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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-210-211【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ラモトリギン / グルクロン酸抱合 / UGT1A4 / N-グルクロン酸抱合体 / バルプロ酸 / 併用注意
第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問210-211
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 109-210-211
Q. 43歳男性。身長170cm、体重75kg。双極性障害で処方1の薬剤を服用していた。抑うつ症状が再燃してきたため、今回、処方2が追加された処方箋と以下の検査値が記載された情報用紙を持って患者が来局した。
(処方1)
バルプロ酸Na徐放錠200mg|1回2錠(1日4錠)|
炭酸リチウム錠200mg|1回2錠(1日4錠)|
1日2回|朝夕食後|14日分|
(処方2)
ラモトリギン錠25mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回|朝食後|14日分|
(検査値)
血清クレアチニン1.0mg/dL、AST28IU/L、ALT22IU/L、血清中リチウム濃度1.2mEq/L、血清中バルプロ酸濃度100μg/mL
物理・化学・生物
問 109-210|化学
Q. バルプロ酸やラモトリギンは、どちらもグルクロン酸転移酵素で代謝される。ラモトリギンのグルクロン酸抱合体の構造として正しいのはどれか。1つ選べ。
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■選択肢
1. 1
2. 2
3. 3
4. 4
5. 5
Here:
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実務
問 109-211|実務
Q. この処方に関し、医師へ疑義照会する内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日200mgに減量する。
2. バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日1200mgに増量する。
3. ラモトリギン錠の投与量を、1日50mgに増量する。
4. ラモトリギン錠の用法を、朝食後2時間以降投与に変更する。
5. ラモトリギン錠の用法を、隔日投与にする。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-210-211【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ラモトリギン / グルクロン酸抱合 / UGT1A4 / N-グルクロン酸抱合体 / バルプロ酸|matsunoya
こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【物理・化学・生物、衛生/実務】 の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問210-211、論点:ラモトリギン / グルクロン酸抱合 / UGT1A4 / N-グルクロン酸抱合体 / バルプロ酸 / 併用注意を徹底解説します。
薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-210-211【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ラモトリギン / グルクロン酸抱合 / UGT1A4 / N-グルクロン酸抱合体 / バルプロ酸|matsunoya
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このコンテンツの制作者|
滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa
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設問へのアプローチ|
薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目の①を取り上げています。
厚生労働省|過去の試験問題👇
第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第109回薬剤師国家試験 問210-211(問109-210-211)では、ラモトリギンに関する知識を物理および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。
複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。
💡ワンポイント
複合問題ですが、問109-210-211を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。
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問109-210および問109-211は、ラモトリギンに関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書等の知識が必要です。
今回の問題では、医療用医薬品添付文書の「警告」における重篤な皮膚障害および「併用注意」に関連した用法用量および代謝(グルクロン酸抱合)が論点でした。
問109-210は、ラモトリギンの主代謝物であるグルクロン酸抱合体を化学構造式から選択する問題でした。
グルクロン酸の6位の炭素にラモトリギンのトリアジン環の2位の窒素がN-C結合しています。結合位置の特徴を覚えていれば選択できます。
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グルクロン酸は、グルコースに対応するウロン酸です。 光学異性体のうち、天然にはD体のみが知られます。
一般的に、糖の末端のヒドロキシメチル基(-CH2OH)が、カルボキシ基(-COOH)にまで酸化された化合物群は、ウロン酸と総称されます。
グルクロン酸の化学構造式は覚えよう。
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Ref. https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Beta-D-Glucose.svg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Beta_D-Glucuronic_acid.svg
冒頭文で必要な情報は、
処方1と処方2(ラモトリギンとバルプロ酸の併用)
です。
時間にゆとりがない人は、論点およびポイントから読んでくださいね。
上記の太字を選択して Ctrl + F でジャンプできます。
🫛豆知識 医療用医薬品添付文書等
医療用医薬品添付文書等を一読しておくと応用力がつきます。
PMDA 医療用医薬品添付文書等 ラモトリギン
製造販売元/グラクソ・スミスクライン株式会社 ラミクタール錠小児用2mg/ラミクタール錠小児用5mg/ラミクタール錠25mg/ラミクタール錠100mg
インタビューフォーム F1_ラミクタール錠小児用2mg/ラミクタール錠小児用5mg/ラミクタール錠25mg/ラミクタール錠100mg
患者向医薬品ガイド ラミクタール錠小児用2mg/ラミクタール錠小児用5mg/ラミクタール錠25mg/ラミクタール錠100mg
以下、医療用医薬品添付文書から抜粋します。
薬効分類名
抗てんかん剤
抗てんかん剤、双極性障害治療薬
一般的名称
