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待合室の音環境のはなし

私には感覚過敏があるのですが、特に聴覚の過敏さで日々の疲労度が高いです。
ニューロマイノリティの人々の中には聴覚の過敏さにより冷蔵庫やエアコンの稼働音が気になるという方もいらっしゃいますし、視覚の過敏さにより蛍光灯のちらつきが気になるという方もいらっしゃいます。
私の場合は、冷蔵庫の稼働音までは気にならないのですが、エアコンの稼働音はかなり気になります。

先日、あるクリニックを受診したときのことです。
待合室で診察を待っていたところ、左手前方にテレビモニターがあり、そこからはテレビ番組の音声が流れていました。
一方、診察室の扉を挟んで右手前方にはスピーカーが設置されており、そこからはクラシック音楽が流れていました。
両方の音が等しく混じり合い、私にとってはどちらも楽しんで聞けるような状態ではなく、かなりストレスが高い状況でした。
そこで緊急避難として、待合室の外で待たせていただくことにしました。

ほかの診察待ちの皆さんはおとなしく待合室で待っておられたのですが、多くの方はこうした状況がストレスにはならないのでしょうか?

ニューロマジョリティの方々にはカクテルパーティ効果という必要な音だけを聞くことができる機能が備わっているらしいのですが、私にはそのカクテルパーティー効果がありません。したがって複数の音が混在する状況は非常にストレスになります。

受診後、クリニックの方になぜテレビとクラシック音楽の2つを同時に流しているのか聞いてみたところ、ドクターの声が診察室から漏れて待合室に聞こえてしまうので、その対処として流しているとのご回答でした。
なるほど、何にでも理由はあるものですね。

写真は、井出正和著「科学から理解する自閉スペクトラム症の感覚世界」(金子書房 2022年8月刊)。
ニューロマイノリティの感覚世界を理解する一助に。

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