想定外ゼロは不可能でも ~これからの防災
豊川市議会9月定例会では、防災をテーマに一般質問を行いました。
市は「市民の生命と財産を守る」を使命に、様々な災害の備えをしていますが発災時、それは本当に機能するものなのか?という疑問からです。
ところで今回、せっかくの機会だからとアレもコレも聞いていたら、合計80分の長丁場に。通常、一般質問は長くても1時間程度です。途中で自分でも「長っ!」と照れくさくなり「質問の途中ですが、長くなり過ぎたのでこれで終わります」と言いたくなるほどでした笑。反省点です。
終了後、あるベテラン議員に「いや~クソ長かったですね~僕!」と話したら、「ワシも昔、同じく80分質問したことがあったが、段々周りが白けていく雰囲気を背中にビシビシ感じて居心地悪かったわ!」。「ですよね~」と僕。「やっぱり一般質問は50分位がベストだな。それ以上長くなると、聞いている方も集中力が持たずにしっかりと聞いてくれなくなる」としながらも「ま、これも良い経験だな」と言って下さったので感謝です。
さて、話を本題に戻しますと、自治体は自らの災害への備えの他にも、他の自治体や建設、運輸など様々な企業と協定を締結して、協力体制を構築しています。ですが、過去に被災した自治体では、たとえ協定があっても、災害時の依頼手順がはっきりと定められておらず、支援を受けるのが遅れたり、燃料供給先に非常用電源がなくポンプが稼働せず、庁舎の非常用電源設備の給油ができなったなどの例もあったようです。これでは全く意味がありません。協定を結ぶところから、さらに一歩踏み込んだ備えを呼びかけました。
もう一つは避難所の問題です。災害時、市民は避難所に向かいますが、暑さ寒さ対策、プライバシー確保の問題などには限界があるのが実情です。なので、今後は自宅避難を促進すべく、住宅耐震化や蓄電池の補助内容の充実を訴えました。
そして最後に訴えたのは、防災施策のさらなる発想転換です。災害発生時、消防や救命、避難所など自治体の力には限界があります。ここ数年、自然災害の多発と被害規模の拡大で、それは特に顕著になっています。これまで自治体は、市民の生命と財産を守るという大きな責任の下で、主体的に様々な防災施策を行ってきました。しかし、それはともすれば、市民が「自分の身は自分で守る」という主体性を奪ってきた面もあるのではないか。なので、今後はこれまでの「行政サービス」から、防災について主体的に活動する市民を後押しする「行政サポート」という観点がより一層、必要だと思うのです。防災の主体は自治体から市民へ。必要なのは市民の防災力を引き出す、またはサポートする施策です。例えば、防災の専門家を各地域に派遣して自主防災会の活動を助言、強化するものです。
災害は実際に起こってみないと、どうなるか分かりません。どれだけ備えていても「想定外」は必ず発生すると思います。とはいえ、想定外をゼロにすることは不可能でも、5つを2つ、3つに減らすことは可能だと思うのです。想定外を1つでも減らせるよう、行政には今までよりもさらに一歩踏み込んだ施策、そして市民が主体となった施策を期待したいところです。
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