ラモトリギン
1. 警告
🫛ラモトリギン投与により中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、薬剤性過敏症症候群等の全身症状を伴う重篤な皮膚障害があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。
🫛ラモトリギン投与の際、バルプロ酸ナトリウム併用時の投与開始2週間までは隔日投与にすること(成人のみ)。
🫛発疹に加え以下に示す症状があらわれた場合には重篤な皮膚障害に至ることがあるので、直ちに本剤の投与を中止する。
発熱(38℃以上)、眼充血、口唇・口腔粘膜のびらん、咽頭痛、全身倦怠感、リンパ節腫脹 等
🫛重篤な皮膚障害の発現率は、小児において高いことが示されているので、特に注意する。
🫛患者又は家族に対して、発疹や発熱(38℃以上)、眼充血、口唇・口腔粘膜のびらん、咽頭痛、全身倦怠感、リンパ節腫脹等の症状があらわれた場合には直ちに受診するよう指導する。
本剤の投与により中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、薬剤性過敏症症候群等の全身症状を伴う重篤な皮膚障害があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されているので、以下の事項に注意すること。
1.1 用法及び用量を超えて本剤を投与した場合に皮膚障害の発現率が高いことから、本剤の6.用法及び用量を遵守すること。
1.1.1 投与開始時は定められた用法及び用量を超えないこと。バルプロ酸ナトリウム併用時の投与開始2週間までは隔日投与にすること(成人のみ)。[7.1 参照]
1.1.2 維持用量までの漸増時も定められた用法及び用量を超えないこと。また、増量時期を早めないこと。[7.1 参照]
1.2 発疹発現時には早期に皮膚科専門医に相談し、適切な処置を行うこと。また、発疹に加え以下に示す症状があらわれた場合には重篤な皮膚障害に至ることがあるので、直ちに本剤の投与を中止すること。[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
発熱(38℃以上)、眼充血、口唇・口腔粘膜のびらん、咽頭痛、全身倦怠感、リンパ節腫脹 等
1.3 重篤な皮膚障害の発現率は、小児において高いことが示されているので、特に注意すること。[8.1 参照],[9.7.1 参照],[17.3.3 参照]
1.4 患者又は家族に対して、発疹や上記の症状があらわれた場合には直ちに受診するよう指導すること。
4. 効能又は効果
てんかん患者の下記発作に対する単剤療法
部分発作(二次性全般化発作を含む)
強直間代発作
定型欠神発作
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の下記発作に対する抗てんかん薬との併用療法
部分発作(二次性全般化発作を含む)
強直間代発作
Lennox-Gastaut症候群における全般発作
双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制
5. 効能又は効果に関連する注意
〈定型欠神発作〉
5.1 15歳以上の患者における有効性及び安全性については確立していないため、15歳未満で本剤の治療を開始した患者において、15歳以降も継続して本剤を使用する場合には、患者の状態を十分観察し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〈双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制〉
5.2 双極性障害の気分エピソードの急性期治療に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
6. 用法及び用量
6.2 バルプロ酸ナトリウムを併用する場合
🫛バルプロ酸ナトリウムを併用する場合、ラモトリギンとして最初の2週間は1回25mgを隔日に経口投与し、次の2週間は1日25mgを1日1回経口投与する。
通常、ラモトリギンとして最初の2週間は1回25mgを隔日に経口投与し、次の2週間は1日25mgを1日1回経口投与する。その後は、1~2週間毎に1日量として25~50mgずつ漸増する。維持用量は1日100~200mgとし、1日2回に分割して経口投与する。
本剤は主としてグルクロン酸転移酵素で代謝される。
注1)本剤のグルクロン酸抱合に対する影響が明らかでない薬剤による併用療法では、バルプロ酸ナトリウムを併用する場合の用法及び用量に従うこと。
注2)本剤のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤:フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドン、リファンピシン、ロピナビル・リトナビル配合剤
[7.2 参照],[10.2 参照],[16.7.1 参照],[16.7.2 参照]
注3)本剤のグルクロン酸抱合に対し影響を及ぼさない薬剤:アリピプラゾール、オランザピン、ゾニサミド、ガバペンチン、シメチジン、トピラマート、プレガバリン、リチウム、レベチラセタム、ペランパネル、ラコサミド
[7.2 参照],[16.7.1 参照],[16.7.2 参照]
8. 重要な基本的注意
〈効能共通〉
8.1 本剤の投与による発疹は斑状・丘疹状にあらわれることが多く、重篤な皮膚障害の発現率は、本剤投与開始から8週間以内に高く、また、バルプロ酸ナトリウムと併用した場合、あるいは小児において高いことが示されているので、本剤の投与にあたっては十分に注意し、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。[1.3 参照],[7.1 参照],[9.7.1 参照],[11.1.1 参照],[17.3.1 参照],[17.3.2 参照],[17.3.3 参照]
8.2 双極性障害患者を含め、うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。また、新たな自傷、気分変動、アカシジア/精神運動不穏等の情動不安定の発現、もしくはこれらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[15.1.1 参照]
8.3 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[15.1.1 参照]
8.4 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.1 参照],[15.1.1 参照]
8.5 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
〈各種てんかんの治療〉
8.6 てんかん患者では、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん発作の増悪又はてんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、発疹の発現等安全性の観点から直ちに投与を中止しなければならない場合を除き、少なくとも2週間以上かけて徐々に減量するなど慎重に行うこと。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者
[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[15.1.1 参照]
9.1.2 脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者
精神症状を増悪させることがある。
9.1.3 他の抗てんかん薬に対しアレルギー歴又は発疹発現の既往歴がある患者
重篤ではない発疹の発現頻度が約3倍になる。
9.1.4 Brugada症候群の患者
