルドステロン拮抗作用 / 抗アンドロゲン作用 / スピロノラクトン

ポイント|

  • スピロノラクトンは抗アルドステロン薬で、アルドステロン受容体に拮抗し、ナトリウム再吸収とカリウム排泄を抑制します。

  • 上皮性Na+チャネルおよびNa+, K+-ATPaseの発現を抑制します。

  • 抗アンドロゲン作用があり、アンドロゲン受容体に結合することで男性ホルモンの効果を抑えるため、前立腺肥大や多毛症の治療に利用されます。


病態|問 109-166
論点|原発性アルドステロン症 / 低カリウム血症 / 低レニン血症

ポイント|

  • 原発性アルドステロン症(副腎腫瘍によるアルドステロン過剰分泌)では、ナトリウム保持とカリウム排泄が亢進し、低カリウム血症がみられます。

  • 血中アルドステロン濃度の上昇により、腎臓でのレニン分泌が抑制され、低レニン血症が特徴的です。

  • 副腎腫瘍によりコルチゾールおよびカテコールアミンが増加しないことから、クッシング症候群または褐色細胞腫ではないと判断されます。


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■GPT4o


総合的な論点


この問題は、二次性高血圧の病態と副腎腫瘍に関連する内分泌的な異常に関する理解を問う問題です。
この患者は、アムロジピンで治療を受けているにもかかわらず高血圧が持続し、さらに腹部CTで左副腎の腫瘍が発見されました。こうした特徴は、原発性アルドステロン症(PA)などの副腎腫瘍による二次性高血圧を疑わせる要因です。


原発性アルドステロン症の病態

原発性アルドステロン症では、アルドステロンの過剰分泌が見られます。
アルドステロンは、腎集合管でナトリウム再吸収とカリウム排泄を促進するため、高血圧および低カリウム血症が特徴的です。
また、アルドステロンのフィードバックによりレニン活性は抑制されるため、血漿レニン活性(PRA)は低値を示します。
この病態に特異的な検査所見は、原発性アルドステロン症の診断をサポートします。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


選択肢 1. カリウム低値

論点

原発性アルドステロン症では、アルドステロンの過剰分泌により腎集合管でのナトリウム再吸収、その交換でのカリウム排泄が亢進されるため、低カリウム血症が特徴とされます。
このため、カリウム低値は原発性アルドステロン症の診断を支持する所見です。

アプローチ方法

症例の特徴と病態生理に基づき、カリウム低値は予測される所見であると判断できるため、選択肢1は正しいと判断できます。


選択肢 2. カルシウム高値

論点

原発性アルドステロン症は、ナトリウムおよびカリウムの代謝に影響を与えるものの、カルシウム濃度には直接関与しません。
カルシウム高値は副甲状腺機能亢進症など他の病態を示唆することが多いため、この症例には該当しないと考えられます。

アプローチ方法

副腎腫瘍によるカルシウム高値の可能性は低いため、選択肢2は誤りであると判断できます。


選択肢 3. LDLコレステロール高値

論点

高血圧患者では、LDLコレステロールが高値である場合がありますが、原発性アルドステロン症と直接的な因果関係は示されていません。
また、副腎腫瘍によるアルドステロン過剰分泌とは無関係と考えられます。

アプローチ方法

症例の文脈からはLDLコレステロールの異常は特に期待されないため、選択肢3は誤りであると判断できます。


選択肢 4. 遊離チロキシン(FT4)高値

論点

FT4は甲状腺ホルモンの一種で、原発性アルドステロン症や副腎腫瘍による影響を受けません。
FT4高値は、バセドウ病など甲状腺機能亢進症の診断に関連する所見であり、本症例には関係がありません。

アプローチ方法

原発性アルドステロン症とFT4の異常との関連はないため、選択肢4は誤りであると判断できます。


選択肢 5. レニン活性低値

論点

原発性アルドステロン症では、過剰なアルドステロンによりナトリウム再吸収が促進され、これによる負のフィードバックでレニン活性が低値になります。
この低レニン活性は、PAの重要な診断指標です。

アプローチ方法

症例の特徴に基づき、レニン活性低値は期待される所見であるため、選択肢5は正しいと判断できます。


以上の解釈により、正しい選択肢は1と5と結論できます。


Ref.

以下に、原発性アルドステロン症および二次性高血圧の病態生理に関する参考文献を示します。

  1. Funder, J. W., Carey, R. M., Mantero, F., et al. (2016). "The Management of Primary Aldosteronism: Case Detection, Diagnosis, and Treatment: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline." The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 101(5), 1889-1916.
    本ガイドラインは、原発性アルドステロン症に関する診断基準や治療方針を詳細に記述し、低カリウム血症や低レニン活性の所見についても触れています。

  2. Young, W. F. Jr. (2007). "Primary Aldosteronism: Renaissance of a Syndrome." Clinical Endocrinology, 66(5), 607-618.
    本文献は、原発性アルドステロン症の病態生理や臨床診断に関する包括的なレビューで、特に高血圧および低カリウム血症の病態との関連について詳述しています。

  3. Kaplan, N. M., & Victor, R. G. (2010). Kaplan's Clinical Hypertension. Lippincott Williams & Wilkins.
    本書は、二次性高血圧を含む高血圧症の病態や治療法を体系的に解説しており、原発性アルドステロン症の診断に必要な所見についても記載されています。


