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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-154-155【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:中枢神経系作用薬 / ドパミンD2受容体 / AMPA受容体 / ドパ脱炭酸酵素阻害 / アセチルコリンエステラーゼ / GABAA受容体
第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問154-155
一般問題(薬学理論問題)
【薬理/病態・薬物治療】
■複合問題|問 109-154-155
Q. 78歳女性。夫と2人暮らしであるが、半年前から物の置き忘れやしまい忘れをするようになった。3ケ月前から誰もいない庭を指さして「子供たちが遊んでいる。」などと言うようになった。睡眠中に大声を出して、手足をばたつかせることがあるが、本人に自覚はない。心配した夫に連れられ病院を受診した。診察時、受け答えは良好であったが、歩行は小刻み様であった。日付や場所の見当識が一部曖昧であり、ミニメンタルステート検査は30点満点中23点であった。また、脳血流SPECTにより後頭葉の血流低下が認められた。
病態|問 109-154
Q. (病態・薬物治療)
この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
前頭葉に著明な萎縮が生じている。
パーキンソン症状が認められる。
脳梗塞によって二次的に発症した可能性が高い。
幻視やREM睡眠行動異常が認められる。
症状は階段状に悪化する。
解説はこちらからどうぞ。
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-154-155【薬理/病態・薬物治療】(1/2) 論点:レビー小体型認知症 / 幻視 / REM睡眠行動異常 / パーキンソン症状 / 認知機能低下|matsunoya
薬理|問 109-155
Q. (薬理)
この患者の症状改善を目的として使用される可能性のある薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
ブロモクリプチンは、線条体においてドパミンD2受容体を刺激することで、間接路のGABA作動性神経を抑制する。
ゾニサミドは、グルタミン酸AMPA受容体を刺激することで、ドパミン作動性神経を亢進させる。
カルビドパは、ドパミンβ-ヒドロキシラーゼを阻害することで、レボドパの脳内移行を高める。
ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、アミロイドβタンパク質の分解を促進する。
クロナゼパムは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することで、GABAによるCl-チャネルの開口を促進する。
解説はこちらからどうぞ。
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-154-155【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:中枢神経系作用薬 / ドパミンD2受容体 / AMPA受容体 / ドパ脱炭酸酵素阻害 / ア|matsunoya
こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【薬理/病態・薬物治療】の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問154-155【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 、論点:中枢神経系作用薬 / ドパミンD2受容体 / AMPA受容体 / ドパ脱炭酸酵素阻害 / アセチルコリンエステラーゼ / GABAA受容体を徹底解説します。
薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-154-155【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:中枢神経系作用薬 / ドパミンD2受容体 / AMPA受容体 / ドパ脱炭酸酵素阻害 / アセチルコリンエステラーゼ / GABAA受容体
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このコンテンツの制作者|
滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
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設問へのアプローチ|
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第109回薬剤師国家試験の問154-155【薬理/病態・薬物治療】(問109-154-155)では、認知症に関する知識を薬理および病態・薬物治療のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。
複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。
今回は、2回に分けて、それぞれの問題の論点を解説します。
第2回は、問109-155です。
まず基本的な知識について復習しておきましょう。
