まつむら塾・自己流道場

ここは「誰もが自分探しを継続できる世界」を作るために、「自分探しのやり方(実現学)」と…

まつむら塾・自己流道場

ここは「誰もが自分探しを継続できる世界」を作るために、「自分探しのやり方(実現学)」と、「継続する世界の作り方(地主学)」を学ぶ場所。 「まつむら塾」は、国づくり活動家の松村拓也が直接指導する「私塾」です。

最近の記事

うんこと糞切り

いきなりだが、今日はうんこの話をしたい。 先日Tさんの勧めで「うんこと死体の復権」という映画を観てきた。 アマゾンの奥地で狩猟採集民と暮らし、自然とヒトの関係を考え続けた探検家で医師の関野吉晴は、地球でヒトが生き続ける方法を考える計画の中で、3人の専門家と出会いこの映画を作った。 野糞をすることに頑なにこだわり、半世紀に渡る野糞人生を送っている伊沢正名。 うんこから生き物と自然のリンクを考察する生態学者の高槻成紀。 そして、死体喰いの生き物たちを執拗に観察する絵本作家の舘野

    • 自分と自分たち

      笑恵館では、本来所有者の収入となるべきアパートの家賃収入を財源に施設を運営している。 これを聞くと、多くの人は「自宅を交流施設として自腹で開放するなんて、奇特な方ですね」と言うのだが、話はそう単純ではない。 実際には、所有者が僕と一緒に設立した法人に土地建物を無償で提供(使用貸借)し、家賃(転貸)収入を取得する法人が居住する所有者に対し管理人報酬を支払っている。 なぜそんな回りくどいことをやっているのかというと、それは雇用を創出するためだ。 つまり、通常所有者の不労所得となる

      • もらってあげる

        今日は「寄附」の話をしたい。 僕が非営利法人による事業運営を推奨しているのは、「土地の寄付」を推進するためなのだが、この言葉に対する無理解が足を引っ張っている。 辞書を引くと、「【寄付・寄附】〘 名詞 〙金品を贈ること。特に、公共の事業や寺社などに金品を進んで出すこと」とあり、Wikiですら「寄付(きふ、英: donation)とは、金品を贈与すること。」としか書いていない。 つまり「寄附=カネやモノの贈与」と言うだけの説明なので、これではまるで「皆さん知ってますよね」と言わ

        • 特別より日常

          2018年2月1日、僕はfacebookで「謹賀新月」の挨拶を開始した。 その4月に61歳になろうとしていたことを思い出し、なぜか残された時間がわずかしかないと考え始めた。 当時の僕は、やけにせっかちで、多くのプロジェクトに首を突っ込みながらも、さらに新たな出会いをむさぼっていた。 せっかちになるということは、待てずに先を急ぐこと。 だが、それは傍から見た在り様で、当人からすれば、周囲の時間がゆっくり進むことへの苛立ちを意味している。 だとすれば、時間の尺度を早めることで、少

          復興=起業

          2024年1月1日に発生した能登半島地震は、間もなく発災から8か月が経過する。 この地震は最大震度7を記録した上に、能登半島北部直下の活断層が上下方向に動いた逆断層型の地震であったため、地殻の変動や津波を伴う大地震と位置付けられた。 だが一方で、水道や道路などインフラ復旧に続く仮設住宅の建設どころか被災地の片付けの遅れが繰り返し報道されるばかり。 13年前の東日本大震災において既に経験済みのこの問題は、教訓として生かされるべきなのに、「予算がない」「人手がない」「何をすればい

          新しい戦前

          8月は終戦の月、原爆の日や終戦記念日などが続く中、「新しい戦前」という言葉があちこちから聞こえてくる。 元はと言えば、一昨年の12月28日にタレントのタモリが「徹子の部屋」の番組内で、「来年はどんな年になりますかね?」と尋ねられたのに対し、「誰も予測できないですよね。これはね。でもなんて言うかな。新しい戦前になるんじゃないですかね」と答えたことに端を発するようだ。 改憲や軍事費拡大など、戦争に向かうかのような世相を「戦前」と言うタモリのセンスに感動するが、ちょっと気になること

          成功と満足

          僕はいつも、「倒産経験が僕の原点です」と話しているが、それは「倒産経験」が人生の転機になったことを意味している。 倒産の3年前、僕は父の作った建設会社の2代目代表取締役に指名され、周囲の人たちから祝福された。 社長になるのは名誉なことだし、祝福されるのは嬉しいことのはずだが、僕の本心はその逆だった。 そのいきさつについては省略するが、自分が望んでいないからと言って、周囲の賞賛や祝福を否定できないもどかしさは、今でも忘れられない。 父の気まぐれで私立の名門中学に進学した時も、父

          自己流道場

          今日は自分で決めた締切日。 先週「今度の日曜から、ふきの庭でまつむら塾を始めます」と宣言したのだが、ついにその日曜日を迎えてしまった。 このように、あらかじめ宣言してから実行することを「有言実行」と言うように思われるだろうが、通常は指示や要請に対して「やる」と言ったからには、責任をもってやり遂げるという意味の言葉のはず。 つまり、僕は自ら宣言することで、言葉に責任を持ち、約束を果たす義務を課して、自分を追い込んだという訳だ。 さらに、あえて辞書を引いてみると・・・《「不言実行

