
文章はつかみで9割決まる
「あぁ…かなりの時間かけて書いたのに全然読んでもらえない…」
そういう経験はnoterさんたちならほとんどの人がしていると思う。
今回紹介する本は、いかに文章の「つかみ」が大事か、そして上手い「つかみ」のパターンを紹介してくれる。
この本さえあれば、書き出しに詰まったときに、パターンに当てはめてみることでより読んでもらえる文章に仕上げられる。
この中で、いくつか使いやすそうなつかみを紹介したい。
①クライマックスを最初に持ってくる
最も伝えたいポイント、印象的なシーン、感情・気持ちを一番最初に持ってくる。
☆最も伝えたいポイントの例
△世田谷の完成な住宅街にある隠れ家レストラン。銀座のレストランで2年間修業したシェフが、創作イタリアンをふるまう。
↓
◎ホタテ、ワタリガニ、エビ、イカなど北海道海産物を、かつおやこんぶなど和風だしを加えた特製トマトソースで煮込む…。
☆印象的なシーンの例
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった
☆感情・気持ちの例
ああ、なにをやってもうまくいかない。と思うときがある。誰にでもある。
➁セリフからはじめる
印象的なセリフを冒頭に持ってくるのも定番テクニックだそう。
「豚がめちゃうちゃかわいいんですよね」元プロ野球選手の菊池和正は、目元に皺をよせ嬉しそうに言った。野球と養豚の不思議な関係ー。
③「問い」からはじめる
問われると、答えが知りたくなり読み進めてしまうというテクニック。
なぜ、これまで、日本人アーティストは片手で数えるほどしか世界で通用しなかったのでしょうか。
単純です。
「欧米の芸術の世界のルールをふまえていなかったから」なのです。
④常識や先入観を否定する
「え、ほんとにそうなの?」と読み手の興味を引きます。
いきなり驚かせて申し訳ありませんが、「飛行機が飛ぶ仕組み」なんてものは案外、よくわかっていないものなのです。
⑤抽象的な言葉で匂わす
おいしいネタをあえて抽象的に匂わすことで気になる書き出しを作る。
お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さん(45)は、芸能活動のかたわら、ごみ清掃員として東京都内をまわっています。「本職」と語る、ごみ清掃の仕事を始めて10年目。しだいに「見えないものが見えるようになってきた」といいます。
⑧繰り返す
文章や単語の繰り返しでインパクトをつくる。
何も言わずに、まずはこのCMを見て欲しい。本当に、何も言わずに見て欲しい。とにかく見て欲しい。とにかく最高なので10回くらい見て欲しい。
⑨オノマトペを使う
情景、シーンの描き方の手法として取り入れやすい手法。
じゃーーん、ちゃっ、ちゃっ、「ふわあああっ」、じゃーーーん、ちゃっ、ちゃっ、「あたあーーーっ」、と扉を開けた途端に騒音が耳に飛び込んできた。
⑩イベント仕立てにする
日常の失敗やトラブルを「〇〇グランプ」などとすると面白くなる。
数年前から我が家で繰り広げられている「次に何が壊れるか選手権」が、いいよ混沌としてきた。これは文字通り「家の中で次に壊れそうな物」を予想する大会で、開催地は例によって私の脳内だ。
とりあえず使いやすそうな私的ベスト10を紹介したが、他にもかなりたくさんのつかみの例が紹介されている。
書く目的はシンプルに
また、本書でもうひとつ印象に残ったのは、目的(テーマ/読み手/メッセージ)をシンプルにする大切さだ。
例えば、
テーマ:会社を辞めずに、地方企業でオンライン副業をしている話
読み手:取引先の営業マンDさん
メッセージ:地方企業で副業をすると、本業だけでは得られないメリットがある
というように、テーマとメッセージは簡潔に、そして読み手は実際に存在する人をしっかりおくということだ。
これは基本的なことのようで、意外とできていないかもしれない、と思ってしまった。
とにかく読みやすく、実践に生かしやすいので、頑張って書いた文章をもっと多くの人に読んでほしい皆さんには是非ご一読をオススメしたい。