DVD時代の幕開け
サンタナ『スーパーナチュラル·ライブ』
スティーリー・ダン『トゥ·アゲンスト·ネイチャー·シークレットライブ in NY』
20世紀末、映像制作部存続の模索中、当たると利幅が大きいが、回収までに時間が掛かる映画のレンタル市場をメインでなく、DVDの普及が見え始めたセル市場を考えていたら、Nくんが会社のOBのSさんからの北米の映像レーベルとの包括契約の話しを持ってきてくれた。洋楽のラインナップが魅力だった。サンタナと、スティリーダンの当時の新譜のライブ映像を含めイーグルス、クランベリーズ、キッス、シェリル·クロウ......。当時、ライブ映像は、必ずしも音楽レーベルとの契約に含まれていないことは、正直意外だった。トータルのMG (前払い印税)は、かなりの金額になるが、作品ごとのMGは映画よりも安く、包括契約をすれば、何よりも安定的に編成が組める。映画のヒットに一喜一憂せずによくなる。
社内の会議は、難航した。社内からの色々な横やりも入ったし、何度も損益計算をやり直し、秋葉原や外資系CDショップにヒアリングに出向いた。でも、最終的に、オーサリングからプレス迄、社内でDVDの製造体制を進めていたことが後押しになったのではないだろうか。自分を含め3人しかいない部門になっていたので、契約にこぎつけるまでで目一杯で、今考えれば、広報活動などやることあったと思うが、ぎりぎりのところで、部門が生き残れたことが嬉しかった。
全国の営業所の会議も、外資系CDショップへのプレゼンもすごく反応はよかった。CDをリリースしているレーベルからの、契約書を見せろと言いがかりのクレームのような問合せも当初あったが、第3者に契約書を見せる訳にはいかないので、本国に確認しろと返すと来なくなった。当時は、トールケースでなく。CDと同じサイズのジュエルケースで発売していた。
実は、その頃、まだ家にはDVDプレイヤーはなく、PS2で観ていたと告白する。
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