選択肢の中枢神経系に作用する薬物について、薬理分類ごとに分けて、それぞれの作用機序を解説します。
1. ドパミン受容体作動薬
ブロモクリプチン
分類: ドパミンD2受容体作動薬
適応症: 主にパーキンソン病や高プロラクチン血症の治療に使用される
作用機序:
ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体に選択的に作用し、ドパミン神経伝達を促進します。
パーキンソン病では、黒質-線条体系のドパミン欠乏が関与しているため、ドパミン作動薬であるブロモクリプチンがドパミンD2受容体を活性化することで、運動症状を改善します。
高プロラクチン血症では、ドパミンがプロラクチン分泌を抑制するため、D2受容体への作用でプロラクチン濃度を低下させます。
2. 抗てんかん薬
ゾニサミド
分類: 抗てんかん薬
適応症: てんかんの発作抑制
作用機序:
ゾニサミドは、ナトリウムチャネルとカルシウムチャネルを阻害し、神経の過剰な興奮を抑制します。
また、GABA作動性神経伝達を強化することにより、抑制性の神経活動を増強し、てんかん発作の発生を抑えます。
さらに、炭酸脱水酵素の阻害作用も持ち、これが脳内のpHバランスに影響を与え、神経細胞の過活動を抑えるのに寄与すると考えられています。
3. ドパ脱炭酸酵素阻害薬
カルビドパ
分類: ドパ脱炭酸酵素阻害薬
適応症: パーキンソン病治療におけるレボドパの補助
作用機序:
カルビドパは、レボドパと併用されることで、末梢でのレボドパの分解を抑制します。
レボドパが脳内に到達する前にドパミンに変換されるのを防ぐことで、脳により多くのレボドパを送り届け、パーキンソン病症状の改善に寄与します。
このメカニズムにより、レボドパの必要量が減少し、末梢の副作用(悪心や嘔吐など)を低減させることが可能です。
4. コリンエステラーゼ阻害薬
ドネペジル
分類: 中枢性アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
適応症: アルツハイマー病における認知機能の改善
作用機序:
ドネペジルは、脳内のアセチルコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリンの分解を抑制します。
アルツハイマー病では、アセチルコリンが低下することで記憶や学習能力が損なわれるため、ドネペジルの作用によりアセチルコリン濃度を高めることで認知機能を改善します。
特にシナプス間隙でのアセチルコリン濃度上昇が、神経伝達を効率化し、症状の進行を抑制する効果が期待されます。
5. ベンゾジアゼピン系薬
クロナゼパム
分類: ベンゾジアゼピン系抗不安薬
適応症: 不安障害やてんかん発作の補助治療
作用機序:
クロナゼパムは、中枢神経系のGABA受容体に作用し、GABAの結合親和性を高めます。
GABAは抑制性の神経伝達物質であり、GABA受容体の活性化により神経細胞の興奮を抑制します。
これにより、不安を軽減し、抗てんかん作用が生じ、脳の異常な電気活動を抑制します。ベンゾジアゼピン受容体を介したこのメカニズムが、クロナゼパムの主な効果発現の基盤となります。
Ref.
Goodman and Gilman’s: The Pharmacological Basis of Therapeutics. 13th Edition.
Katzung BG, Trevor AJ. Basic & Clinical Pharmacology, 14th Edition.
Rang HP, Dale MM, Ritter JM, Flower RJ. Rang & Dale’s Pharmacology, 9th Edition.
Brunton LL, Chabner BA, Knollmann BC. Goodman & Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 12th Edition.
Stahl SM. Stahl's Essential Psychopharmacology: Neuroscientific Basis and Practical Applications.
中枢神経系に作用する薬物
中枢神経系に作用する薬物は、その作用機序および適応疾患に基づき、大きく以下のように分類されます。
それぞれの薬効、薬理、適用について解説します。
1. 抗精神病薬
薬効: 精神病症状の緩和(幻覚、妄想の抑制)
薬理:
抗精神病薬は主にドーパミンD2受容体を遮断し、過剰なドーパミン活性による症状を抑えます。
第二世代抗精神病薬は、セロトニン5-HT2A受容体にも作用し、陰性症状や認知機能への改善効果が見られます。
代表的な薬物と適用:
ハロペリドール(第一世代): 統合失調症や急性精神病
オランザピン、リスペリドン(第二世代): 統合失調症および双極性障害のうつ状態
2. 抗うつ薬
薬効: 気分改善、抑うつ症状の軽減
薬理:
抗うつ薬は、セロトニンやノルエピネフリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の再取り込みを阻害することで、神経間のシグナル伝達を改善します。
三環系抗うつ薬(TCA)や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)に分けられます。
代表的な薬物と適用:
フルオキセチン(SSRI): うつ病、強迫性障害
アミトリプチリン(TCA): うつ病、神経痛
デュロキセチン(SNRI): うつ病、線維筋痛症
3. 抗不安薬
薬効: 不安や緊張の緩和
薬理:
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、GABAA受容体に結合してGABA作用を増強し、中枢神経の抑制作用を高めます。
非ベンゾジアゼピン系抗不安薬も存在し、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)も不安障害に有効とされています。
代表的な薬物と適用:
ジアゼパム(ベンゾジアゼピン系): パニック障害、不安障害
ブスピロン(非ベンゾジアゼピン系): 全般性不安障害
パロキセチン(SSRI): 社交不安障害、PTSD
4. 抗てんかん薬
薬効: てんかん発作の抑制
薬理:
抗てんかん薬は、ナトリウムチャネル、カルシウムチャネルの遮断やGABA活性の増強などを通じて神経の過剰な興奮を抑えます。
薬剤ごとに作用機序が異なり、発作のタイプに応じた薬剤選択が重要です。
代表的な薬物と適用:
カルバマゼピン: 部分発作、双極性障害
バルプロ酸: 欠伸発作、双極性障害
ラモトリギン: 部分発作、双極性障害の維持療法
5. 中枢神経刺激薬
薬効: 注意力の向上、覚醒促進
薬理:
中枢神経刺激薬は、ドーパミンおよびノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、神経伝達を促進します。
ADHDやナルコレプシーなど、特定の注意欠陥や覚醒障害に適用されます。
代表的な薬物と適用:
メチルフェニデート: 注意欠陥・多動性障害(ADHD)、ナルコレプシー
モダフィニル: ナルコレプシー、昼間の過剰な眠気
6. 認知症治療薬
薬効: 認知機能の維持・改善
薬理:
アルツハイマー病などの認知症では、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬がアセチルコリン分解を抑え、認知機能を改善します。また、NMDA受容体拮抗薬も用いられ、興奮毒性から神経細胞を保護します。
代表的な薬物と適用:
ドネペジル(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬): アルツハイマー病、レビー小体型認知症
メマンチン(NMDA受容体拮抗薬): 中等度から重度のアルツハイマー病
7. 麻酔薬
薬効: 意識消失、鎮痛、筋弛緩
薬理:
麻酔薬は、GABAやNMDA受容体に作用し、神経抑制を増強して中枢神経系の活動を抑制します。全身麻酔薬と局所麻酔薬に分けられ、全身麻酔薬はさらに吸入麻酔薬と静脈麻酔薬に分類されます。
代表的な薬物と適用:
プロポフォール(静脈麻酔薬): 外科手術時の麻酔導入・維持
セボフルラン(吸入麻酔薬): 手術中の意識消失
リドカイン(局所麻酔薬): 局所的な痛みの除去(局所麻酔)
文献リスト
Goodman and Gilman’s: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 13th Edition.
Katzung BG, Trevor AJ. Basic & Clinical Pharmacology, 14th Edition.
Rang HP, Dale MM, Ritter JM, Flower RJ. Rang & Dale’s Pharmacology, 9th Edition.
Stahl SM. Stahl's Essential Psychopharmacology: Neuroscientific Basis and Practical Applications.
Brunton LL, Chabner BA, Knollmann BC. Goodman & Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 12th Edition.
論点およびポイント
■■GPT4o
病態|問 109-154
論点|レビー小体型認知症 / 幻視 / REM睡眠行動異常 / パーキンソン症状 / 認知機能低下
ポイント|
患者は物忘れ、幻視、REM睡眠行動異常、見当識の低下、小刻み歩行などの症状を呈しています。
これらの特徴はレビー小体型認知症(DLB)に関連する可能性が高いです。
レビー小体型認知症は、幻視やREM睡眠行動異常、小刻み歩行などのパーキンソン症状を伴うことがあり、認知機能が徐々に低下します。
MRIや脳血流SPECTで後頭葉の血流低下が確認されることも、レビー小体型認知症に特徴的な所見です。
薬理|問 109-155
論点|中枢神経系作用薬 / ドパミンD2受容体 / AMPA受容体 / ドパ脱炭酸酵素阻害 / アセチルコリンエステラーゼ / GABAA受容体
ポイント|
ブロモクリプチン:
ドパミンD2受容体作動薬で、間接路のGABA神経に影響し、パーキンソン病の症状を改善します。ゾニサミド:
抗てんかん薬で、ナトリウムチャネルとカルシウムチャネルを阻害します。
グルタミン酸AMPA受容体刺激とは無関係です。カルビドパ:
末梢でのドパ脱炭酸酵素を阻害し、レボドパの脳内移行を促進します。
ドパミンβ-ヒドロキシラーゼ阻害はカルビドパの作用機序ではありません。ドネペジル:
中枢神経系のアセチルコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリン濃度を増加させます。
アミロイドβの分解促進とは無関係です。クロナゼパム:
ベンゾジアゼピン系薬で、GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABA作用を増強することでCl⁻チャネルを開口させます。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
