松本修/言葉の旅人&探偵ナイトスクープの父

1949年、滋賀県生まれ。1972年、京都大学法学部卒業、朝日放送入社。「ラブアタック!」「霊感ヤマカン第六感」など人気番組を企画制作。「探偵ナイトスクープ 全国アホ・バカ分布図の完成編」で日本民間放送連盟賞最優秀賞。『全国アホ・バカ分布考』『全国マン・チン分布考』など著書多数。

松本修/言葉の旅人&探偵ナイトスクープの父

1949年、滋賀県生まれ。1972年、京都大学法学部卒業、朝日放送入社。「ラブアタック!」「霊感ヤマカン第六感」など人気番組を企画制作。「探偵ナイトスクープ 全国アホ・バカ分布図の完成編」で日本民間放送連盟賞最優秀賞。『全国アホ・バカ分布考』『全国マン・チン分布考』など著書多数。

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プロローグ(言葉の旅の手引き)

こんにちは、松本修です。どうぞよろしくお願いいたします。このnoteは毎週更新のつもりでスタートします。 内容は、 ①全国方言分布図を分析して、日本語の歴史をたどること。 これがメインのテーマです。「方言分布図から日本語の歴史をたどる」 というタイトルで連載します、   それとは交互に、 ②「オサムの視点~あほあほエッセイ~」という私のエッセイを連載します。言葉やテレビの仕事、郷里・滋賀県の海津に関することが多くなるでしょう。   またときおり、 ③「悲惨か歓喜か?オサム氏

    • 【エッセイ】恋の相対性理論

      私が24歳のとき、一方的に結婚したいと願った女性がいました。今からもう半世紀も前のことです。彼女は遠い地方の出身で、京都の女子大学に在学していたお姉さんと一緒に、京都市上京区に一軒家を借りて住んでいました。お金持ちだったからこそ、小ぶりながら、家を借りることもできたのでしょう。妹である彼女は、はるばる阪神間にある女子大学に通っていました。19歳でした。   彼女とどこで出会ったか。そこには私の親しい友人が関わっています。 その友人は同い年ですが、いくつかの事情で卒業が延び、

      • 【エッセイ】ボケとツッコミの師匠バッテンさん

        私は1972年4月に朝日放送に入社し、3週間余りの社内研修を経て、テレビ制作部に配属されました。 テレビ制作部内でもまた数週の研修を経て、お笑い専門のディレクター長崎直定氏の下でADとしてディレクター修業を受けることになりました。長崎さんは主に、なんば花月、中座などに出向いてテレビ収録を行っていました。長崎さんは、長崎という姓にちなんで、長崎の方言「バッテン」を生かして、周りからは「バッテンさん」という愛称で呼ばれていた、30代半ばの人でした。 あるときなんば花月の幹事室

        • 紫式部は風邪を「ひいて」いた

          周圏分布か?「風邪」の分布 ここに紹介するのは「風邪(かぜ)」の方言分布図です。 方言調査をするまでは、私は「風邪」のことは、少なくとも本土では、一律に「カゼ」と呼ぶものかと思っていました。 ところが、「ガイキ」「ガイケ」「ギャーケー」などといった、「G音ではじまる同系らしい言葉」が、京を東西から取り囲むように、中部地方や、中国四国、そして九州に分布していたのです。これも「周圏分布」ではないかと思われました。 周圏分布だとしたら、この分布図はこう解釈できます。 風邪を意

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        • オサムの視点~あほあほエッセイ~
          3本
        • 方言分布図から日本語の歴史をたどる
          3本
        • 悲惨か歓喜か?オサム氏と私
          0本

        記事

          【エッセイ】18歳で吉永小百合さんと

          18歳の私は、1968年の3月末、京都の南座の舞台で歌謡ショーを上演中の吉永小百合さんと、客席の最前列に立って握手をしてもらうという光栄に浴しました。私は4月に京都の大学に進学します。そのしばらく前に、西江州の田舎・高島郡マキノ町海津から上洛していたのです。 吉永小百合さんは23歳になったばかりでしたが、世にゆるぎないスターでした。紅白歌合戦にすでに5度も出るなど、歌手としての人気も高かったのです。 歌謡ショーの後半、観客席のファンから花束を受け取るというコーナーがありま

          【エッセイ】18歳で吉永小百合さんと

          明石家さんまさんは「ああ、エラッ!」

          「ああ、疲れた」と言うときの「疲れた」を、日本のそれぞれの地で何と言うのでしょうか。 全国分布図を見ると、いくつもの表現が京を中心に「周圏分布」していることが分かります。周圏分布とは、昔、首都の京都で流行りすたりした言葉が、波紋のように広まって、古い言葉ほど京から遠い地域に分布している状態を言います。 分布図を判読すると、本土では、「コワイ」を最外周にして、どうやら「キツイ」「クタビレタ」「カッタルイ」「エライ」「シンドイ」の順に、京の都で話しことばの盛衰があったことが分

          明石家さんまさんは「ああ、エラッ!」