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学理論問題【複合問題】から原発性アルドステロン症 / 低カリウム血症 / 低レニン血症を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問165-166

一般問題(薬学理論問題)


【薬理/病態・薬物治療】 

■複合問題|問 109-165-166

Q. 50歳女性。5年前に近医にて高血圧を指摘され、アムロジピン5mg/日を服用していた。最近の血圧は155/95mmHg程度と高値が持続しており、頭痛や脱力を自覚し今回受診した。二次性高血圧が疑われたため、腹部CT検査が実施されて左副腎に腫瘍を認めたが、血中コルチゾール値や血中カテコールアミン値の上昇は認めなかった。


薬理|問 109-165 
Q. (薬理)
この患者にスピロノラクトンが投与されることになった。スピロノラクトンに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 上皮性Na+チャネルの発現を増加させる。

  2. アルドステロン誘導タンパク質の生合成を抑制する。

  3. 腎尿細管におけるNa+, K+-ATPaseの発現を増加させる。

  4. 腎尿細管におけるK+分泌を促進する。

  5. 抗アンドロゲン作用を示す。


病態|問 109-166 
Q. (病態・薬物治療)
本症例で認められる血液検査所見として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. カリウム低値

  2. カルシウム高値

  3. LDLコレステロール高値

  4. 遊離チロキシン(FT4)高値

  5. レニン活性低値


■■GPT4o


病態・薬物治療|問 109-166


■論点|原発性アルドステロン症 / 低カリウム血症 / 低レニン血症

この問題の論点は、原発性アルドステロン症に関連する血液検査所見を正しく理解し、特に二次性高血圧を引き起こす副腎腫瘍による病態と関連付けて解答を導くことです。


■解説1|

カリウム低値(選択肢1)【正しい】

原発性アルドステロン症(PA)では、アルドステロンが過剰に分泌されるため、腎臓におけるナトリウムの再吸収とカリウムの排泄が促進されます。
これにより、血清カリウムが低下(低カリウム血症)することが一般的です。
この低カリウム血症は、特に高血圧や倦怠感、筋力低下の原因となるため、原発性アルドステロン症(PA)の診断上の重要な指標です。

レニン活性低値(選択肢5)【正しい】

原発性アルドステロン症ではアルドステロンが過剰に分泌されるため、体内のナトリウムと水分量が増加し、血圧が上昇します。
その結果、腎臓のレニン分泌が抑制され、レニン活性が低下します。
レニン活性低値は、原発性アルドステロン症の特徴的な所見であり、他の二次性高血圧と区別するための指標になります。


■解説2|

原発性アルドステロン症は、副腎腫瘍が原因でアルドステロンが過剰に分泌されることで生じます。
アルドステロンは遠位尿細管におけるナトリウム再吸収とカリウム排泄を促進するため、血清ナトリウムが増加し、カリウムが低下します。
また、アルドステロン過剰は血圧を上昇させるため、フィードバック機構でレニン分泌が抑制されます。
これにより、低カリウム血症と低レニン血症が併存することが、原発性アルドステロン症の特徴となります。


■結論|

正しい選択肢は、1と5です。
これらは、原発性アルドステロン症に伴う典型的な血液所見であり、病態生理に基づいて合理的に選択されます。


■補足|

カルシウム高値(選択肢2)【誤り】

原発性アルドステロン症において、血清カルシウム値の上昇は通常みられません。
カルシウム異常は、特に副甲状腺機能異常およびビタミンD過剰摂取と関連することが多いです。

LDLコレステロール高値(選択肢3)【誤り】

原発性アルドステロン症は脂質代謝異常を直接引き起こすことはないため、LDLコレステロールの上昇は典型的ではありません。
高血圧自体が間接的に脂質代謝に影響を与えることがありますが、本症例においては直接的関連が薄いと考えられます。

遊離チロキシン(FT4)高値(選択肢4)【誤り】

甲状腺ホルモンである遊離チロキシン(FT4)の上昇は、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症で見られます。
原発性アルドステロン症に関連する所見ではありません。


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第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問165-166

一般問題(薬学理論問題)


【薬理/病態・薬物治療】 

■複合問題|問 109-165-166

Q. 50歳女性。5年前に近医にて高血圧を指摘され、アムロジピン5mg/日を服用していた。最近の血圧は155/95mmHg程度と高値が持続しており、頭痛や脱力を自覚し今回受診した。二次性高血圧が疑われたため、腹部CT検査が実施されて左副腎に腫瘍を認めたが、血中コルチゾール値や血中カテコールアミン値の上昇は認めなかった。


薬理|問 109-165 
Q. (薬理)
この患者にスピロノラクトンが投与されることになった。スピロノラクトンに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 上皮性Na+チャネルの発現を増加させる。

  2. アルドステロン誘導タンパク質の生合成を抑制する。

  3. 腎尿細管におけるNa+, K+-ATPaseの発現を増加させる。

  4. 腎尿細管におけるK+分泌を促進する。

  5. 抗アンドロゲン作用を示す。


病態|問 109-166 
Q. (病態・薬物治療)
本症例で認められる血液検査所見として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. カリウム低値

  2. カルシウム高値

  3. LDLコレステロール高値

  4. 遊離チロキシン(FT4)高値

  5. レニン活性低値


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