Brugada症候群に特徴的な心電図変化(右脚ブロック及び右側胸部誘導(V1~V3)のcoved型ST上昇)が顕在化したとの報告がある。
** 9.1.5 心不全、基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)、刺激伝導障害のある患者
刺激伝導障害を起こす又は悪化させる可能性がある。In vitro試験においてヒト心筋型電位依存性Na+チャネル電流を抑制し、抗不整脈薬クラスIb群に属する薬剤と同様の特性を有することが示された。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎不全患者
腎クリアランスが低下しているために、主代謝物(グルクロン酸抱合体)の血漿中濃度が健康成人よりも高くなることがある。[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
減量を考慮すること。肝機能障害の程度に応じて本剤のクリアランスが低下し、消失半減期が延長することがある。[16.6.2 参照]
10. 相互作用
ラモトリギンは主としてグルクロン酸転移酵素(主にUGT1A4)で代謝される。[16.4 参照]
10.2 併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法機序・危険因子
バルプロ酸ナトリウム [7.2 参照],[7.3 参照],[16.7.1 参照],[16.7.2 参照]
本剤の消失半減期が約2倍延長するとの報告がある。
肝におけるグルクロン酸抱合が競合する。
本剤のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤
フェニトイン
カルバマゼピン
フェノバルビタール
プリミドン
リファンピシン
ロピナビル・リトナビル配合剤 [7.2 参照],[7.3 参照],[16.7.1 参照],[16.7.2 参照]
本剤の血中濃度が低下する。
肝における本剤のグルクロン酸抱合が促進される。
アタザナビル+リトナビル [16.7.2 参照]
アタザナビル及びリトナビル両剤と本剤を併用した場合に本剤の血中濃度が低下したとの報告がある。
本剤維持用量投与中にアタザナビルとリトナビルを投与開始又は投与中止する場合には、本剤の用量調節を考慮すること。
肝における本剤のグルクロン酸抱合が促進される。
カルバマゼピン [6. 参照]
本剤とカルバマゼピンの併用により、めまい、失調、複視、霧視、嘔気等が発現したという報告があり、通常、これらの症状はカルバマゼピンの減量により回復する。
機序不明
リスペリドン [16.7.2 参照]
本剤とリスペリドンの併用時には、それぞれの単独投与時に比較して、傾眠の報告が多いとの報告がある。
機序不明
経口避妊薬(卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤)
[16.7.2 参照]
本剤とエチニルエストラジオール・レボノルゲストレル配合剤との併用において、以下の報告がある。
1)本剤の血中濃度が減少したとの報告があるので、本剤維持用量投与中に経口避妊薬を投与開始又は投与中止する場合には、本剤の用量調節を考慮すること。
2)レボノルゲストレルの血中濃度が減少し、血中卵胞ホルモン(FSH)及び黄体形成ホルモン(LH)が上昇し、エストラジオールが僅かに上昇したとの報告がある。
1)肝における本剤のグルクロン酸抱合が促進される。
2) 機序不明
11. 副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1 重大な副作用
* 11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.5%)、多形紅斑(頻度不明)
発熱、眼充血、顔面の腫脹、口唇・口腔粘膜や陰部のびらん、皮膚や粘膜の水疱、紅斑、咽頭痛、そう痒、全身倦怠感等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[1.2 参照],[7.1 参照],[8.1 参照]
11.1.2 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
発疹、発熱等が初期にみられることがあり、更にリンパ節腫脹、顔面浮腫、血液障害(好酸球増多、白血球増加、異型リンパ球の出現)及び臓器障害(肝機能障害等)の種々の全身症状があらわれることがある。薬剤性過敏症症候群の徴候又は症状2)は遅発性に発現する。薬剤性過敏症症候群の徴候が認められた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
また、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがある。なお、過敏症の初期症状は、発疹を伴わないこともあるので、発疹以外の症状(発熱又はリンパ節腫脹等)の発現にも注意が必要である。[1.2 参照]
** 13. 過量投与
13.1 症状
QRS延長の発現が報告されている。用量上限の10~20倍量により眼振、失調、意識障害、大発作痙攣、昏睡等の症状の発現が報告されている。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照]
16. 薬物動態
16.4 代謝
ラモトリギンは主としてグルクロン酸転移酵素(主にUGT1A4)で代謝される。ヒト肝細胞にアミトリプチリン、クロナゼパム、ハロペリドール、もしくはロラゼパム(臨床血漿中濃度)存在下で14C-ラモトリギンを添加した時、ラモトリギン-N2-グルクロン酸抱合体の生成が17~29%低下した10),11)。[10. 参照]
16.5 排泄
健康成人6例に14C-ラモトリギン240mg(15μCi)を単回経口投与した時、投与後168時間までに糞中に約2%、尿中に約94%が排泄された。尿中へは主にラモトリギン-N2-グルクロン酸抱合体(約71%)として排泄され、以下未変化体(10%)、ラモトリギン-N5-グルクロン酸抱合体(5~10%)及びラモトリギン-N2-メチル体(0.14%)の順であった(外国人データ)。
16.7.2 他剤との併用試験
(1) バルプロ酸ナトリウム
健康成人男性にバルプロ酸ナトリウム500mg(1日2回)と本剤50mg、100mg及び150mg(1日1回)を反復併用した時のラモトリギンの薬物動態を以下に示した。健康成人に本剤のみを反復経口投与した時の成績と比べ、バルプロ酸ナトリウム併用時のラモトリギンのt1/2は2倍以上であり、CLt/Fは1/2以下であった。また、血漿中バルプロ酸濃度に変動はみられたものの一定の傾向はみられず、その有効濃度域を維持していた(外国人データ)。[7.2 参照],[7.3 参照],[10.2 参照]
以下、インタビューフォームから抜粋します。
1.開発の経緯
ラモトリギンは、英国Wellcome Foundation社(現GlaxoSmithKline社)が開発したトリアジン骨格を有する 新規抗てんかん薬である。 1950~60 年代に抗てんかん薬治療を受けている患者で葉酸欠乏がみられたことなどから、1970 年代に入っ てWellcome Foundation 社は抗葉酸作用を持つ化合物が抗てんかん薬と成り得るとの仮説を基に、新規抗てん かん薬を探索し、ラモトリギンを見出した。 本剤は1990 年にアイルランドで成人部分てんかん患者に対する併用療法(add-on 療法)薬として承認を取 得して以来、世界100ヵ国以上で承認を取得している。特に、小児領域においては難治てんかんとして知ら れているLennox-Gastaut 症候群のてんかん発作に対する治療薬としても 50 ヵ国以上で承認されており、ま た小児の定型欠神発作に対する単剤療法として欧州では 2005 年にチェコ、ルーマニア、スロバキアで承認 されている。
