「イーシス」という最高なアーティスト
大学時代からの、通算7年の熊本生活を終え、昨年福岡に帰ってきた。仕事も私生活もガラッと変わったが、明らかに”楽しみ”がひとつ増えた。
それは、「イーシス」のライブに行くことだ。
イーシスとは
「イーシス」はD-High-LoW（ヒロ）のソロプロジェクト名称。福岡の方、ホークスファンの方なら知っている人も多いはず。「いざゆけ若鷹軍団（WE=KYUSHUバージョン）」や上林選手の登場曲「HERO」を歌っていたり、最近では福岡で放送中の三井プロテクトのCM曲にオリジナル曲が使われていたり。聴いてみると「あ、知ってる」となるのではないだろうか。
詳しくはこちらを。→イーシスHP
出会い
私がヒロさんのことを知ったのは、中学3年生の時。2010年、になるのか…（驚愕）きっかけは、受験勉強中に聴いていたラジオ。「Challenge ラヂヲ」というCROSS FMの番組。音楽紹介などもあって、知らない曲を聴き流しながら勉強するのが日課だった。そんなある日、ゲストとして登場したのが、ヒロさん。内容はあまり覚えていないが、面白くて勉強に全然集中できなかったことだけは確かだ笑
普段は邦ロックばかり聴いていて、とにかくアツい歌詞とか世界を揶揄するような曲にハマっていた。そんな曲を聴いている自分に酔っていたから、他のジャンルは「聴かず嫌い」だったのだが、その時ラジオでかかったイーシス（当時はisis）の曲には、なぜかぐっと聴き入ってしまった。優しい曲に、受験勉強で疲れていた心や身体がほぐされたのかもしれない。
叫べばいい 怒ればいい 話せばいい 泣いてもいい
選ぶ道はひとつじゃない またここで笑えばいい
特に大きな理由もなく、地元で有名な進学校に行くことが”正”とされ、両親や先生たちから期待されて、ただただ無心に勉強する日々。それが当たり前だと思っていたけれど、そうではないと気づかせてくれた一曲。
ラジオを聴いたすぐあと、私は両親に「私の選択を応援してほしい」と、気持ちを打ち明けることができた。
初対面
その後無事、行きたい高校に進学することができた。
「絶対に直接お礼を言いたい」そう思っていた私は、ある日の土曜課外を終え、制服のまま博多へ向かった。キャナルシティでのフリーライブに行くためだ。
到着すると、すでに多くのファンや足を止めたお客さんで溢れていた。人と人の間からどうにか彼ら（当時は他にもメンバーがいた）を観た。生歌は、より楽しくて、切なくて、温かかった。老若男女どの世代にも響く曲というのは、そうそうないと思う。
ライブのあとは物販があり、直接話すことができる。伝えたいことを考えてきていたはずなのに、緊張して全部ぶっ飛んで、当たり障りのないことしか言えなかった。憧れの人（しかも恩人）がいざ目の前に現れると、人って動揺するんだとその時知った。
だけど、なけなしのお小遣いをはたいて、CDをたくさん買った。「のんちゃんへ」と書かれたそのCDたちは、今でも宝物だ。
その後、高校時代は足繫くライブに通った。大人のファンの方が多かったので、話しかける勇気もなく、いつもコソコソとしていたけれど笑
ヒロさんという存在
歌手であり、作詞家であり、作曲家であり、デザイナーであり、ライバーであり…あとは何だろう。ただ単純に”肩書き”だけではない、たくさんの顔を持っているのが、ヒロさんだ。
歌手としてでもそうだし、頭の回転が速いことが分かる軽快なトークでも、ファンを笑顔に、幸せにしてくれる。「芸人」だといじられるのは最早お決まりだが、それだけ心を掴む話ができるのは本当に天才だと思う。
それから、ファンひとりひとりを大切にしているところも、大きな魅力。会える距離感だからこそ、その時間はその人に向き合うし、顔も名前も覚えてくれる。長くファンをしていると忘れそうになるけど、それって全然当たり前じゃない。冷静に、私だったら無理だ。
次会った時に名前を呼んでくれて、話したことを覚えていてくれて、笑顔を向けてくれるヒロさんが、本当に大好きだ。
いちファンとして、ヒロさんの活動に米粒くらいでも活力を与えられていたらいいなと思う。
イーシスの曲
高校を卒業して福岡を出たのをきっかけに、ぱったりライブに行かなくなってしまった。7年の間に、片手で数えられるほどしか行っていないと思う。それは別に飽きたとかではなく、物理的距離と、お金と、家を出たことで色んな新しい楽しみを見つけたからだったと思う。
だけどその間にも、イーシスの曲には何度も何度も助けられた。
特に、2016年の熊本地震の時。
初めて「死ぬかも」と思った出来事。自分の体験、人から聞く体験、報道、SNS…色んな原因で、心も身体も疲弊しきっていた時、周りを遮断したくて音楽を聴いていた。
その時流れてきたこの曲に、涙が止まらなかった。
大好きな熊本のために、何かしなきゃ。そう思ってボランティアに行けたのは、イーシスのおかげだ。
難しい言葉なんかじゃなく、必要な時に必要な言葉をくれる、それがイーシスの曲だと思う。
私の一番のおすすめ曲はこちら。是非。
今の私とイーシス
私の人生に深く関わっているイーシス。初めて会ってから10年経った今も、変わらず心に寄り添ってくれているってすごいことだ。
高校生の頃より、もっと刺さるようになった曲がたくさんあって、だからこそ今ライブに行くのが本当に楽しい。いつだって心を揺さぶってくれる。
ヒロさんとも（昔よりは）ちゃんと話せるようになったし、大人の魅力にいつもドキドキしている。年末のライブは、お酒を飲みながら鑑賞した。
20代の私も、しっかりイーシスの虜だ。30代の私は、どんな風にイーシスの音楽と向き合い、楽しむんだろう。
止まらないワクワクを、いつもありがとう！
いつも、ありがとうございます。