前世の記憶
「あなたの前世は、アメリカ人のおじちゃんだと思う~。」
職場の飲み会の二次会で連れて行かれたスナックで、そんなことを言われた。
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「あたしね、守護霊とか前世とか見えるのよね~。」
ママの友達だという彼は、
「あなた、分かりやすいわ!」
と、私の後方を見つめながらキュートな感じで笑った。
(いや、いきなり守護霊とか前世とか言われても…)と、私は苦笑いしながら彼を見ると、さっきのキュートな笑顔から一転して真面目な表情で私を見つめている。
「たぶんね、あなたの前世は、アメリカ人のおじちゃんだと思う~。」
私:(えっ…全然ピンと来ないーーー!ってか、おじちゃんなんだ…ぁ…。)
「牧場をやってたみたいね。山が綺麗に見える…。
顔がそっくりな2人の息子を立派に育てて…偉いわ~!」
「やだ!しかも、奥さんめっちゃ美人!!!おめでとうー!」
私:あ…ありがとうございます…
彼は親指をグッと立てて、またキュートな感じで笑った。
あれから何年も経つのだけれど、あのスナックでのおもしろエピソードは忘れられなくて、たまに思い出しては笑ってる。
だって、「あなたの前世は~」と教えてもらったことなんて、あの時以外ないんだもの…!
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ある日、彼女とまだ友達とも言えないくらいの「知り合い」だった時に、高原のカフェテラスでお茶をした。
私たちはすごく話が合って、コーヒーをおかわりしてもまだ話すのをやめられなくて、ついには彼女が
「私たち、結婚しちゃおうか!」
なんて、言ったのだった。
私はその瞬間、(なるほどなぁ…)となぜかすごく納得した。
その時は、自分でも何だかよく分からなかった。
でも次の瞬間には、
「YES!」
って言ってた。
その後、私たちはお腹が痛くなるくらいに笑って、泣きながら笑った。
私よりちょっと年上の彼女は本当に綺麗な人で、彼女が笑うと、テラスの庭花々も満開になるんじゃないかって、私は本気で思った。
なるほどなぁ…と妙に納得したのは、あの前世の話がつながった気がしたからだ。
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「やだ!しかも、奥さんめっちゃ美人!!!おめでとうー!」
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私がアメリカ人のおじちゃんだった頃、美人な奥さんと結婚していた時、もしかしたらこんな感じだったんじゃないのかなぁ~って。
だって、美人な彼女の背景には、緑の牧場があって、さらにその上には雄大な山々が綺麗に見えていたのだから…!
あの日以来、彼女は私の隣にいてくれている。
こういうのをデジャヴっていうのかもしれないな。
人生は本当に…!不思議なことばかり。
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