論点を整理します。
■■GPT4o
総合的な論点
この問題は、さまざまな神経伝達物質とそれらの受容体に作用する薬物の作用機序に関する理解を問うものです。問題の選択肢には、ドパミン、アセチルコリン、GABAといった主要な神経伝達物質およびその受容体をターゲットとする薬物が含まれ、特に中枢神経系での作用と、それによって生じる生理的・病態的な変化が論点とされています。
各薬物の作用機序の理解は、以下のような神経伝達の基礎を踏まえることで成り立ちます:
ドパミン系
ドパミンD2受容体はパーキンソン病治療において重要なターゲットです。線条体のD2受容体は、間接経路を介して運動抑制を担う役割を持っており、これに作用する薬物はGABA作動性神経に影響を与えます。アセチルコリン系
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、アルツハイマー病の治療に使用されます。アセチルコリンの分解を抑制することでシナプス間隙のアセチルコリン濃度を増加させ、認知機能の改善を図ることができます。GABA系
GABAA受容体に作用する薬物(ベンゾジアゼピン系)は、抑制性神経伝達を強化するため、不安や痙攣の抑制に用いられます。GABAA受容体のCl⁻チャネルを開口させることで神経細胞の過分極が促進され、神経の興奮が抑制されます。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
選択肢 1. ブロモクリプチンは、線条体においてドパミンD2受容体を刺激することで、間接路のGABA作動性神経を抑制する。
論点
ブロモクリプチンはドパミンD2受容体作動薬で、パーキンソン病治療に使われます。
線条体のD2受容体を刺激することで、間接経路を通じて運動抑制を緩和する効果があります。
具体的には、D2受容体刺激によってGABA作動性神経の活動が抑制され、運動機能が改善されます。
アプローチ方法
D2受容体の役割と間接経路の作用を理解し、D2受容体作動薬がGABA作動性神経に及ぼす影響について検討すると、選択肢1は正しいと判断できます。
選択肢 2. ゾニサミドは、グルタミン酸AMPA受容体を刺激することで、ドパミン作動性神経を亢進させる。
論点
ゾニサミドは抗てんかん薬であり、ナトリウムチャネルの阻害やカルシウムチャネルの調整により、神経過剰興奮を抑制しますが、グルタミン酸AMPA受容体を刺激する作用はありません。
また、AMPA受容体の刺激は通常、興奮性作用をもたらし、ドパミン作動性神経の亢進を直接的に引き起こすものではありません。
アプローチ方法
ゾニサミドの作用機序について正確に理解することで、AMPA受容体の刺激はその作用機序に含まれないため、選択肢2は誤りと判断できます。
選択肢 3. カルビドパは、ドパミンβ-ヒドロキシラーゼを阻害することで、レボドパの脳内移行を高める。
論点
カルビドパはレボドパと併用される薬物で、末梢でのドパミン脱炭酸酵素(DOPAデカルボキシラーゼ)を阻害することで、レボドパがドパミンに変換されるのを防ぎ、より多くのレボドパが脳内へ到達するようにします。
一方、ドパミンβ-ヒドロキシラーゼ阻害作用はなく、この選択肢は作用機序の誤解です。
アプローチ方法
カルビドパの作用が末梢でのドパミン生成抑制に関係し、ドパミンβ-ヒドロキシラーゼとは関係がない点を理解することで、この選択肢は誤りと判断できます。
選択肢 4. ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、アミロイドβタンパク質の分解を促進する。
論点
ドネペジルはアルツハイマー病の治療に使用されるアセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、シナプス間隙のアセチルコリン濃度を増加させますが、アミロイドβタンパク質の分解を直接促進する作用はありません。
アプローチ方法
ドネペジルの主な作用はアセチルコリンエステラーゼの阻害であるため、アミロイドβタンパク質に直接作用しない点を理解すれば、この選択肢は誤りと判断できます。
選択肢 5. クロナゼパムは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することで、GABAによるCl⁻チャネルの開口を促進する。
論点
クロナゼパムはベンゾジアゼピン系薬であり、GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することでGABAの作用を増強し、Cl⁻チャネルの開口を促進します。
この作用により、神経の興奮性が抑制されるため、不安やてんかん発作の抑制に効果があります。
アプローチ方法
クロナゼパムの作用機序がGABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に関連し、GABAによる抑制作用を増強することを理解することで、選択肢5は正しいと判断できます。
正解
選択肢1と選択肢5が正しいと判断されます。
Ref.
この問題で使用した科学的根拠の理解に役立つ文献は以下の通りです。
Pharmacology of Dopaminergic Agonists in Parkinson’s Disease
Standaert, D. G., & Young, A. B. (2001). "Treatment of central nervous system degenerative disorders." Goodman & Gilman’s: The Pharmacological Basis of Therapeutics.
