松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 107-208-209【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:家族性高コレステロール血症 / コレスチミド / 生活習慣指導・服薬指導 / タウロコール酸 / 再吸収阻害
第107回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問208-209
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 107-208-209
Q. 45歳男性。喫煙歴20年(1日20本)。20歳代前半から血清コレステロールの高値を指摘されていたが、未治療のまま放置していた。男性は、会社の健康診断でLDL-C値が220mg/dLであると指摘され、年齢のことも考慮し近医を受診した。家族性高コレステロール血症と診断され、医師や薬剤師による生活習慣指導及び処方1による薬物治療が6ヶ月継続された。しかし、LDL-C値が管理目標まで下がらなかったため、本日の診察で薬剤の追加が検討された。生化学検査の結果、AST、ALT、総ビリルビンが高値を示し肝障害が疑われたため、処方2が追加された。なお、アドヒアランスは良好である。
(処方1)
ロスバスタチン錠5mg|1回4錠(1日4錠)1日1回|就寝前|28日分|
(処方2)
コレスチミド顆粒83%|1回1.81g(1日3.62g)1日2回|朝夕食前|28日分
(本日の検査値)
血圧122/74mmHg、LDL-C130mg/dL、HDL-C40mg/dL、TG(トリグリセリド)100mg/dL、AST120IU/L、ALT125IU/L、総ビリルビン2.0mg/dL、HbA1c5.5%(NGSP値)
実務
問 107-208|実務
Q. 生活習慣指導及び服薬指導の内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 薬物治療だけでなく、禁煙することも重要です。
2. 無酸素運動を中心に、毎日運動することが推奨されています。
3. 家族性高コレステロール血症のLDL-C管理目標は、高LDLコレステロール血症の一次予防の目標より低く設定されています。
4. お腹の痛みや張りを感じたときは、すぐに処方医又は薬剤師に連絡してください。
5. 今回追加された薬剤は、脂溶性ビタミンの吸収を低下させる可能性があります。
Here:
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物理・化学・生物
問 107-209|化学
Q. コレスチミドは腸管において、胆汁酸であるタウロコール酸の再吸収を阻害し、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を促進する。タウロコール酸の再吸収が阻害される機序に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. コレスチミドを触媒としてタウロコール酸が分解される。
2. コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のヒドロキシ基との間に水素結合が形成される。
3. コレスチミドのカチオンとタウロコール酸のイオン化したスルホ基との間にイオン結合が形成される。
4. コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基との間に水素結合が形成される。
5. コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基がエステル結合を形成する。
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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【物理・化学・生物、衛生/実務】 の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第107回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問208-209、論点:家族性高コレステロール血症 / コレスチミド / 生活習慣指導・服薬指導 / タウロコール酸 / 再吸収阻害を徹底解説します。
薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 107-208-209【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:家族性高コレステロール血症 / コレスチミド / 生活習慣指導・服薬指導 / タウロコール酸 / 再吸収阻害|matsunoya
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このコンテンツの制作者|
滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa
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設問へのアプローチ|
薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目の①を取り上げています。
厚生労働省|過去の試験問題👇
第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第107回薬剤師国家試験 問208-209(問107-208-209)では、家族性高コレステロール血症のコレスチミドによる治療に関する知識を化学および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。
複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。
💡ワンポイント
複合問題ですが、問107-208-209を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。