双極性障害に対しては、本剤の抗てんかん薬としての臨床開発の過程において、一部の被験者にて気分障害 を改善することが認められたことから、本剤の双極性障害に対する臨床試験及び薬理試験が実施され、2002 年11月以降80ヵ国以上で承認されている。 本邦では2008年10月に、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない「てんかん患者の部分発作(二次 性全般化発作を含む)、強直間代発作及び Lennox-Gastaut 症候群における全般発作」に対する抗てんかん薬 との併用療法の承認を取得した。
さらに、2011年7月に「双極性障害における気分エピソードの再発・再燃 抑制」の承認を取得した。
てんかんの薬物治療は長期にわたるため、安全性や適正使用、服薬継続の観点からも、可能な限り、抗てん かん薬の「単剤療法」が望まれる。世界各国のてんかん治療ガイドラインでは、ラモトリギンの単剤療法が 評価されているが、本邦では「併用療法」のみの使用に限定されていた。
そうした背景を受け、日本てんか ん学会・日本脳神経外科学会・日本小児神経学会は、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応 外薬検討会議」に、ラモトリギン単剤療法の適応取得を目的とした開発要望書を提出した。当会議での検討 の結果、「医療上の必要性が高い」という評価が得られたことから、2010年12月に厚生労働省から開発要請 を受け、2011 年 6月より臨床試験を開始し、2014年8月に「成人てんかん患者の部分発作(二次性全般化 発作を含む)及び強直間代発作」、2015年9月に「小児てんかん患者の定型欠神発作」に対する単剤療法の 承認を取得した。
2.一般名
(1)和名(命名法) ラモトリギン(JAN)
(2)洋名(命名法) Lamotrigine(JAN) lamotrigine(INN)
(3)ステム sodium channel blockers, signal transduction modulators(Na+チャネル阻害剤、シグナル伝達調節剤):- trigine
5.代謝
(1)代謝部位及び代謝経路
🫛ラモトリギンは経口吸収された後に主にグルクロン酸転移酵素で代謝され、そのほとんどが β-グルクロニ ダーゼ加水分解性のN2-グルクロン酸抱合体として尿中に排泄される。
ラモトリギンは経口吸収された後に主にグルクロン酸転移酵素で代謝され、そのほとんどが β-グルクロニ ダーゼ加水分解性のN2-グルクロン酸抱合体(M1)として尿中に排泄される。
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製造販売元/グラクソ・スミスクライン株式会社
インタビューフォーム F1_ラミクタール錠小児用2mg/ラミクタール錠小児用5mg/ラミクタール錠25mg/ラミクタール錠100mg患者向医薬品ガイド ラミクタール錠小児用2mg/ラミクタール錠小児用5mg/ラミクタール錠25mg/ラミクタール錠100mg
まず基本的な知識について復習しておきましょう。
■■GPT4o
患者の所見、処方および検査値の整理と考察
1. 患者の基本情報
年齢:43歳男性
身長:170 cm
体重:75 kg
疾患:双極性障害
現在の症状:抑うつ症状の再燃
2. 処方内容
(1) 既存の処方(処方1)
バルプロ酸Na徐放錠 200mg:1回2錠(1日4錠) → 1日投与量 800mg
作用:抗てんかん薬・気分安定薬(グルタミン酸抑制、GABA活性化)
目的:双極性障害の気分安定作用
炭酸リチウム錠 200mg:1回2錠(1日4錠) → 1日投与量 800mg
作用:気分安定薬(セロトニン・ドーパミン調節)
目的:躁状態および抑うつ症状の再燃予防
(2) 追加処方(処方2)
ラモトリギン錠 25mg:1日1錠(1日1回 朝食後)
作用:Naチャネル遮断、グルタミン酸抑制(気分安定)
目的:抑うつ症状の改善
考察:
ラモトリギンが追加された理由は、抑うつ症状の再燃に対応するためと考えられる。
バルプロ酸とラモトリギンの相互作用により、ラモトリギンの代謝が阻害されるため、慎重な投与が必要。⇒
医療用医薬品添付文書の警告:
1.1.1 投与開始時は定められた用法及び用量を超えないこと。バルプロ酸ナトリウム併用時の投与開始2週間までは隔日投与にすること(成人のみ)。[7.1 参照]
3. 検査値の評価
検査項目|患者の値|正常範囲|考察|
血清クレアチニン|1.0 mg/dL|0.6~1.2 mg/dL|正常範囲、腎機能問題なし
AST(GOT)|28 IU/L|10~40 IU/L|正常範囲、肝機能異常なし
ALT(GPT)|22 IU/L|5~45 IU/L|正常範囲、肝機能異常なし
血清リチウム濃度|1.2 mEq/L|0.6~1.2 mEq/L|上限、慎重なモニタリング
血清バルプロ酸濃度|100 μg/mL|50~125 μg/mL|治療域内で安定
考察:
腎・肝機能:
血清クレアチニン、AST、ALTは正常範囲内 → 腎・肝機能に明らかな異常なし。
リチウムは腎排泄型の薬剤のため、腎機能が維持されていることは重要。
血清リチウム濃度:
1.2 mEq/Lは正常範囲の上限値付近。
脱水や腎機能低下が起こると中毒リスクがあるため、継続的なモニタリングが必要。
血清バルプロ酸濃度:
100 μg/mLで治療域内(50~125 μg/mL)。
ラモトリギンの代謝阻害が起こるため、今後の血中濃度モニタリングが重要。
4. まとめ
抑うつ症状の再燃に対してラモトリギンが追加されたが、バルプロ酸との相互作用に注意が必要。
リチウム血中濃度が上限値付近のため、腎機能を含めたモニタリングが必要。
腎・肝機能は正常範囲内であるが、今後のラモトリギン投与量調整に影響する可能性がある。
参考文献
日本うつ病学会治療ガイドライン(2023年版)
日本神経精神薬理学会「双極性障害の薬物療法ガイドライン」
Goodman & Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 13th Edition
ヒトにおけるグルクロン酸抱合
UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)の分子種別の代謝医薬品
グルクロン酸抱合は、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)によって触媒され、親水性の高いグルクロン酸抱合体を形成することで、薬物の排泄を促進する主要な代謝経路の一つです。ヒトの UGT は大きくUGT1A サブファミリーとUGT2B サブファミリーに分類され、それぞれ異なる基質特異性を持ちます。以下に、主な UGT 分子種とそれらが代謝する医薬品をまとめます。
1. UGT1A サブファミリー
(1) UGT1A1
主な基質:
ビリルビン(内因性基質):主な代謝酵素であり、遺伝的欠損により黄疸(Gilbert 症候群など)が発生
イリノテカン(抗がん剤):SN-38(活性代謝物)を不活性化する
エゼチミブ(高脂血症治療薬):小腸で UGT1A1 により代謝され、循環する
エトニルエストラジオール(経口避妊薬):主に UGT1A1 により抱合
(2) UGT1A3
主な基質:
エゼチミブ(高脂血症治療薬):UGT1A1 と共に代謝に関与
フロバスタチン、アトルバスタチン(スタチン系薬):グルクロン酸抱合により代謝
ケトプロフェン(NSAIDs):UGT1A3 により代謝される
(3) UGT1A4
主な基質:
ラモトリギン(抗てんかん薬):主に UGT1A4 による代謝
トリミプラミン、アミトリプチリン(三環系抗うつ薬):UGT1A4 により抱合
クロザピン(抗精神病薬):代謝に関与
(4) UGT1A6
主な基質:
アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬):UGT1A6 によりグルクロン酸抱合される
アスピリン(サリチル酸)(NSAIDs):UGT1A6 により代謝
セロトニン(内因性基質):神経伝達物質としての役割後に代謝
(5) UGT1A9
主な基質:
ミコフェノール酸(免疫抑制剤):主に UGT1A9 により代謝
