OSI参照モデル ~アプリケーション層編~
はじめに
コンピュータネットワークの基盤を支える重要な概念の1つがOSI参照モデルです。
このモデルは、通信プロトコルを7の階層に分け、各階層が特定の役割を担っています。
今回はその中でも、アプリケーション層に着目していきます。
アプリケーション層の役割
アプリケーション層は、ユーザーが実際に使用するアプリケーションとネットワークの間を仲介する層です。
例えば、webブラウザ、電子メール、ファイル転送などのアプリケーションがここに該当します。
主な役割として以下のようなものがあります。
1.ユーザーインターフェースの提供
アプリケーション層は、ユーザーが直接操作するインターフェースを提供します。
どういうことかというと、例えばwebブラウザであれば、webページを表示するためのHTMLやCSS、JacaScriptの処理を行い、ユーザーが直感的に操作できるようにしています。
2.データ通信の制御
データの送受信に関わる制御も行われています。
具体的には、HTTP(HyperText Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)などのプロトコルを使用して、データの送信先や受信先を指定し、適切な方法でデータを送受信します。
3.データの整形と管理
アプリケーション層では、データの整形や管理も行います。
電子メールの送受信では、メール本文や添付ファイルを適切な形式に変換し、エンコードやデコードを行います。
また、データの圧縮、暗号化もこの層で行われます。
アプリケーション層の具体例
webブラウザ
アプリケーション層の代表的な例としてwebブラウザが挙げられます。
webブラウザは、ユーザーが指定したURLを基にwebサーバーと通信し、HTMLや画像、動画などのコンテンツを取得して表示します。
この過程で使用されるのが、HTTPやHTTPSといったプロトコルです。
電子メールクライアント
電子メールクライアントもアプリケーション層に属しています。
OutlookやGmailなどのメールアプリケーションは、SMTPを使用してメールを送信し、POP3やIMAPを用いてメールを受信します。
これにより、ユーザーはメールの作成、送信、受信、整理を行うことができます。
ファイル転送アプリケーション
FTPはインターネット上でファイルを転送するためのプロトコルで、これもアプリケーション層の1つです。
FTPクライアントを使う事で、ユーザーはリモートサーバーにファイルをアップロードしたり、ダウンロードしたりすることができるのです。
アプリケーション層のプロトコル
アプリケーション層で使用されるプロトコルについても見ていきます。
HTTP/HTPPS
HTTPはwebページの転送に使用されるプロトコルです。
そのHTTPをSSL/TLSによってセキュリティを高めたものがHTTPSと呼ばれるものです。
FTP
先ほど出てきたように、ファイル転送に特化したプロトコルで、大容量のファイルや複数のファイルを効率的に転送するのに適しています。
SMTP
電子メールの送信に使用されるプロトコルがSMTPです。
メールサーバー間のメール転送を行うための標準プロトコルで広く用いられています。
POP3/IMAP
逆にメールの受信を行うために使用されるプロトコルがPOP3とIMAPです。
POP3はメールを受信後にクライアントにダウンロードし、サーバーから削除するのに対し、IMAPはメールをサーバー上に保存し、複数のデバイスからアクセスできるといった違いがあります。
まとめ
アプリケーション層は、OSI参照モデルの中でユーザーが直接かかわる部分であり、様々なアプリケーションソフトウェアとネットワーク通信の橋渡しをする役目を持っています。
以上でOSI参照モデル全ての層に関するまとめが終わりました。
以前から知っていたものも知らなかったものもあったので、少しずつ知識を身に付け、理解を深めていきたいと思います。