問106-228および問106-229は、家族性高コレステロール血症のコレスチミドによる治療に関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書の理解が必要です。
冒頭文で必要な情報は、
診断(家族性高コレステロール血症)と
今回の処方(コレスチミド)
です。
🫛豆知識 医療用医薬品添付文書 抜粋
医療用医薬品添付文書を一読しておくと応用力がつきます。
出典:
PMDA 医療用医薬品添付文書等 コレスチミド
製造販売元/富士製薬工業株式会社 コレバイン錠500mg/コレバインミニ83%
以下抜粋します。
薬効分類名
高コレステロール血症治療剤
4. 効能又は効果
高コレステロール血症
家族性高コレステロール血症
8. 重要な基本的注意
🫛あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、肥満がある場合にはその是正につとめる。
🫛運動療法、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等を考慮する。
8.1 あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、肥満がある場合にはその是正につとめること。更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に考慮すること。
🫛便秘又は便秘の増悪により腹痛、嘔吐等があらわれることがある。
8.2 便秘又は便秘の増悪により腹痛、嘔吐等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、緩下剤の併用あるいは本剤を減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.1 参照],[11.2 参照]
8.3 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。また、本剤の投与により血中トリグリセリド値が上昇することがあるので、血中トリグリセリド値を定期的に検査し、異常上昇例に対しては投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
🫛脂溶性ビタミン(A、D、E、K)あるいは葉酸塩の吸収阻害が起こる可能性がある
8.4 脂溶性ビタミン(A、D、E、K)あるいは葉酸塩の吸収阻害が起こる可能性があるので、長期間投与の際にはこれらの補給を考慮すること。
8.5 類薬(コレスチラミン)で、長期間の大量投与により高クロール性アシドーシスがあらわれたとの報告があるので十分注意すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 便秘の患者又は便秘を起こしやすい患者
症状を悪化させ、腹痛、嘔吐等があらわれるおそれがある。なお、症状が悪化した場合、腸閉塞に至るおそれがある。[8.2 参照],[11.1.1 参照]
9.1.2 腸管狭窄のある患者
本剤が腸管内で膨潤し、腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。[2.3 参照],[11.1.1 参照]
9.1.3 腸管憩室のある患者
腸管穿孔を起こした例が報告されている。[11.1.1 参照]
9.1.4 嚥下困難のある患者
誤って気道に入った本剤が膨潤し、呼吸困難を起こした症例が報告されている。[14.1.1 参照]
9.1.5 痔疾患を有する患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6 消化管潰瘍又はその既往歴のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.7 出血傾向を有する患者
出血傾向を増強するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 胆道の完全閉塞した患者
投与しないこと。本剤の血清コレステロール低下作用は、主に腸管内で胆汁酸と結合してその糞中排泄量を増大させることにより発現するため効果が期待できない。[2.1 参照]
9.3.2 肝疾患・肝機能障害又はその既往歴のある患者(胆道の完全閉塞した患者を除く)
症状を悪化させるおそれがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
9.8.1 便秘、腹部膨満感等の消化器症状が発現しやすい。[11.1.1 参照]9.8.2 誤って気道に入った本剤が膨潤し、呼吸困難を起こした症例が報告されている。[14.1.1 参照]
14. 適用上の注意
14.1 薬剤交付時の注意
〈製剤共通〉
14.1.1 誤って気道に入った本剤が膨潤し、呼吸困難を起こした症例が報告されているので、以下の事項に注意して服用させること。[9.1.4 参照],[9.8.2 参照]
🫛十分量(200mL程度)の水で服用させる。
🫛温水(湯、温かい茶等)にて服用すると膨らんで服用できない場合があるので常温の水又は冷水で服用させる。
本剤は十分量(200mL程度)の水で服用させること。のどの奥に残った場合には、さらに水を飲み足させること。
温水(湯、温かい茶等)にて服用すると膨らんで服用できない場合があるので常温の水又は冷水で服用させること。
口中に長く留めていると膨らんで服用できない場合があるので速やかに嚥下させること。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
🫛コレスチミドは消化管で胆汁酸を吸着し、排泄促進作用により胆汁酸の腸肝循環を阻害、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を亢進する。
コレスチミドは消化管で胆汁酸を吸着し、その排泄促進作用により胆汁酸の腸肝循環を阻害し、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を亢進する。その結果、肝のコレステロールプールが減少するため、この代償作用として、肝LDL受容体の増加による血中LDLの取込み亢進が生じ、血清総コレステロールが減少する。なお、外因性コレステロールの直接の吸着あるいは胆汁酸ミセル形成阻害によるコレステロール吸収阻害も血清総コレステロールの減少に寄与するものと考えられている16),17),18)。