ブロモクリプチンおよび他のドパミンD2受容体作動薬の作用機序とパーキンソン病における適用について解説しています。The Role of Zonisamide in Epilepsy Treatment
Biton, V. (2007). "Clinical pharmacology and mechanism of action of zonisamide." Clinical Neuropharmacology, 30(4), 230-240.
ゾニサミドの抗てんかん作用と、AMPA受容体への作用の有無について詳述しています。Mechanism of Action of Carbidopa in Parkinson’s Disease Therapy
Marjama-Lyons, J., & Koller, W. (2001). "The pharmacologic treatment of Parkinson’s disease." The Journal of Clinical Pharmacology, 41(4), 333-344.
カルビドパとレボドパ併用療法における末梢DOPAデカルボキシラーゼの阻害作用について説明されています。Donepezil as an Acetylcholinesterase Inhibitor in Alzheimer’s Disease
Rogers, S. L., et al. (1998). "Long-term efficacy and safety of donepezil in the treatment of Alzheimer's disease." Archives of Internal Medicine, 158(9), 1021-1031.
ドネペジルの作用機序に関する詳細、およびアルツハイマー病治療でのアセチルコリン濃度の維持作用について解説しています。Mechanisms of Action of Benzodiazepines: GABAA Receptor Binding and Effects
Rudolph, U., & Möhler, H. (2004). "Analysis of GABAA receptor function and dissection of the pharmacology of benzodiazepines and general anesthetics." The Journal of Clinical Investigation, 113(8), 1118-1129.
クロナゼパムおよびその他のベンゾジアゼピン系薬の作用機序、GABAA受容体への結合とその生理的効果について説明されています。
上記の文献は、薬物の作用機序や神経伝達に及ぼす影響について科学的根拠を提供しています。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
大丈夫です。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学理論問題【複合問題】から中枢神経系作用薬 / ドパミンD2受容体 / AMPA受容体 / ドパ脱炭酸酵素阻害 / アセチルコリンエステラーゼ / GABAA受容体を論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
Here we go.
第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問154-155
一般問題(薬学理論問題)
【薬理/病態・薬物治療】
■複合問題|問 109-154-155
Q. 78歳女性。夫と2人暮らしであるが、半年前から物の置き忘れやしまい忘れをするようになった。3ケ月前から誰もいない庭を指さして「子供たちが遊んでいる。」などと言うようになった。睡眠中に大声を出して、手足をばたつかせることがあるが、本人に自覚はない。心配した夫に連れられ病院を受診した。診察時、受け答えは良好であったが、歩行は小刻み様であった。日付や場所の見当識が一部曖昧であり、ミニメンタルステート検査は30点満点中23点であった。また、脳血流SPECTにより後頭葉の血流低下が認められた。
病態|問 109-154
Q. (病態・薬物治療)
この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
前頭葉に著明な萎縮が生じている。
パーキンソン症状が認められる。
脳梗塞によって二次的に発症した可能性が高い。
幻視やREM睡眠行動異常が認められる。
症状は階段状に悪化する。
薬理|問 109-155
Q. (薬理)
この患者の症状改善を目的として使用される可能性のある薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
ブロモクリプチンは、線条体においてドパミンD2受容体を刺激することで、間接路のGABA作動性神経を抑制する。
ゾニサミドは、グルタミン酸AMPA受容体を刺激することで、ドパミン作動性神経を亢進させる。
カルビドパは、ドパミンβ-ヒドロキシラーゼを阻害することで、レボドパの脳内移行を高める。
ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、アミロイドβタンパク質の分解を促進する。
クロナゼパムは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することで、GABAによるCl-チャネルの開口を促進する。
■■GPT4o
薬理|問 109-155
■論点|中枢神経系作用薬 / ドパミンD2受容体 / AMPA受容体 / ドパ脱炭酸酵素阻害 / アセチルコリンエステラーゼ / GABAA受容体
この問題の論点は、各薬剤の作用機序と標的受容体に関する理解、およびその薬理効果を正確に特定することです。
■解説1|
