読了:ミネルヴァ計画
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ミネルヴァ計画、読了
年末の2日で570ページ読んでしまった。
適度なところで止めるつもりが、ついついもう少し、もうちょっとと。
布団に入っても明かりをつけて、寝落ちするまで。
久しぶりに没頭。
面白い小説は止められない。
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ネタバレ。
冒頭、30ページ目で量子力学の観点からマルチバースを肯定。
その発想はなかった、と分かったつもりになろうかと思ったがシュレディンガーの猫の観測から宇宙の分岐を説明するのは古典的なのだとか。
収束する、と言う言葉が生じる現象を説明し、最後の解決策にもなっていた。
ストーリーはこれまでの、星を継ぐもの、ガニメデの優しい巨人、巨人たちの星、内なる宇宙から連なる物語の終着。
前半はマルチバースへのアプローチ、後半は辿り着けるようになった別の宇宙での物語。
主人公、ハントは40代になり、いまだに独身。
前作、前々作の時のガールフレンドは登場せず、今回も結婚にちょっと心惹かれつつ。
結局、ずっと研究に集中して色恋沙汰がストーリーに絡まず。
まあ、辿り着いた先の世界で関わる仕事を考えたら恋愛に時間使う気にならないだろうな。
これまでも仕事を楽しみすぎて女性放置していたのだろう。
この小説、前半冒頭のマルチバースへの取り組みの部分が難易度高い。
後半は悪役も登場し、理系研究者なので冒険活劇とまでは行かないけど、知恵で解決して。
描かれている小説そのものはこの巻で終了。
ただ、世界のその後の姿は色々想像してしまう。
争いの生じない人類はどんな世界を作り上げて行くことだろう。
この小説が2005年に書かれ、著者ジェイムズ・P・ホーガンは2010年に亡くなっている。
この2020年以降の世界を目にしていたら、彼はどんな小説を書いていたのだろう。
最近のSF小説見てなかったな。
今の世界、小説の方にはどのように反映されているんだろう。