18.2 胆汁酸及びコレステロール吸着作用
In vitroでコレスチミドは各種胆汁酸を吸着した。また、胆汁酸・脂質複合体ミセルに対してもその構成成分(コール酸、オレイン酸、モノオレイルグリセロール、リン脂質、コレステロール)を吸着した18)。
18.3 胆汁酸及びコレステロールの吸収抑制、排泄促進作用
ラットへの経口投与により門脈血中総胆汁酸濃度と腹部リンパ管内の総コレステロールは有意に減少した。
また、ウサギへの経口投与により糞中胆汁酸排泄量の有意な増加と糞中コレステロール排泄量の有意な増加が認められた16),17)。
まず基本的な知識について復習しておきましょう。
■■GPT4o
コレスチミドの薬理
コレスチミド(Colestilan)は、腸内で作用し、コレステロール代謝や胆汁酸の再吸収を阻害することで血中脂質を調節する薬剤です。
1. 胆汁酸と腸肝循環
胆汁酸の役割:
胆汁酸は肝臓でコレステロールから合成され、小腸に分泌される消化液の成分です。脂質の乳化を助け、吸収効率を向上させます。腸肝循環:
胆汁酸の約95%は小腸末端(回腸)で再吸収され、門脈を介して肝臓に戻ります。この循環は体内のコレステロール恒常性に重要です。
2. コレスチミドの投与による胆汁酸結合と再吸収阻害
イオン結合の形成:
コレスチミドは高分子陽イオン交換樹脂で、腸管内で陰イオン性の胆汁酸(例: タウロコール酸)と静電的に結合します。この結合により、胆汁酸は腸肝循環に再吸収されずに体外へ排泄されます。胆汁酸排泄の増加:
再吸収を阻害された胆汁酸は糞便中に排泄され、体内の胆汁酸プール量が減少します。
3. 肝臓での代償的な胆汁酸合成促進
コレステロールの消費:
胆汁酸の供給不足により、肝臓ではコレステロールを基質として新たな胆汁酸を合成する酵素(例: コレステロール7α-ヒドロキシラーゼ)が活性化します。LDL受容体の増加:
肝臓内のコレステロール濃度が低下することで、肝細胞表面のLDL受容体がアップレギュレーションされ、血中LDL-C(低密度リポタンパク質コレステロール)が減少します。
4. 他の作用機序
リン酸吸着:
コレスチミドは腎疾患患者において、腸管内でリン酸イオンと結合し、血中リン濃度を低下させる効果もあります。これにより、高リン血症の管理に寄与します。脂溶性ビタミンの吸収阻害:
胆汁酸と結合することにより、一部の脂溶性ビタミン(ビタミンA, D, E, K)の吸収が低下する可能性があります。このため、ビタミン補充が必要な場合があります。
5. 臨床的意義と適応
脂質異常症の管理: LDL-Cの低下を主目的として、スタチン治療に追加されることが多いです。特に、スタチン単独で効果が不十分な場合や副作用が生じる場合に有用です。
高リン血症の管理: 慢性腎臓病(CKD)患者における高リン血症治療としても適応があります。
引用文献
Davidson MH, et al. "Bile acid sequestrants: mechanism of action and clinical use." Lipidology and Lipid Metabolism, 2010.
Reshef A, et al. "Regulation of bile acid synthesis: correlation between bile acid pool size and LDL receptor activity in humans." Journal of Clinical Investigation, 1994.
Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan. "コレスチミド製剤添付文書."
Haffner SM, et al. "Cholesterol metabolism and bile acid sequestrants in the treatment of dyslipidemia." Endocrinology Reviews, 2006.
Goodman & Gilman's "The Pharmacological Basis of Therapeutics", 13th Edition.
家族性高コレステロール血症(FH)患者に対する生活習慣指導および服薬指導
1. 家族性高コレステロール血症(FH)の概要
家族性高コレステロール血症(FH)は、遺伝性の疾患であり、LDLコレステロール(LDL-C)値が異常に高くなることが特徴です。
これは、LDL受容体の欠損または機能不全が原因で、血中コレステロールが正常に取り込まれず、血中のLDL-Cが異常に高値を示すことによります。
早期の発症が特徴で、動脈硬化や心血管疾患のリスクが非常に高く、治療を早期に開始することが極めて重要です。
2. 生活習慣指導
FH患者に対する生活習慣指導は、薬物治療の効果を補完し、全体的な健康を促進するために不可欠です。以下の点が重要です:
食事指導:
低飽和脂肪食:
動物性脂肪やトランス脂肪酸の摂取を制限し、野菜や果物、全粒穀物を多く摂取することが推奨されます。これにより、血中コレステロール濃度を低下させ、動脈硬化を予防します。食物繊維の摂取:
食物繊維は腸内でコレステロールを吸着し、排泄を促進します。特に、水溶性食物繊維(例:オートミール、果物、豆類)は有効です。低脂肪タンパク質:
鶏肉や魚、大豆製品など低脂肪のタンパク源を選択します。
禁煙:
喫煙は動脈硬化を進行させ、心血管疾患のリスクを増加させるため、禁煙が強く推奨されます。運動:
有酸素運動(例:ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど)は、HDLコレステロールを増加させ、心血管の健康を促進します。少なくとも週150分の適度な運動を目標とします。体重管理:
適正体重の維持は、血圧や血糖値の管理にも寄与し、心血管疾患のリスクを低下させます。
3. 服薬指導
FH患者に対する薬物治療は、LDL-Cの低下を目指し、心血管疾患のリスクを低減させるために重要です。
以下は、主要な薬物治療のアプローチです:
スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬):