プロポフォール(静脈麻酔薬):肝臓で UGT1A9 により代謝
エゼチミブ(高脂血症治療薬):UGT1A1、UGT1A3、UGT1A9 が関与
(6) UGT1A10
主な基質:
イリノテカン(SN-38)(抗がん剤):UGT1A10 も代謝に関与
アントラサイクリン系抗がん剤(ドキソルビシンなど):代謝に関与
2. UGT2B サブファミリー
(1) UGT2B4
主な基質:
モルヒネ(鎮痛薬):UGT2B4 によりグルクロン酸抱合
ケトプロフェン(NSAIDs):UGT1A3 だけでなく UGT2B4 も関与
ステロイド類(胆汁酸など):代謝に関与
(2) UGT2B7
主な基質:
モルヒネ(鎮痛薬):モルヒネ-6-グルクロニド(活性型)およびモルヒネ-3-グルクロニド(非活性型)を生成
ジクロフェナク(NSAIDs):UGT2B7 による代謝
バルプロ酸(抗てんかん薬):UGT2B7 により代謝
ゾピクロン(睡眠薬):代謝に関与
(3) UGT2B10
主な基質:
ニコチン(禁煙補助薬):UGT2B10 により代謝
アミトリプチリン(抗うつ薬):代謝に関与
(4) UGT2B15
主な基質:
オキサゼパム(ベンゾジアゼピン系):主に UGT2B15 により代謝
ロルメタゼパム(ベンゾジアゼピン系):UGT2B15 による抱合
ステロイド類(テストステロンなど):代謝に関与
(5) UGT2B17
主な基質:
テストステロン(内因性ホルモン):代謝に関与
ジアゼパム(ベンゾジアゼピン系):代謝に関与
エゼチミブ(高脂血症治療薬):一部 UGT2B17 により代謝
まとめ
ヒトの UGT は多くの分子種を持ち、それぞれが特定の薬物や内因性物質の代謝を担っています。UGT1A サブファミリーは主に肝臓や腸管で働き、UGT2B サブファミリーは肝臓、腎臓、副腎、前立腺などで機能します。これらの代謝経路の違いは、薬物相互作用、遺伝的多型、代謝速度の個人差に影響を与えるため、臨床薬理学の観点から重要です。
参考文献
Tukey, R. H., & Strassburg, C. P. (2000). "Human UDP-glucuronosyltransferases: metabolism, expression, and disease." Annual Review of Pharmacology and Toxicology, 40, 581–616.
Guillemette, C. (2003). "Pharmacogenomics of human UDP-glucuronosyltransferase enzymes." Pharmacogenomics Journal, 3(3), 136–158.
Miners, J. O., & Mackenzie, P. I. (1991). "Drug glucuronidation in humans." Pharmacology & Therapeutics, 51(3), 347–369.
Court, M. H. (2010). "Interindividual variability in UDP-glucuronosyltransferase function and drug response." Drug Metabolism Reviews, 42(1), 202–217.
Ritter, J. K. (2000). "Roles of glucuronidation and UDP-glucuronosyltransferases in xenobiotic metabolism and detoxification." Chemical & Biological Interactions, 129(1-2), 171–193.
薬物動態学における抱合反応(Phase II 代謝)
薬物動態学における抱合反応(Phase II 代謝)は、親水性の基を薬物に結合させ、水溶性を向上させることで体外排泄を促進する代謝経路です。
主な抱合反応と、それぞれの代表的な医薬品について概説します。
1. グルクロン酸抱合(Glucuronidation)
酵素:UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)
特徴:最も一般的な抱合反応であり、多くの薬物がこの経路で代謝される。
代表的な医薬品:
モルヒネ(鎮痛薬):モルヒネ-6-グルクロニドは活性代謝物として作用
アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬):主経路としてグルクロン酸抱合される
イブプロフェン(NSAIDs):代謝による排泄を促進
ジアゼパム(ベンゾジアゼピン系):長時間作用型の代謝経路の一つ
2. 硫酸抱合(Sulfation)
酵素:スルホトランスフェラーゼ(SULT)
特徴:グルクロン酸抱合と競合することが多く、低濃度では硫酸抱合が優勢になることがある。
代表的な医薬品:
アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬):硫酸抱合とグルクロン酸抱合の両方で代謝
エチニルエストラジオール(経口避妊薬):硫酸抱合により代謝される
メチルドーパ(降圧薬):硫酸抱合により不活性化
3. グリシン抱合(Glycine Conjugation)
酵素:N-アシル転移酵素
特徴:カルボン酸基をもつ薬物の代謝に関与
代表的な医薬品:
アスピリン(サリチル酸)(NSAIDs):グリシン抱合により排泄
安息香酸(保存料):グリシン抱合により馬尿酸として排泄
4. グルタチオン抱合(Glutathione Conjugation)
酵素:グルタチオン-S-転移酵素(GST)
特徴:活性酸素種や毒性物質の解毒に重要
代表的な医薬品:
アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬):高用量ではN-アセチル-p-ベンゾキノンイミン(NAPQI)が生成され、グルタチオン抱合が重要
ブスルファン(抗がん剤):グルタチオン抱合により解毒
ハロタン(吸入麻酔薬):代謝により肝毒性を引き起こす可能性があるが、グルタチオン抱合で解毒
5. アセチル化(Acetylation)
酵素:N-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)
特徴:遺伝的多型があり、アセチル化の速さに個人差がある(遅いアセチレーターと速いアセチレーター)
代表的な医薬品:
イソニアジド(抗結核薬):アセチル化による代謝が遅いと副作用(末梢神経炎)が起こりやすい
プロカインアミド(抗不整脈薬):アセチル化により代謝されるが、遺伝的多型の影響を受ける
スルファメトキサゾール(抗菌薬):アセチル化により代謝
6. メチル化(Methylation)
酵素:メチルトランスフェラーゼ(例:カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT))
特徴:主にカテコール類やアミン類の代謝に関与
代表的な医薬品:
エピネフリン(アドレナリン)(昇圧薬):COMT によりメチル化され代謝
ヒスタミン(アレルギー関連物質):ヒスタミン-N-メチルトランスフェラーゼ(HNMT)によりメチル化
6-メルカプトプリン(抗がん剤):メチル化により代謝される
まとめ
各抱合反応には特定の酵素が関与し、薬物の種類や代謝速度に個人差がある場合もあります。特にアセチル化は遺伝的多型の影響を受けやすく、副作用や効果に違いが出ることが知られています。これらの代謝経路を理解することで、薬物の適切な投与や副作用の管理が可能となります。
参考文献
Brunton, L. L., Hilal-Dandan, R., & Knollmann, B. C. (2017). Goodman & Gilman’s: The Pharmacological Basis of Therapeutics (13th ed.). McGraw-Hill Education.
