タミータイムという時間
母親になって知った言葉のひとつに「タミータイム」というものがある。
tummy : 「お腹」という意味で、赤ちゃんのうつ伏せ練習のことをいうらしい。
調べてみると
・頭蓋変形の予防(ほおっておくと仰向けばかりになり、完全に癒合していない赤ちゃんは頭蓋が変形しやすい。いわゆる『絶壁』。)
・運動発達の促進(重い頭部を持ち上げることで、上半身の筋力がつく。首すわりや、寝返りに必要な力がつく。)
といった効果がある、とのこと。
大人が窒息などに気をつけて見守ってやれば、特にデメリットはなさそうだった。
そこで生後1ヶ月を過ぎた頃、我が家でもタミータイムをはじめてみた。
初日。子の反応は特に嫌がるでも喜ぶでもなく、顔を横に向けたまま。
「えっと、これはなんですか?何をしたらいいんですか?」とでもいうような
困り顔だった。
毎日するうちに、顔を上げようとするようになった。力がないので頭をあげられず、「う〜〜ん」と唸る(うちの子は声が低い。この時も低音ボイスで唸る)。唸り出したなと思うと、顔をカーペットにぐりぐりと擦り付けはじめ、最後は「うんぎー!!!」と高い声で泣き出す。
母の私が始めたタミータイムなんだが、この時の様子は少しかわいそうで、母も同じような声を出してしまいながら見守っていた。
泣き出したら終了とするのがいいそうで(泣いているのにやり続けると、タミータイムが嫌なことだと認識してしまう)、すぐに抱き上げ、「頑張ったね」と抱きしめる。
こんな日が1ヶ月くらい続いた。
「今日もタミータイムしたの?」
仕事から帰宅した夫とは、ほとんど毎日その成果について話していた。
「うんやったよ。でも相変わらずだね。ほら見て。」
その日は動画を撮っていたので夫に見せると、
「え、前よりめっちゃ顔上がってるやん」と夫。
・・・え、ほんと?私毎日見てるんだよ・・・?
疑いながら、前に撮った動画を見返してみる。
本当だった。毎日見ているから気が付かなかったが、顔を上げられる角度が明らかに上がっていた。
そののち、子は3ヶ月に入り首がすわり、その数日後寝返りに成功した。
タミータイムで鍛えた筋力のおかげか、1日のほとんどの時間をうつ伏せで楽しそうに過ごしているし、頭の形は綺麗だ。
タミータイムをしてもしなくても出来たのかもしれない。
だけど、赤ちゃんの未来のために、ひとつお手伝い出来たこと、母は嬉しい。