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『チ。-地球の運動について-』をアニメで観る


前から気になっていた漫画だったので、
秋アニメが待ち遠しかった
三話まで鑑賞した

原作は魚豊氏
今までに読んだことのない方だ

『チ。』は一応フィクションであるが、
その昔、
天動説が信じられている時代に
地動説を唱え研究結果を出した人々の
迫害は恐ろしいものだったのは
知っていた

神学において神は絶対的なものである
その神を重んじる地球上の人々にとり
地球が中心でなければならない考えが
神学そのものであった為、
それ以外の考えは異端であった

キリスト教が絶対であるが故
他の説は認める訳にはいかない、
その点では、
『ダヴィンチ・コード』をご存知の方は
理解しやすいのではないだろうか


そもそもよく考えてみれば、
全ては神が作りしものとすれば、
地球だってそうなのだから、
地動しても何らおかしくないのに
地球上の神を信じるものたちの地位を
確立させんが為だけに
天動していると無理強いしたのは
人間のエゴでしかない

あのキリストが神聖に思われた過ぎた為
その教えが
キリスト教が迫害を行ったのだ
キリスト教のヒエラルキートップが
世の中で守られる為に

醜いものだ
(そんなものを神は望むか?)

しかし当時の絶対権力にみな屈した
屈しない人々はみな処刑された
焚書され、何も無かった事にされた


この『チ。』でも、
主人公として登場したラファウ少年は、
三話にしてその生涯を閉じた
地動する宇宙の美しさに感動し、
裁判でも地動説を信じていると
意思表示をした為だ

感動は何物にも変え難い、
そう世の中に知らしめて自死し、
更に火炙りにされたのだった

ただ、刑に処される前に、
ラファウが異端審問官のノヴァクに、
「あなた方が相手にしてるのは
  僕じゃない、異端者でもない
  ある種の想像力であり、
  好奇心であり、畢竟、それは知性だ」
と言ってのけるが、
これは未来に向けての光の言葉だ
まだ幼い天才ラファウは素晴らしかった
惜し過ぎるやろ、と思った


『チ。』は地球の「地」であるが、
「知」、「智」等素晴らしい意味を
どんどん広げていく

ラファウは亡くなったが、その十年後、
前に異端者として処刑されたフベルトが
ラファウに託した球体のネックレスは、
何処を辿ったのか別の誰かの手にあった

そのネックレスを使い、
何らかの隠し場所と思い探し当てる事で
フベルトからラファウに受け継がれた
地動説の研究資料は、
ラファウが書き残した「Ziemia(地)」
と書かれた手紙と共に更に引き継がれ、
新たなる者達の手を、その頭、心を得て
進んでいくのだろう


これは物語の始まりに過ぎず、
長い長い闘いが描かれるのだろう、
そう思うのだが、
流れが神に正しく導かれていく、
それを見ていきたいと思う

今でこそ分流され過ぎているが、
源流は一つであると、私自身は思う


力強い作品である事を望んでいる

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