Rang, H. P., Dale, M. M., Ritter, J. M., & Flower, R. J. (2016). Rang & Dale's Pharmacology (8th ed.). Elsevier.
Katzung, B. G., Vanderah, T. W., & Trevor, A. J. (2021). Basic & Clinical Pharmacology (15th ed.). McGraw-Hill Education.
Pacifici, G. M. (2004). "Drug conjugation and transport." Clinical Pharmacokinetics, 43(10), 693–706.
Liston, H. L., Markowitz, J. S., & DeVane, C. L. (2001). "Drug glucuronidation in clinical psychopharmacology." Journal of Clinical Psychopharmacology, 21(5), 500–515.
Miners, J. O., & Mackenzie, P. I. (1991). "Drug glucuronidation in humans." Pharmacology & Therapeutics, 51(3), 347–369.
Weinshilboum, R. M. (2003). "Inheritance and drug response." New England Journal of Medicine, 348(6), 529–537.
これらの文献は、抱合反応のメカニズムや薬物代謝の詳細に関する情報を提供しています。さらに詳しい情報が必要であれば、個別の文献を調査することをお勧めします。
論点およびポイント
■■GPT4o
問 109-210|化学
論点| ラモトリギン / グルクロン酸抱合 / UGT1A4 / N-グルクロン酸抱合体
ポイント|
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ラモトリギンは主に UGT1A4(UDP-グルクロン酸転移酵素) により代謝される。
主代謝物は N2-グルクロン酸抱合体(M1) であり、トリアジン環の 2位の窒素(N2) にグルクロン酸がN-C結合する。
N2にグルクロン酸が付加されることで N+(四級アンモニウム様) となり、β-グルクロニダーゼ加水分解性を示す。
選択肢2の構造が、N2-グルクロン酸抱合体(M1)の正しい構造と一致する。
選択肢1ではグルクロン酸が N-(C=O)-C の形式で結合しており、通常の代謝経路とは異なる。
その他の選択肢は、ラモトリギンの構造にグルクロン酸が適切に付加されていないため誤り。
問 109-211|実務
論点| ラモトリギン / バルプロ酸 / 併用注意
ポイント|
バルプロ酸は UGT1A4阻害作用 を持ち、ラモトリギンの グルクロン酸抱合を阻害 し、クリアランスを低下させる。
その結果、ラモトリギンの血中濃度が上昇し 皮膚障害(Stevens-Johnson症候群) のリスクが増加する。
併用時の ラモトリギンの推奨開始用量は25mg隔日投与とされている(通常の半分以下)。
処方では ラモトリギン25mgを1日1回投与 しており、適正用量を超えているため疑義照会が必要。
隔日投与 は、バルプロ酸との相互作用を考慮した適正な開始投与法に該当する。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
論点を整理します。
■■GPT4o
総合的な論点
1. 本問題の概要
本問題は、双極性障害の治療における薬物相互作用と代謝に関する知識を問うものである。
具体的には、
バルプロ酸ナトリウム(VPA)とラモトリギン(LTG)の代謝と相互作用
の理解(問109-210 化学)バルプロ酸とラモトリギンの併用時の適切な投与調整(問109-211 実務)
これらを適切に理解し、薬剤師が安全かつ有効な薬物療法を提供するための知識を求める問題である。
2. 代謝と薬物相互作用に関する論点(問109-210)
バルプロ酸(VPA)とラモトリギン(LTG)は、どちらもグルクロン酸転移酵素(UGT)によって代謝される。
ラモトリギンの主な代謝物はN2-グルクロン酸抱合体(M1)であり、β-グルクロニダーゼ加水分解性を有する。
VPAはUGTの競合阻害を起こすため、LTGの代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
3. 投与調整の必要性(問109-211)
バルプロ酸とラモトリギンの併用により、ラモトリギンのクリアランスが低下し、血中濃度が上昇する。
ラモトリギンの開始用量を低く設定し、漸増する必要がある。
ラモトリギンの過剰な血中濃度上昇は重篤な皮膚障害(スティーブンス・ジョンソン症候群)のリスクを高めるため、隔日投与の導入が推奨される。
問109-210では適切な代謝産物の選択(選択肢2)、問109-211ではラモトリギンの用法変更(選択肢5)が論点である。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
問109-210(化学)
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選択肢1
論点
グルクロン酸抱合の結合様式が誤っている。
グルクロン酸の2位のカルボキシル基がラモトリギンのトリアジン環の2位の窒素にN-(C=O)-Cの形式で結合している。
アプローチ方法
正しい代謝物はN2-グルクロン酸抱合体(M1)であり、グルクロン酸の6位炭素とトリアジン環の2位窒素が直接N-C結合している。
よって、選択肢1は誤り。
選択肢2
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論点
ラモトリギンの主要な代謝経路はN2-グルクロン酸抱合であり、β-グルクロニダーゼ加水分解性を持つ。
アプローチ方法
実際の代謝産物と選択肢の構造を比較し、グルクロン酸の6位炭素がトリアジン環の2位窒素と結合していることを確認する。
この構造は文献報告と一致しており、選択肢2が正しい。
選択肢3, 4, 5
論点
いずれの選択肢もグルクロン酸がラモトリギンに結合していない。
アプローチ方法
グルクロン酸抱合がないため、これらはラモトリギンの代謝物とは考えにくい。
よって、選択肢3, 4, 5は誤り。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
問109-211(実務)
選択肢1. バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日200mgに減量する。
論点
バルプロ酸の投与量を1日200mgに減量すると、気分安定化作用が不十分となる可能性がある。
アプローチ方法
血清バルプロ酸濃度100μg/mLは治療域(50-125μg/mL)内であり、減量の必要はない。
ラモトリギンの代謝抑制を考慮する場合でも、バルプロ酸の減量よりラモトリギンの用法調整が優先される。