選択肢 1: ブロモクリプチンは、線条体においてドパミンD2受容体を刺激することで、間接路のGABA作動性神経を抑制する [正しい]
作用機序:ブロモクリプチンはドパミンD2受容体のアゴニストで、主にパーキンソン病の治療に用いられます。線条体のD2受容体を刺激することで、間接路におけるGABA作動性神経の抑制を促進し、これにより筋緊張の緩和や運動症状の改善が期待されます。
間接路の抑制:ドパミンD2受容体の刺激は、間接路でGABAニューロンを抑制し、運動を抑制する経路の活性を低下させるため、運動機能の改善が見られます。
選択肢 5: クロナゼパムは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することで、GABAによるCl⁻チャネルの開口を促進する [正しい]
作用機序:クロナゼパムはベンゾジアゼピン系薬物で、GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAによるCl⁻チャネル開口の頻度を増加させます。この効果により神経の興奮を抑制し、抗不安作用や抗けいれん作用が発現します。
Cl⁻チャネル開口促進:GABAの抑制作用が増強されることで、神経細胞の過剰興奮が抑えられ、鎮静や抗けいれん作用が得られます。
■解説2|
ドパミン受容体の役割:ドパミンD2受容体はパーキンソン病などの運動症状に関与し、間接路のGABA神経の抑制に重要な役割を果たします。D2アゴニストであるブロモクリプチンの使用は、運動機能の低下に有効です。
ベンゾジアゼピン受容体:クロナゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬は、GABA受容体との協調作用で抑制性の神経活動を高めるため、抗不安や抗けいれんに効果的です。したがって、選択肢1と5の作用機序は医学的に正しいといえます。
■結論|
選択肢1と5が正しい選択肢です。
■補足|
選択肢 2: ゾニサミドは、グルタミン酸AMPA受容体を刺激することで、ドパミン作動性神経を亢進させる [誤り]
ゾニサミドは、グルタミン酸AMPA受容体の拮抗作用を有します。
ドパミン作動性神経には直接作用しません。
ゾニサミドの効果は、カルシウムチャネルやナトリウムチャネルの阻害に起因し、てんかんの治療およびパーキンソン病の補助療法として使用されます。
選択肢 3: カルビドパは、ドパミンβ-ヒドロキシラーゼを阻害することで、レボドパの脳内移行を高める [誤り]
カルビドパはドパ脱炭酸酵素阻害薬であり、末梢でレボドパの変換を抑制することで脳内移行を促進します。
ドパミンβ-ヒドロキシラーゼはノルエピネフリン合成に関与する酵素で、レボドパの脳内移行とは無関係です。
選択肢 4: ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、アミロイドβタンパク質の分解を促進する [誤り]
ドネペジルはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリンの分解を防いで脳内濃度を増加させることで、認知症症状の改善に寄与します。
アミロイドβの分解には関与しません。
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第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問154-155
一般問題(薬学理論問題)
【薬理/病態・薬物治療】
■複合問題|問 109-154-155
Q. 78歳女性。夫と2人暮らしであるが、半年前から物の置き忘れやしまい忘れをするようになった。3ケ月前から誰もいない庭を指さして「子供たちが遊んでいる。」などと言うようになった。睡眠中に大声を出して、手足をばたつかせることがあるが、本人に自覚はない。心配した夫に連れられ病院を受診した。診察時、受け答えは良好であったが、歩行は小刻み様であった。日付や場所の見当識が一部曖昧であり、ミニメンタルステート検査は30点満点中23点であった。また、脳血流SPECTにより後頭葉の血流低下が認められた。
病態|問 109-154
Q. (病態・薬物治療)
この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
前頭葉に著明な萎縮が生じている。
パーキンソン症状が認められる。
脳梗塞によって二次的に発症した可能性が高い。
幻視やREM睡眠行動異常が認められる。
症状は階段状に悪化する。
薬理|問 109-155
Q. (薬理)
この患者の症状改善を目的として使用される可能性のある薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
ブロモクリプチンは、線条体においてドパミンD2受容体を刺激することで、間接路のGABA作動性神経を抑制する。
ゾニサミドは、グルタミン酸AMPA受容体を刺激することで、ドパミン作動性神経を亢進させる。
カルビドパは、ドパミンβ-ヒドロキシラーゼを阻害することで、レボドパの脳内移行を高める。
ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、アミロイドβタンパク質の分解を促進する。
クロナゼパムは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することで、GABAによるCl-チャネルの開口を促進する。
楽しく!驚くほど効率的に。
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-154-155【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:中枢神経系作用薬 / ドパミンD2受容体 / AMPA受容体 / ドパ脱炭酸酵素阻害 / ア|matsunoya
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