スタチンはLDL-C値を低下させ、心血管リスクを減少させる効果があります。FH患者には高用量のスタチンがしばしば使用されます。
副作用として筋肉痛や肝機能障害が報告されているため、定期的なモニタリングが必要です。
PCSK9阻害薬:
新しいクラスの薬で、LDL-C受容体の再活性化を促進し、LDL-Cの取り込みを助けることにより、LDL-Cをさらに低下させます。スタチンで十分な効果が得られないFH患者に対して使用されます。
胆汁酸吸着剤(コレスチミド、コレスチラミンなど):
腸内で胆汁酸の再吸収を阻害し、コレステロールの合成を促進します。これによりLDL-C値が低下します。
フィブラート系薬剤:
トリグリセリド値が高いFH患者には、フィブラート系薬剤を併用することがあります。これにより、トリグリセリドの低下とHDLコレステロールの増加が促進されます。
アドヒアランスの重要性:
FH患者は生涯にわたり薬物治療を継続する必要があるため、服薬の遵守(アドヒアランス)が極めて重要です。薬物の副作用や治療の効果について患者に十分な情報を提供し、服薬を継続する意欲を高めることが求められます。
4. 定期的なモニタリング
血液検査:
血中のLDL-C、HDL-C、トリグリセリド、肝機能(AST、ALT)、筋肉酵素(CPK)などを定期的にチェックし、治療の進捗を評価します。心血管疾患リスクの評価:
年齢、性別、家族歴などを考慮し、心血管疾患のリスク評価を行い、治療方針を調整します。
5. その他の重要事項
遺伝カウンセリング:
FHは遺伝性疾患であり、家族内での早期診断と治療が重要です。患者および家族に対して遺伝カウンセリングを行い、早期に治療を開始することが推奨されます。
引用文献
Khera AV, et al. "Genetic risk, adherence to a healthy lifestyle, and coronary disease." New England Journal of Medicine, 2016.
Raal FJ, et al. "Inhibition of PCSK9 with alirocumab in familial hypercholesterolemia." New England Journal of Medicine, 2015.
Stein EA, et al. "Efficacy and safety of PCSK9 inhibitors in familial hypercholesterolemia." Journal of Clinical Lipidology, 2018.
Goodman & Gilman "The Pharmacological Basis of Therapeutics", 13th Edition, McGraw-Hill Education.
Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan. "高コレステロール血症治療ガイドライン."
論点およびポイント
■■GPT4o
問107-208|実務
論点|禁煙の重要性 / LDL-C管理目標 / 薬剤の副作用
ポイント|
禁煙の重要性:
喫煙は動脈硬化のリスクを高めるため、薬物治療と併せて禁煙が推奨されます。適切な運動:
有酸素運動が脂質代謝改善に効果的であり、無酸素運動は推奨されません。LDL-C管理目標:
家族性高コレステロール血症では、LDL-C管理目標が一次予防の目標値より低く設定されます。副作用への対策:
コレスチミドは脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収を低下させる可能性があるため、長期投与ではビタミン補充が検討されます。患者の状態変化への対応:
腹痛や腹部の張りなどの症状が現れた場合、すぐに医師や薬剤師に相談する必要があります。
問107-209|化学
論点|腸肝循環 / 胆汁酸吸着 / イオン結合
ポイント|
コレスチミドの作用機序:
カチオン性高分子であるコレスチミドは、胆汁酸のスルホ基とイオン結合を形成し、腸管で胆汁酸を吸着します。胆汁酸の再吸収阻害:
胆汁酸と結合したコレスチミドは、再吸収されずに体外に排泄されます。これにより腸肝循環が破綻します。コレステロール代謝の促進:
胆汁酸の再吸収が抑制されると、肝臓でコレステロールから胆汁酸への代謝が促進され、血中LDL-Cが低下します。結合形式の特性:
イオン結合は、コレスチミドと胆汁酸の相互作用において最も重要です。水素結合やエステル結合は該当しません。安全性と副作用:
脂溶性ビタミンの吸収低下などの影響に留意し、患者の栄養状態を定期的に評価する必要があります。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
論点を整理します。
■■GPT4o
総合的な論点
問 107-208: 実務
この問題は、家族性高コレステロール血症(FH)患者に対する生活習慣指導および服薬指導の適切性を検討するものです。FHは遺伝的要因による高LDL-C血症であり、動脈硬化性疾患のリスクが高いことが特徴です。治療には、薬物療法(スタチンや胆汁酸吸着剤の併用など)だけでなく、生活習慣の改善が重要です。
以下の論点が挙げられます:
禁煙の重要性
喫煙はLDL-Cの酸化を促進し、動脈硬化の進行を加速します。禁煙は、FH患者にとって心血管リスクを低減する重要な要素です。運動指導の適切性
有酸素運動はLDL-Cの低下やHDL-Cの上昇に寄与する一方、無酸素運動は脂質代謝への影響が限定的であり、推奨されない場合が多いです。LDL-C管理目標の設定
FH患者の管理目標は、一次予防よりも厳格であり、LDL-C 100mg/dL未満が推奨されています。胆汁酸吸着剤の副作用と注意事項
コレスチミドは腸管内での胆汁酸吸着による副作用(消化器症状)があり、患者の早期報告が求められます。また、脂溶性ビタミンの吸収低下に注意する必要があります。
エビデンス
Smolders B, et al. "Familial Hypercholesterolemia Treatment and Cardiovascular Risk Reduction." Curr Cardiol Rep. 2020.