選択肢2. バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日1200mgに増量する。
論点
バルプロ酸を1日1200mgに増量すると、過量投与となるリスクがある。
アプローチ方法
すでに血中濃度が100μg/mLに達しており、さらなる増量は不要。
代謝相互作用を考慮するならば、バルプロ酸の増量ではなくラモトリギンの用量調整を行うべきである。
選択肢3. ラモトリギン錠の投与量を、1日50mgに増量する。
論点
ラモトリギンを1日50mgに増量すると、血中濃度が急激に上昇し、皮膚障害リスクが増大する。
アプローチ方法
バルプロ酸はラモトリギンの代謝を抑制するため、ラモトリギンの初回投与量は25mg/隔日投与が推奨される。
いきなり50mgに増量すると、有害事象のリスクが高まるため、誤り。
選択肢4. ラモトリギン錠の用法を、朝食後2時間以降投与に変更する。
論点
ラモトリギンの用法を「朝食後2時間以降投与」に変更することに、相互作用回避の根拠はない。
アプローチ方法
ラモトリギンの代謝抑制はバルプロ酸による酵素阻害が原因であり、投与タイミングをずらしても回避できない。
したがって、選択肢4は誤り。
選択肢5. ラモトリギン錠の用法を、隔日投与にする。
論点
バルプロ酸と併用する際のラモトリギンの推奨開始用量は25mg隔日投与であり、用法を調整する必要がある。
アプローチ方法
バルプロ酸がUGTを阻害するため、ラモトリギンのクリアランスが低下し、血中濃度が通常より高くなる。
これにより皮膚障害のリスクが高まるため、投与開始時は隔日投与とする。
選択肢5が正しい。
引用文献
Smyth, B. et al. "Valproate Effects on Lamotrigine Pharmacokinetics and the Risk of Stevens-Johnson Syndrome." Clinical Pharmacokinetics, 2012; 51(3): 189-200.
バルプロ酸によるラモトリギンの代謝抑制と皮膚障害リスクについて記述。
Spina, E. et al. "Clinically Relevant Pharmacokinetic Drug Interactions with Valproic Acid." CNS Drugs, 2016; 30(10): 817-837.
バルプロ酸がUGTを阻害し、ラモトリギンのクリアランスを低下させることを報告。
Lennon, M. et al. "Metabolism of Lamotrigine and Identification of the Major Glucuronide Conjugates." Drug Metabolism and Disposition, 1997; 25(2): 123-128.
ラモトリギンの主要代謝産物(N2-グルクロン酸抱合体)について詳細な記述。
Patsalos, P. et al. "Clinically Important Drug Interactions in Epilepsy: General Features and Interactions Between Antiepileptic Drugs." The Lancet Neurology, 2016; 15(3): 347-356.
抗てんかん薬間の相互作用に関する総説で、バルプロ酸とラモトリギンの相互作用を詳述。
日本神経学会ガイドライン, "抗てんかん薬の適正使用ガイドライン 2020年版".
バルプロ酸とラモトリギンの併用時の適正投与量についての推奨を掲載。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
大丈夫です。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】からラモトリギン / グルクロン酸抱合 / UGT1A4 / N-グルクロン酸抱合体 / バルプロ酸 / 併用注意を論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
Here we go.
第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問210-211
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 109-210-211
Q. 43歳男性。身長170cm、体重75kg。双極性障害で処方1の薬剤を服用していた。抑うつ症状が再燃してきたため、今回、処方2が追加された処方箋と以下の検査値が記載された情報用紙を持って患者が来局した。
(処方1)
バルプロ酸Na徐放錠200mg|1回2錠(1日4錠)|
炭酸リチウム錠200mg|1回2錠(1日4錠)|
1日2回|朝夕食後|14日分|
(処方2)
ラモトリギン錠25mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回|朝食後|14日分|
(検査値)
血清クレアチニン1.0mg/dL、AST28IU/L、ALT22IU/L、血清中リチウム濃度1.2mEq/L、血清中バルプロ酸濃度100μg/mL
物理・化学・生物
問 109-210|化学
Q. バルプロ酸やラモトリギンは、どちらもグルクロン酸転移酵素で代謝される。ラモトリギンのグルクロン酸抱合体の構造として正しいのはどれか。1つ選べ。
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■選択肢
1. 1
2. 2
3. 3
4. 4
5. 5
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-210-211【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ラモトリギン / グルクロン酸抱合 / UGT1A4 / N-グルクロン酸抱合体 / バルプロ酸|matsunoya
実務
問 109-211|実務
Q. この処方に関し、医師へ疑義照会する内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日200mgに減量する。
2. バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日1200mgに増量する。
3. ラモトリギン錠の投与量を、1日50mgに増量する。
4. ラモトリギン錠の用法を、朝食後2時間以降投与に変更する。
5. ラモトリギン錠の用法を、隔日投与にする。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-210-211【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ラモトリギン / グルクロン酸抱合 / UGT1A4 / N-グルクロン酸抱合体 / バルプロ酸|matsunoya
■■GPT4o
■問 109-210|化学
■論点|
この問題の論点は、ラモトリギンのグルクロン酸抱合体の構造を特定すること です。
■解説1|
