まつむら塾・自己流道場

ここは「誰もが自分探しを継続できる世界」を作るために、「自分探しのやり方(実現学)」と、「継続する世界の作り方(地主学)」を学ぶ場所。 「まつむら塾」は、国づくり活動家の松村拓也が直接指導する「私塾」です。

まつむら塾・自己流道場

ここは「誰もが自分探しを継続できる世界」を作るために、「自分探しのやり方(実現学)」と、「継続する世界の作り方(地主学)」を学ぶ場所。 「まつむら塾」は、国づくり活動家の松村拓也が直接指導する「私塾」です。

最近の記事

価値と価格_2

先回は、「価値と価格」の言葉と意味が何やら逆転しているのではないかという気づきについて、勝手な自論を展開したが、今日はこれが言葉にとどまらず、世界にも影響を及ぼしていることについて論じたい。 そこでまず、「価値と価格」の関係をもう少し明確にするために、「お金」を使って説明しよう。 「価値」とは、物事の値打ちや大切さを他の物事と比べることだが、「価格」はそれを「お金」と比べることだ。 もちろんその主体は自分とは限らないので、価値や価格は一律でない。 同じ物事でも、人によって価値

    • 価値と価格_1

      今日からMLBのワールドシリーズが始まり、ドジャーズの初戦勝利に大谷びいきの皆さんが湧いている。 一方、報道によればこのカードの観戦チケットは、最も安い席で約800ドル(約12万円)で、高い席は1,000万円を越えるとか。 バカバカしいのか、値打ちがあるのか議論は尽きないが、僕の興味はちょっと違うところにある。 それは価格の格差という現実だ。 例えば、お馴染み「ビッグマック」の価格を比べると、上位は1位スイス(1,214円)・2位ウルグアイ(1,064円)・3位ノルウェー(1

      • 目的と方法

        先日FP(フリーパートナー)のMYさんと話す中で、「方法論は饒舌だけど、目的論は語らないね」という話になった。 同じころ、朝ドラ「おむすび」の第3週副題が「夢って何なん?」であることを思い出し、たとえ話に紹介したら、残念ながら彼女は朝ドラを見ていない。 そこでこのブログの中から、関連記事を紹介しようと思ったら「目的と方法」という投稿は見当たらない。 「目的と方法」の関係は、まつむら塾実現学の核心部分のはずなのに、それぞれ別のカテゴリーに分類したため、その議論が埋もれていること

        • 心残り無く

          僕は「空き家問題」という言葉に、大いに疑問を感じている。 なぜなら、大多数の人々と僕とでは、この言葉の指す意味がまるで異なるから。 多くの人々は、「空き家」の存在の弊害や、それがもたらす迷惑や危険を問題視しているが、僕は「空き家」の存在そのものやその増加が持つ意味に、深刻な問題を感じている。 そんなギャップをもたらす原因は、明らかに「空き家」の定義の曖昧性だ。 総理府統計局が5年ごとに行っている「住宅・土地統計調査」における空き家の定義は、「居住できるのにしていない住居」とな

          虎とアーレント

          NHK朝の連読テレビ小説「虎に翼」が最終週を迎える中、笑恵館の映画鑑賞会で「ハンナ・アーレント」を鑑賞した。 ハンナ・アーレント(Hannah Arendt、1906年10月14日~1975年12月4日)は、ドイツ出身のアメリカ合衆国の政治哲学者・思想家で、ドイツ系ユダヤ人であり、ナチズムが台頭したドイツからアメリカ合衆国に亡命し、教鞭をとった。 一方、虎に翼の主人公・佐田寅子のモデルとなった三淵 嘉子(みぶち よしこ、1914年11月13日~1984年5月28日)は、日本初

          うんこと糞切り

          いきなりだが、今日はうんこの話をしたい。 先日Tさんの勧めで「うんこと死体の復権」という映画を観てきた。 アマゾンの奥地で狩猟採集民と暮らし、自然とヒトの関係を考え続けた探検家で医師の関野吉晴は、地球でヒトが生き続ける方法を考える計画の中で、3人の専門家と出会いこの映画を作った。 野糞をすることに頑なにこだわり、半世紀に渡る野糞人生を送っている伊沢正名。 うんこから生き物と自然のリンクを考察する生態学者の高槻成紀。 そして、死体喰いの生き物たちを執拗に観察する絵本作家の舘野

          自分と自分たち

          笑恵館では、本来所有者の収入となるべきアパートの家賃収入を財源に施設を運営している。 これを聞くと、多くの人は「自宅を交流施設として自腹で開放するなんて、奇特な方ですね」と言うのだが、話はそう単純ではない。 実際には、所有者が僕と一緒に設立した法人に土地建物を無償で提供(使用貸借)し、家賃(転貸)収入を取得する法人が居住する所有者に対し管理人報酬を支払っている。 なぜそんな回りくどいことをやっているのかというと、それは雇用を創出するためだ。 つまり、通常所有者の不労所得となる