Grundy SM, et al. "2018 AHA/ACC Guideline on the Management of Blood Cholesterol." Circulation. 2019.
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
選択肢1: 薬物治療だけでなく、禁煙することも重要です。
論点:
喫煙はLDL-Cの酸化を促進し、動脈硬化リスクを高めます。FH患者において禁煙はリスク軽減に不可欠です。アプローチ方法:
禁煙の重要性を患者に説明し、適切な禁煙支援(カウンセリングやニコチン置換療法など)を提供する。
選択肢2: 無酸素運動を中心に、毎日運動することが推奨されています。
論点:
無酸素運動は脂質代謝への影響が限定的であり、むしろ心血管リスクがある場合には負荷が大きすぎる可能性があります。有酸素運動がLDL-C低下やHDL-C上昇に有効です。アプローチ方法:
運動の推奨内容を見直し、有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)を推奨します。無酸素運動に偏らないよう注意を促します。
選択肢3: 家族性高コレステロール血症のLDL-C管理目標は、高LDLコレステロール血症の一次予防の目標より低く設定されています。
論点:
FH患者は一次予防対象者よりも厳格なLDL-C目標(<100 mg/dL)が推奨されます。この基準は動脈硬化リスク軽減のためです。アプローチ方法:
LDL-C管理目標を説明し、患者が目標値達成の重要性を理解するよう指導します。
選択肢4: お腹の痛みや張りを感じたときは、すぐに処方医又は薬剤師に連絡してください。
論点:
コレスチミドは消化器症状を引き起こす可能性があります。患者が副作用に適切に対処できるよう早期の報告が重要です。アプローチ方法:
副作用の兆候と対応方法を説明し、症状発生時の連絡先を明確に伝えます。
選択肢5: 今回追加された薬剤は、脂溶性ビタミンの吸収を低下させる可能性があります。
論点:
コレスチミドは胆汁酸吸着によって脂溶性ビタミン(A, D, E, K)の吸収を阻害する可能性があります。これにより、欠乏症のリスクが増します。アプローチ方法:
長期使用時には脂溶性ビタミンの補充を検討し、血液検査でのモニタリングを行う必要があります。
正答
2: 無酸素運動の推奨は科学的根拠に基づかず、不適切と判断されます。
引用文献
Smolders B, et al. "Familial Hypercholesterolemia Treatment and Cardiovascular Risk Reduction." Curr Cardiol Rep. 2020.
この文献はFHにおける薬物療法と生活習慣改善の役割について包括的に述べています。
Grundy SM, et al. "2018 AHA/ACC Guideline on the Management of Blood Cholesterol." Circulation. 2019.
LDL-Cの管理目標やリスク層別化の方法を解説しており、選択肢3に関連します。
Durrington PN. "Hyperlipidaemia: Diagnosis and Management." Health Press Limited. 2010.
FH患者における運動の推奨や副作用管理に関する知見を提供しています。
National Lipid Association Expert Panel. "Familial Hypercholesterolemia: Screening, Diagnosis, and Management of Pediatric and Adult Patients." J Clin Lipidol. 2011.