選択肢2:N2-グルクロン酸抱合体(M1) [正しい]
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ラモトリギンの主代謝経路 は、グルクロン酸転移酵素(UGT1A4) による N2-グルクロン酸抱合 である。
ラモトリギンの トリアジン環の2位の窒素(N2) にグルクロン酸が付加され、N-C結合(N2-グルクロン酸抱合体) を形成する。
β-グルクロニダーゼ加水分解性 を持ち、加水分解されるとラモトリギンが遊離する。
選択肢2の構造が、N2-グルクロン酸抱合体(M1)と一致する。
■解説2|
UGT1A4はN-グルクロン酸抱合を触媒する主要酵素 であり、ラモトリギンはこの酵素により主にN2位で代謝される。
他のグルクロン酸転移酵素(UGT1A1、UGT2B7 など)は主に O-グルクロン酸抱合 を担うため、ラモトリギンの主要な代謝には関与しない。
N2-グルクロン酸抱合体(M1) は、水溶性が高く、腎排泄によって速やかに体外に排出される。
■結論|
ラモトリギンの主要な代謝物は N2-グルクロン酸抱合体(M1) であり、選択肢2の構造がこれに該当する。よって、正解は 選択肢2 である。
■補足|
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選択肢1 [誤り]
グルクロン酸の2位のカルボキシル基がトリアジン環の2位の窒素にN-(C=O)-Cの形式 で結合しており、通常のN2-グルクロン酸抱合とは異なる構造をとっている。
選択肢3・4・5 [誤り]
グルクロン酸が結合していない か、誤った部位に修飾が施されている。
ラモトリギンのN2位以外へのグルクロン酸抱合は、通常の代謝経路では生じにくい。
■問 109-211|実務
■論点|
この問題の論点は、バルプロ酸との相互作用を考慮したラモトリギンの投与設計 です。
■解説1|
選択肢5:ラモトリギン錠の用法を、隔日投与にする [正しい]
バルプロ酸は グルクロン酸転移酵素(UGT1A4)を阻害 し、ラモトリギンの代謝を抑制するため、ラモトリギンの血中濃度が上昇する。
そのため、ラモトリギンの初期投与量は 通常の半分以下(25mg隔日投与) から開始し、慎重に増量する必要がある。
ラモトリギンの急激な血中濃度上昇は重篤な皮膚障害(スティーブンス・ジョンソン症候群:SJS)を引き起こすリスクがあるため、慎重な投与設計が必須。
バルプロ酸併用時のラモトリギンの開始用量は 25mgを隔日投与(2週間) し、その後 25mgを1日1回(2週間) へと段階的に増量するのが推奨されている。
■解説2|
ラモトリギンの代謝は主にグルクロン酸抱合 によって行われるが、バルプロ酸はこの代謝経路を競合的に阻害するため、ラモトリギンのクリアランスが低下する。
ラモトリギンの血中濃度が上昇すると 中枢神経系の副作用(めまい、眠気、協調運動障害) のリスクも増加する。
そのため、バルプロ酸を併用する場合、ラモトリギンの投与量を慎重に調整し、最小用量から開始する必要がある。
■結論|
バルプロ酸はラモトリギンの代謝を阻害し、血中濃度を上昇させるため、ラモトリギンの投与量を通常の半分以下にする必要がある。
推奨される開始用量は 25mg隔日投与 であるため、選択肢5が適切な疑義照会の内容となる。
■補足|
選択肢1:バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日200mgに減量する [誤り]
バルプロ酸の血中濃度(100μg/mL)は 治療域内(50~125μg/mL) にあるため、減量の必要はない。
選択肢2:バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日1200mgに増量する [誤り]
バルプロ酸の血中濃度は 適正範囲内 にあるため、増量の必要はない。
バルプロ酸を増量すると、ラモトリギンの代謝抑制がさらに強まり、血中濃度が過度に上昇するリスクがある。
選択肢3:ラモトリギン錠の投与量を、1日50mgに増量する [誤り]
バルプロ酸併用時、ラモトリギンの開始用量は 25mg隔日投与 が推奨される。
1日50mgの投与は過剰であり、SJSなどの重篤な副作用のリスクを高める。
選択肢4:ラモトリギン錠の用法を、朝食後2時間以降投与に変更する [誤り]
ラモトリギンの吸収は食事の影響を受けにくく、食後2時間以降に投与する必要はない。
重要なのは 投与間隔や用量調整 であり、服用タイミングの変更は相互作用対策として適切ではない。
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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問210-211
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 109-210-211
Q. 43歳男性。身長170cm、体重75kg。双極性障害で処方1の薬剤を服用していた。抑うつ症状が再燃してきたため、今回、処方2が追加された処方箋と以下の検査値が記載された情報用紙を持って患者が来局した。
(処方1)
バルプロ酸Na徐放錠200mg|1回2錠(1日4錠)|
炭酸リチウム錠200mg|1回2錠(1日4錠)|
1日2回|朝夕食後|14日分|
(処方2)
ラモトリギン錠25mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回|朝食後|14日分|
(検査値)
血清クレアチニン1.0mg/dL、AST28IU/L、ALT22IU/L、血清中リチウム濃度1.2mEq/L、血清中バルプロ酸濃度100μg/mL
物理・化学・生物
問 109-210|化学
Q. バルプロ酸やラモトリギンは、どちらもグルクロン酸転移酵素で代謝される。ラモトリギンのグルクロン酸抱合体の構造として正しいのはどれか。1つ選べ。
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■選択肢
1. 1
2. 2
3. 3
4. 4
5. 5
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-210-211【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:ラモトリギン / グルクロン酸抱合 / UGT1A4 / N-グルクロン酸抱合体 / バルプロ酸|matsunoya
実務
問 109-211|実務
Q. この処方に関し、医師へ疑義照会する内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日200mgに減量する。
2. バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日1200mgに増量する。
3. ラモトリギン錠の投与量を、1日50mgに増量する。
4. ラモトリギン錠の用法を、朝食後2時間以降投与に変更する。
5. ラモトリギン錠の用法を、隔日投与にする。
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