          もらってあげる

          今日は「寄附」の話をしたい。 僕が非営利法人による事業運営を推奨しているのは、「土地の寄付」を推進するためなのだが、この言葉に対する無理解が足を引っ張っている。 辞書を引くと、「【寄付・寄附】〘 名詞 〙金品を贈ること。特に、公共の事業や寺社などに金品を進んで出すこと」とあり、Wikiですら「寄付(きふ、英: donation)とは、金品を贈与すること。」としか書いていない。 つまり「寄附=カネやモノの贈与」と言うだけの説明なので、これではまるで「皆さん知ってますよね」と言わ

          特別より日常

          2018年2月1日、僕はfacebookで「謹賀新月」の挨拶を開始した。 その4月に61歳になろうとしていたことを思い出し、なぜか残された時間がわずかしかないと考え始めた。 当時の僕は、やけにせっかちで、多くのプロジェクトに首を突っ込みながらも、さらに新たな出会いをむさぼっていた。 せっかちになるということは、待てずに先を急ぐこと。 だが、それは傍から見た在り様で、当人からすれば、周囲の時間がゆっくり進むことへの苛立ちを意味している。 だとすれば、時間の尺度を早めることで、少

          復興=起業

          2024年1月1日に発生した能登半島地震は、間もなく発災から8か月が経過する。 この地震は最大震度7を記録した上に、能登半島北部直下の活断層が上下方向に動いた逆断層型の地震であったため、地殻の変動や津波を伴う大地震と位置付けられた。 だが一方で、水道や道路などインフラ復旧に続く仮設住宅の建設どころか被災地の片付けの遅れが繰り返し報道されるばかり。 13年前の東日本大震災において既に経験済みのこの問題は、教訓として生かされるべきなのに、「予算がない」「人手がない」「何をすればい

          新しい戦前

          8月は終戦の月、原爆の日や終戦記念日などが続く中、「新しい戦前」という言葉があちこちから聞こえてくる。 元はと言えば、一昨年の12月28日にタレントのタモリが「徹子の部屋」の番組内で、「来年はどんな年になりますかね?」と尋ねられたのに対し、「誰も予測できないですよね。これはね。でもなんて言うかな。新しい戦前になるんじゃないですかね」と答えたことに端を発するようだ。 改憲や軍事費拡大など、戦争に向かうかのような世相を「戦前」と言うタモリのセンスに感動するが、ちょっと気になること

          成功と満足

          僕はいつも、「倒産経験が僕の原点です」と話しているが、それは「倒産経験」が人生の転機になったことを意味している。 倒産の3年前、僕は父の作った建設会社の2代目代表取締役に指名され、周囲の人たちから祝福された。 社長になるのは名誉なことだし、祝福されるのは嬉しいことのはずだが、僕の本心はその逆だった。 そのいきさつについては省略するが、自分が望んでいないからと言って、周囲の賞賛や祝福を否定できないもどかしさは、今でも忘れられない。 父の気まぐれで私立の名門中学に進学した時も、父

          自己流道場

          今日は自分で決めた締切日。 先週「今度の日曜から、ふきの庭でまつむら塾を始めます」と宣言したのだが、ついにその日曜日を迎えてしまった。 このように、あらかじめ宣言してから実行することを「有言実行」と言うように思われるだろうが、通常は指示や要請に対して「やる」と言ったからには、責任をもってやり遂げるという意味の言葉のはず。 つまり、僕は自ら宣言することで、言葉に責任を持ち、約束を果たす義務を課して、自分を追い込んだという訳だ。 さらに、あえて辞書を引いてみると・・・《「不言実行

          小さな勝ち

          土用丑の日が近づくと、鰻の話が盛り上がる。 去年に続いて今年も猛暑が続く中、「鰻=スタミナ」という思い込みが食欲をそそる。 先日、「今年のうなぎ事情」というタイトルに釣られてテレビを見ていたら、面白い話が聞けたので紹介したい。 それは「鰻の成瀬(なるせ)」というチェーン店の話。 一尾が丸々入った松の値段は2600円で、半尾の梅は1600円。 一般的なウナギ専門店の半額ほどで本格的なウナギが食べられる。 こうした価格と品質を武器に「鰻の成瀬」は2022年9月に1号店をオープンし

          What is 言葉

          全20回のまつむら塾は「疑問とは何か」からスタートする。 それは「疑問」を知らない人に教えるためではなく、「疑問」という言葉から感じられる様々な意味のうち、僕が感じて欲しいと思う意味をあらかじめ宣言するためだ。 「疑問」は「答え」を求める心や、「答え」を疑う状態を指す言葉なので、「答え探し」に欠かせない。 そこで、自身の「答え探し」のために「疑問の使い方」を学ぶことが、まつむら塾の内容だ。 「疑問」には、自分の疑問(what、why、how)と世界の疑問(who、where、

          「非」から「脱」へ

          先回のブログ「借り≒仮り」の冒頭に、「皆さんご承知の通り、僕は土地所有の法人化に取り組んでいる。僕がこの問題に取り組む理由や目的は、これまで語ってきたとおり明確だが・・・」と書いたものの、ある人から「全然明確じゃない」とお叱りを受け、僕は激しく動揺した。 実は、「土地所有の法人化」は、非営利徹底型の一般社団法人を想定しているのだが、それは「非営利、非持分、非親族」という3つの「非」で構成される。 そもそもこの議論は、2006年に制定された「一般社団法人及び一般財団法人に関する