禁煙の重要性および副作用管理に関する議論が詳細です。
問 107-209: 化学
この問題は、コレスチミドの作用機序、特に腸管における胆汁酸の再吸収阻害の分子機構について問うものです。
胆汁酸はコレステロールから肝臓で合成され、小腸で再吸収されることで腸肝循環を形成します。コレスチミドはこのプロセスを阻害し、肝臓におけるコレステロールから胆汁酸への代謝を促進することでLDL-Cを低下させます。
主な論点は以下の通りです:
胆汁酸とコレスチミドの結合
コレスチミドはカチオン性高分子であり、胆汁酸(タウロコール酸など)のアニオン性部分(スルホ基)とイオン結合を形成します。この結合により胆汁酸の腸管での再吸収が阻害されます。腸肝循環の破綻
胆汁酸の吸着により肝臓への胆汁酸の戻りが減少し、コレステロールから胆汁酸への新規合成が促進されます。これにより、血中LDL-Cが低下します。化学結合の特性
問題文に記載された結合形式(イオン結合、水素結合、エステル結合など)を理解し、正確に判断する必要があります。イオン結合は静電的相互作用に基づき、胆汁酸の極性基との結合に適しています。
エビデンス
Suckling KE, et al. "Cholestyramine therapy lowers plasma cholesterol levels by reducing cholesterol absorption and increasing cholesterol catabolism in the liver." Eur J Biochem. 1990.
van der Wulp MYM, et al. "Regulation of cholesterol homeostasis." Mol Cell Endocrinol. 2013.
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
選択肢1: コレスチミドを触媒としてタウロコール酸が分解される。
論点:
触媒作用による分解は、コレスチミドの作用機序ではありません。コレスチミドは化学反応を促進する触媒ではなく、胆汁酸と直接結合して吸着を引き起こします。アプローチ方法:
コレスチミドの役割は吸着剤としての機能であり、触媒とは異なることを説明する。
選択肢2: コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のヒドロキシ基との間に水素結合が形成される。
論点:
コレスチミドの胆汁酸との結合は、静電的相互作用が主であり、水素結合は主要な結合形式ではありません。アプローチ方法:
イオン結合の方が適切である理由を分子構造に基づいて説明する。
選択肢3: コレスチミドのカチオンとタウロコール酸のイオン化したスルホ基との間にイオン結合が形成される。
論点:
これは正しい記述です。タウロコール酸のスルホ基はアニオン性を持ち、コレスチミドのカチオン性高分子部分とイオン結合を形成します。この結合により胆汁酸の再吸収が阻害されます。アプローチ方法:
胆汁酸とコレスチミドの分子構造および静電的相互作用の特性を説明する。
選択肢4: コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基との間に水素結合が形成される。
論点:
水素結合は可能性として存在するものの、主な結合形式はイオン結合です。この記述は誤解を招く可能性があります。アプローチ方法:
主な結合形式がイオン結合であることを示し、水素結合が副次的である理由を説明する。
選択肢5: コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基がエステル結合を形成する。
論点:
エステル結合は酵素による化学反応で形成される結合であり、コレスチミドとタウロコール酸の相互作用では観察されません。アプローチ方法:
エステル結合形成には酵素と高エネルギー条件が必要であり、今回の条件には該当しないことを説明する。
正答
3: コレスチミドとタウロコール酸の主な相互作用がイオン結合であるため、選択肢3が最も適切です。
引用文献
Suckling KE, et al. "Cholestyramine therapy lowers plasma cholesterol levels by reducing cholesterol absorption and increasing cholesterol catabolism in the liver." Eur J Biochem. 1990.
コレスチミドや関連薬物が胆汁酸を吸着し、腸肝循環を阻害するメカニズムを説明しています。
van der Wulp MYM, et al. "Regulation of cholesterol homeostasis." Mol Cell Endocrinol. 2013.
胆汁酸とコレステロール代謝の関係を包括的に記載しています。
Davidson MH, et al. "The role of bile acid sequestrants in the treatment of dyslipidemia: a comprehensive review." Drugs. 2007.
イオン結合の役割や胆汁酸吸着の分子機構に関する詳細が記載されています。
Chait A. "Bile acid sequestrants: An established option for treating hyperlipidemia." Am J Cardiovasc Drugs. 2002.
コレスチミドを含む胆汁酸吸着剤の作用機序を分子レベルで解説しています。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
大丈夫です。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】から家族性高コレステロール血症 / コレスチミド / 生活習慣指導・服薬指導 / タウロコール酸 / 再吸収阻害を論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
Here we go.