          小さな勝ち

          土用丑の日が近づくと、鰻の話が盛り上がる。 去年に続いて今年も猛暑が続く中、「鰻=スタミナ」という思い込みが食欲をそそる。 先日、「今年のうなぎ事情」というタイトルに釣られてテレビを見ていたら、面白い話が聞けたので紹介したい。 それは「鰻の成瀬(なるせ)」というチェーン店の話。 一尾が丸々入った松の値段は2600円で、半尾の梅は1600円。 一般的なウナギ専門店の半額ほどで本格的なウナギが食べられる。 こうした価格と品質を武器に「鰻の成瀬」は2022年9月に1号店をオープンし

          What is 言葉

          全20回のまつむら塾は「疑問とは何か」からスタートする。 それは「疑問」を知らない人に教えるためではなく、「疑問」という言葉から感じられる様々な意味のうち、僕が感じて欲しいと思う意味をあらかじめ宣言するためだ。 「疑問」は「答え」を求める心や、「答え」を疑う状態を指す言葉なので、「答え探し」に欠かせない。 そこで、自身の「答え探し」のために「疑問の使い方」を学ぶことが、まつむら塾の内容だ。 「疑問」には、自分の疑問(what、why、how)と世界の疑問(who、where、

          「非」から「脱」へ

          先回のブログ「借り≒仮り」の冒頭に、「皆さんご承知の通り、僕は土地所有の法人化に取り組んでいる。僕がこの問題に取り組む理由や目的は、これまで語ってきたとおり明確だが・・・」と書いたものの、ある人から「全然明確じゃない」とお叱りを受け、僕は激しく動揺した。 実は、「土地所有の法人化」は、非営利徹底型の一般社団法人を想定しているのだが、それは「非営利、非持分、非親族」という3つの「非」で構成される。 そもそもこの議論は、2006年に制定された「一般社団法人及び一般財団法人に関する

          借り≒仮り

          皆さんご承知の通り、僕は土地所有の法人化に取り組んでいる。 僕がこの問題に取り組む理由や目的は、これまで語ってきたとおり明確だが、これに賛同して下さる土地所有者の個別の理由や目的は様々なので、その実現を目指す具体的な事業内容は、ケースバイケースで様々だ。 そこで今日は、個別の理由や目的についてでなく、すべてに共通する具体的なやり方(事業手法)についてご説明したい。 土地所有の法人化とは、土地を個人から法人に譲渡することで実現するのだが、ここで大切なことはその法人に所有者本人が

          不死身の目的

          人は死ぬもの、有限の存在だが、社会の営みに終わりは必要ない。 そこで僕は、「社団=社会的な集団」を形成することによって不死身の存在となることで、営みの永続化を実現したい。 ところが、そんな思いはなかなか届かないし、理解は一向に広まらない。 それはなぜかと考えた時、「不死身」の解釈に起因すると思い至った。 「不死身」という言葉は「不老不死」を意味する言葉であり、「法人化」のことを「不死身化」と唱える僕の方に無理がある。 この行き違いは、「不死身」を目的と手段のどちらと捉えるかの

          面白いといいね

          先日ある人から「松村さんのやりたいことは何ですか」と尋ねられ、僕は迷わず「世界が面白いことを若者たちに伝えたい」と答えた。 僕にとって「面白い」は最重要キーワードで、このブログでも既に110回以上タグ付けされている。 僕に「面白い」の重要性を教えてくれたのは、世田谷ものづくり学校で知り合った飲食プロデューサーのTNさん。 当時、様々な飲食の新業態を開発していた彼がクライアントに対するプレゼンで採用されるときの決め台詞が「面白い」だったのに対し、「いいね」と言われた時はほとんど

          何かを人と思う力

          「考えること=疑問を持つこと」を通して学ぶまつむら塾では、6つの疑問代名詞(5W1H)を使いこなす技を追及しているが、その中で最も説明しにくい言葉が「who(だれ)」だ。 「時間・空間・人間」に対応する「when・where・who」は、世界を表す3つの疑問詞と定義したものの、間という字は関係性を意味していて、「人間=human」を意味しているとは言い切れない。 辞書によれば、日本語の「だれ(誰)」は、人称代名詞不定称としての「どの人」であり、モノに対する「どれ」と呼応する言

          少子化を他人事に

          先日来、こんなニュースが話題となっている。 「我が国において、去年の合計特殊出生率 1.20で過去最低に、東京は「1」を下回る。」 合計特殊出生率とは「15 歳から 49 歳までの女性の年齢別出生率の合計」のこと。 その適正値は「2.07」とされ、「1-0.07=93%」が人類の生存率と言われている。 少子化問題を象徴するこの指標は、冒頭のグラフを見ても明らかに減り続けていて、このニュースをきっかけに、少子化に関する社会の無策が様々に論じられている。 だが、考えてみるとこうし