松濤:斜めからみる街
関西大学社会学部メディア専攻・松下ゼミでは「歩きたくなる渋谷」をテーマに渋谷のいろいろなエリアをフィールドワークしました。渋谷というとスクランブル交差点、ハチ公などがすぐに思い浮かびますがそれ以外にもさまざまな個性を持ったエリアがあります。普段渋谷に馴染みのない学生が街を探訪して見つけた素敵なスポット、お店を紹介しつつみなさんが歩きたくなるストーリーをつくりました。
今回は松濤編です。
2023年12月15日。渋谷駅から徒歩5分。
渋谷のスクランブル交差点の喧騒を抜けてしばらく歩くと松濤文化村ストリートにたどり着きます。落ち着いた雰囲気のこの町には美術館、ギャラリー、レストランなどたくさんの魅力がありました。
初めに訪れたのはカントリーシックが魅力的な一軒家カフェ「Galettoria」
平日にもかかわらず、お昼時には1、2階ともに満席で30分ほど並びました。
甘いデザートクレープも食事系のガレットも7種類ほどあり、ドリンクメニューも豊富でした。今回は季節のクレープ(りんごとバニラアイスのクレープ)とりんごとアールグレイの紅茶を頼みました。
坂道に並ぶたくさんのお店を楽しんだのちに1本通りを入ると「松濤美術館」があります。時期により展示されているものが変わり、現在開催されているのは『「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容』、このような専門家による展示もあれば、次に開催が予定されているのは作品公募の展示であったり、訪れるときによって違うものを楽しむことができます。
そこからさらに小道を進むと様々な松濤の魅力が見えてきました。駅前の便利な立地でなく、少し離れていてもわざわざ訪れる価値のあるレストランを作ろうと開かれ、40年余りの「CHEZ MATSUO」。ガーデンテラスのあるこのフレンチレストランは閑静で高級な雰囲気が漂っています。
違う地域から訪れる人々だけでなく、松濤の住人を癒すのは大きな池がある「鍋島松濤公園」です。実際に訪れた時にもスケッチを行う外国人の方や地元の高校生など多くの人が各々の癒しの時間を過ごしていました。
そして先ほどの松濤美術館と一味違う芸術が味わえる「戸栗美術館」は東洋陶磁器を主に保存・展示しています。
閑静な住宅街のなかに佇むレストラン、美術館を通り抜けるとまた一気に渋谷らしさを思い出させるお洒落なシーシャバー「A.Y.L.I」からはアナログレコードが聞こえていました。静かな住宅街と似て非なるものを表すようにムーディーな雰囲気が漂っています。
そこから歩くとまた松濤の街並みを思い出させるギャラリー、「TRUNK」が見えてきます。黄色い銀杏並木の横にあるファッショナブルな建物は「マルチファンクションスペース」としてパーティーやイベント、スタジオ、ウエディングパーティー、エキシビション、ファッションショー、プレス発表会、音楽ライブなど様々な目的で利用されているそうです。
松濤をたくさん歩いて2時間ほど。渋谷とは一味違った楽しみ方ができる町でした。そして建物や道が不思議な角度をしていたのに気づきましたか?
みなさんも「斜めからみる街、松濤」に訪れてみては?
大久保唯、今井美桜