第107回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問208-209
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 107-208-209
Q. 45歳男性。喫煙歴20年(1日20本)。20歳代前半から血清コレステロールの高値を指摘されていたが、未治療のまま放置していた。男性は、会社の健康診断でLDL-C値が220mg/dLであると指摘され、年齢のことも考慮し近医を受診した。家族性高コレステロール血症と診断され、医師や薬剤師による生活習慣指導及び処方1による薬物治療が6ヶ月継続された。しかし、LDL-C値が管理目標まで下がらなかったため、本日の診察で薬剤の追加が検討された。生化学検査の結果、AST、ALT、総ビリルビンが高値を示し肝障害が疑われたため、処方2が追加された。なお、アドヒアランスは良好である。
(処方1)
ロスバスタチン錠5mg|1回4錠(1日4錠)1日1回|就寝前|28日分|
(処方2)
コレスチミド顆粒83%|1回1.81g(1日3.62g)1日2回|朝夕食前|28日分
(本日の検査値)
血圧122/74mmHg、LDL-C130mg/dL、HDL-C40mg/dL、TG(トリグリセリド)100mg/dL、AST120IU/L、ALT125IU/L、総ビリルビン2.0mg/dL、HbA1c5.5%(NGSP値)
実務
問 107-208|実務
Q. 生活習慣指導及び服薬指導の内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 薬物治療だけでなく、禁煙することも重要です。
2. 無酸素運動を中心に、毎日運動することが推奨されています。
3. 家族性高コレステロール血症のLDL-C管理目標は、高LDLコレステロール血症の一次予防の目標より低く設定されています。
4. お腹の痛みや張りを感じたときは、すぐに処方医又は薬剤師に連絡してください。
5. 今回追加された薬剤は、脂溶性ビタミンの吸収を低下させる可能性があります。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 107-208-209【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:家族性高コレステロール血症 / コレスチミド / 生活習慣指導・服薬指導 / タウロコール酸 / 再吸収阻害|matsunoya
物理・化学・生物
問 107-209|化学
Q. コレスチミドは腸管において、胆汁酸であるタウロコール酸の再吸収を阻害し、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を促進する。タウロコール酸の再吸収が阻害される機序に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. コレスチミドを触媒としてタウロコール酸が分解される。
2. コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のヒドロキシ基との間に水素結合が形成される。
3. コレスチミドのカチオンとタウロコール酸のイオン化したスルホ基との間にイオン結合が形成される。
4. コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基との間に水素結合が形成される。
5. コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基がエステル結合を形成する。
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■■GPT4o
■問 107-208|実務
■論点|
この問題の論点は、生活習慣指導および服薬指導における適切な運動内容の選定を特定することです。
■解説1|
無酸素運動を中心に、毎日運動することが推奨されています。(選択肢2)[誤り]
家族性高コレステロール血症の運動指導:
有酸素運動がエネルギー消費を促進し、脂質代謝改善に有効であることが多くの研究で示されています。例えば、ウォーキングやジョギング、水泳などが推奨されます。無酸素運動の影響:
短時間で高強度の運動は主に筋力向上が目的であり、脂質改善の効果は限定的です。また、家族性高コレステロール血症では心血管系のリスクが高いことから、過度の負荷は避けるべきです。運動の頻度と持続時間:
適切な有酸素運動の推奨頻度は、週に150分以上(30分/日×5日)が基準となります(米国心臓協会ガイドラインより)。
■解説2|
有酸素運動の生理学的効果:
有酸素運動は血中HDL-C(善玉コレステロール)を増加させ、LDL-C(悪玉コレステロール)の減少に寄与します。また、インスリン感受性も向上するため、糖代謝にも好影響を及ぼします。禁忌事項の確認:
無酸素運動や過度の運動は、一部の疾患(例: 不安定狭心症など)では有害となり得ます。そのため、患者背景に基づく運動プログラムの個別化が重要です。
■結論|
選択肢2は、家族性高コレステロール血症患者への運動指導として誤りです。有酸素運動が推奨される一方で、無酸素運動は適切ではありません。
■補足|
薬物治療だけでなく、禁煙することも重要です。(選択肢1)[正しい]
禁煙により動脈硬化のリスクが低下し、薬物治療の効果を補強します。
家族性高コレステロール血症のLDL-C管理目標は、高LDLコレステロール血症の一次予防の目標より低く設定されています。(選択肢3)[正しい]
管理目標は、一次予防では100~129 mg/dLに設定されるのに対し、家族性高コレステロール血症ではさらに低い目標(<70 mg/dL)が設定されます。
お腹の痛みや張りを感じたときは、すぐに処方医又は薬剤師に連絡してください。(選択肢4)[正しい]
コレスチミドの副作用(消化器症状)が疑われる場合、迅速な対応が必要です。
今回追加された薬剤は、脂溶性ビタミンの吸収を低下させる可能性があります。(選択肢5)[正しい]
コレスチミドが脂溶性ビタミンの吸収を妨げるため、長期使用時には補充を検討する必要があります。
■問 107-209|化学
