【実体験】新卒エンジニアの「周りと比べて足りない」という不安との向き合い方
〜先輩から学んだ、成長とモチベーション維持の本質〜
はじめに
入社して数ヶ月が経ったある日のこと。
チームメンバーのコードレビューを横で見ていて、愕然としました。
「この技術の使い方、知らなかった...」
「こんな書き方があったのか...」
「自分の書くコードはまだまだ全然ダメだ...」
そんな思いが、重くのしかかってきました。
毎日必死でキャッチアップしているはずなのに、 周りと比べると全然足りていない。
この差は、いったいいつ埋まるのだろう。
そんな不安を抱えながら過ごす日々が続きました。
転機〜先輩との何気ない会話から〜
ある日、同じチームメンバーの先輩とランチに行く機会がありました。
思い切って、自分の不安を打ち明けてみました。
すると先輩は、穏やかな笑顔で こう言いました。
「そうだね。その気持ち、よく分かるよ」
「でもね、今の○○は、まさに成長のための投資をしている最中なんだよ」
「毎日の小さな学び、理解できなかったことへの悔しさ、 それらは全部、将来の大きな成長につながっているんだよ」
「投資の時期」という考え方
■ 見えない成長を実感する
新卒エンジニアの時期は、目に見える成果よりも見えない成長に時間を費やすことが大切だと教わりました。
例えば:
エラーメッセージの意味を理解する時間
ドキュメントと格闘する時間
分からないことを調べる時間
レビューコメントの意図を考える時間
これらは一見、無駄に時間を使っているように感じます。
でも実は、これこそが「投資」なのです。
■ 小さな前進を見つける
先輩は教えてくれました。
成長は、決して直線的ではないと。
たとえば:
今日は昨日より早くエラーの原因が分かった
先週は理解できなかった技術用語の意味が分かるようになった
先月は手も出せなかった課題に、少しずつ取り組めるようになった
一つひとつは小さな前進かもしれません。
でも、それらが積み重なって、大きな成長になるのです。
「比較」との向き合い方
■ 健全な「比較」のあり方
他のエンジニアと比較することは自然なことです。
大切なのは、その比較を建設的なものにすることです。
良い比較の例:
「あの人のここが素晴らしい。自分も意識してみよう」
「この部分の理解が深いな。どうやって学んだのか聞いてみよう」
「この考え方は参考になる。自分なりに取り入れてみよう」
■ 自己比較の大切さ
最も重要な比較は、実は「昨日の自分」との比較です。
確認してみましょう:
理解できることは増えたか
新しく挑戦できることは出てきたか
分からないことを分からないと言えるようになったか
チームに貢献できることは増えたか
成長を実感するためのヒント
■ 日々の小さな進歩を記録する
先輩から教わった実践的なアプローチ:
今日の学び日記
新しく知ったこと
理解が深まったこと
困ったことと、その対処方法
週の振り返り
できるようになったこと
まだ課題として残っていること
来週挑戦したいこと
月間の成長ノート
先月と比べて成長を感じる部分
新しく担当できるようになった領域
チームへの貢献度
■ 長期的な視点を持つ
エンジニアの成長は、決して一朝一夕には実現しません。
むしろ、じっくりと時間をかけることで、 より深い理解と確かな成長が得られます。
大切なのは:
基礎をしっかり固めること
焦らず着実に前進すること
小さな進歩を実感すること
具体的なモチベーション維持法
■ 成功体験を作る
小さくても良いので、達成感を味わえる機会を作りましょう:
バグ修正ができた
コードレビューが承認された
チームメンバーに感謝された
ドキュメントが理解できた
■ 学びを言語化する
理解したことを自分の言葉で表現してみましょう:
チーム内での共有
技術ブログの執筆
勉強会での発表
後輩への説明
■ コミュニティとの繋がり
同じような悩みを持つ仲間と繋がることで、 新しい視点や励みを得ることができます:
社内の同期との定期的な交流
技術コミュニティへの参加
勉強会への参加
オンラインでの情報交換
さいごに:同じ不安を抱える仲間へ
入社してから今日まで、 様々な不安や焦りと向き合ってきました。
それは時に辛いものでしたが、 今では確かな成長の糧となっています。
大切なのは、今この瞬間に全力を尽くすこと。 そして、自分の中で確実に育っているものを信じることです。
不安な気持ちは、決して否定するものではありません。
それは、より良いエンジニアになりたいという あなたの強い思いの表れなのですから。
この記事を読んでくださっているあなたも、 きっと同じような思いを抱えているかもしれません。
でも、大丈夫です。
あなたは今、確実に成長への投資をしているのです。
その投資は、必ず実を結ぶはずです。
一緒に、この山を登っていきましょう。
頂上での景色は、きっと素晴らしいはずです。
追伸:明日の自分へ
この記事は、数ヶ月前の自分に向けて書いた手紙でもあります。
あの頃感じていた不安や焦り、そして必死で学び続けた日々が、 今の自分を作ってくれました。
皆さんの今の気持ちも、きっと同じように、 かけがえのない財産となるはずです。
焦らず、でも諦めず。 一歩ずつ、確実に前へ。
それが、エンジニアとしての確かな成長への道なのです。
一緒に頑張りましょう。