■論点|
この問題の論点は、コレスチミドと胆汁酸(タウロコール酸)の間で生じる結合機序を特定することです。
■解説1|
コレスチミドのカチオンとタウロコール酸のイオン化したスルホ基との間にイオン結合が形成される。(選択肢3)[正しい]
イオン結合の形成:
コレスチミドは陽イオン性の高分子樹脂であり、陰イオン性の胆汁酸(例: タウロコール酸)のスルホ基(-SO₃⁻)と静電的に結合します。この結合は高い親和性を示し、胆汁酸の腸管での再吸収を阻害します。胆汁酸の役割:
胆汁酸は脂質消化に必要であり、腸管から肝臓へ再吸収されること(腸肝循環)が通常です。これを阻害することで、肝臓内のコレステロールが胆汁酸生成に使われ、血中LDL-Cの減少に寄与します。コレスチミドの作用機序:
コレスチミドは触媒的ではなく、化学的な反応を伴わずに物理的に胆汁酸を吸着するため、再吸収を物理的に阻害します。
■解説2|
親水性樹脂の特性:
コレスチミドは非吸収性の陽イオン交換樹脂であり、腸管内で局所的に作用します。そのため、全身性の副作用はほとんどありません。LDL-C低下のメカニズム:
胆汁酸の再吸収阻害により、肝臓は新たな胆汁酸合成のためにコレステロールを利用します。この過程で、肝臓内のLDL受容体がアップレギュレーションされ、血中のLDL-Cが効率よく除去されます。
■結論|
選択肢3は正しいです。コレスチミドとタウロコール酸の間にはイオン結合が形成され、これが胆汁酸再吸収阻害の機序となっています。
■補足|
コレスチミドを触媒としてタウロコール酸が分解される。(選択肢1)[誤り]
コレスチミドは触媒作用を持たず、胆汁酸の化学分解は行いません。
コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のヒドロキシ基との間に水素結合が形成される。(選択肢2)[誤り]
水素結合ではなく、静電的なイオン結合が主要な相互作用です。
コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基との間に水素結合が形成される。(選択肢4)[誤り]
スルホ基は陰イオンとして働き、主にイオン結合を形成します。
コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基がエステル結合を形成する。(選択肢5)[誤り]
エステル結合は酵素的または化学反応を介して形成されますが、コレスチミドとの間では見られません。
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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第107回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問208-209
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 107-208-209
Q. 45歳男性。喫煙歴20年(1日20本)。20歳代前半から血清コレステロールの高値を指摘されていたが、未治療のまま放置していた。男性は、会社の健康診断でLDL-C値が220mg/dLであると指摘され、年齢のことも考慮し近医を受診した。家族性高コレステロール血症と診断され、医師や薬剤師による生活習慣指導及び処方1による薬物治療が6ヶ月継続された。しかし、LDL-C値が管理目標まで下がらなかったため、本日の診察で薬剤の追加が検討された。生化学検査の結果、AST、ALT、総ビリルビンが高値を示し肝障害が疑われたため、処方2が追加された。なお、アドヒアランスは良好である。
(処方1)
ロスバスタチン錠5mg|1回4錠(1日4錠)1日1回|就寝前|28日分|
(処方2)
コレスチミド顆粒83%|1回1.81g(1日3.62g)1日2回|朝夕食前|28日分
(本日の検査値)
血圧122/74mmHg、LDL-C130mg/dL、HDL-C40mg/dL、TG(トリグリセリド)100mg/dL、AST120IU/L、ALT125IU/L、総ビリルビン2.0mg/dL、HbA1c5.5%(NGSP値)
実務
問 107-208|実務
Q. 生活習慣指導及び服薬指導の内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 薬物治療だけでなく、禁煙することも重要です。
2. 無酸素運動を中心に、毎日運動することが推奨されています。
3. 家族性高コレステロール血症のLDL-C管理目標は、高LDLコレステロール血症の一次予防の目標より低く設定されています。
4. お腹の痛みや張りを感じたときは、すぐに処方医又は薬剤師に連絡してください。
5. 今回追加された薬剤は、脂溶性ビタミンの吸収を低下させる可能性があります。
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物理・化学・生物
問 107-209|化学
Q. コレスチミドは腸管において、胆汁酸であるタウロコール酸の再吸収を阻害し、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を促進する。タウロコール酸の再吸収が阻害される機序に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. コレスチミドを触媒としてタウロコール酸が分解される。
2. コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のヒドロキシ基との間に水素結合が形成される。
3. コレスチミドのカチオンとタウロコール酸のイオン化したスルホ基との間にイオン結合が形成される。
4. コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基との間に水素結合が形成される。
5. コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基がエステル結合を形成する。
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