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独身男性が東京の銭湯を勝手に評価する(その18):板橋区


結構久々な気がする銭湯紹介記事。今回は東京都板橋区の銭湯を紹介します。ついに、最高得点が更新されました。

※新型コロナウイルス感染症の影響で、営業日や営業時間を一時的に変更している銭湯が多くなっています。本稿では最新の情報の発信を心掛けておりますが、実際の営業についての確認は各銭湯にお願いします。

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■ 湯~とぴあ 熊野湯(板橋区)・・・宇宙を感じるタイル絵の浴室【84点】

地下鉄、都営三田線の志村坂上駅から徒歩10分弱。一見銭湯に見えないレンガ造りの個性的な建物が「湯~とぴあ 熊野湯」だ。不ぞろいな文字で構成された案内板の一部は剥がれており、否応なしに年季を感じさせる。

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下足場の奥の玄関は自動ドアになっている

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そして浴室はさらに個性的だ。面積自体はさほど大きくないが、奥壁にはチップタイルで作られた深い青色の宇宙空間が広がり、土星や木星が浮かんでいる。銭湯で眺める宇宙といえば豊島区の「ニュー大塚」が有名だが、こちらも負けず劣らず素晴らしい出来栄えだ。

メインの浴槽はマッサージバス、マイクロバブルバス、電気風呂、超音波風呂があり、いずれも1~2人用に仕切られている。湯温は40℃くらいか。超音波風呂は水枕がキンキンなのが心地よい。

小さ目だがサウナも備わっており、180円というリーズナブルな追加料金で入れる。比較的温度が低めのドライサウナで、6人も入ると一杯だ。私が訪れた時には、なぜかAKBとか尾崎が室内でかかっていた。

最後に水風呂だが、こちらはぬるめで体感で25℃以上はあった。下手したら30℃あるかもしれない。浅い部分が多く、親子連れが遊んでいた(小さいころから先頭に通う習慣があるのは素晴らしいことだけど、勘弁してほしい)

「湯~とぴあ」というレベル1くらいのゆるい地口の屋号が心地よい、普段使い用の銭湯だ。

湯~とぴあ 熊野湯
住所:〒174-0056 東京都板橋区志村1丁目32−20 熊の湯
営業時間:14:00-23:00
定休日:水曜日

■ 紀の国湯(板橋区)・・・駅から最も近い銭湯【94点】

過去80以上の銭湯に入ってきたが、この「紀の国湯」はおそらく最も鉄道駅から近い銭湯になるだろう。なにせ三田線蓮根駅から徒歩1分、信号に捕まらずに走れば30秒というアクセスの良さだ。

駅から出て信号を渡ると、↓の看板が見えている。「健康と美を!」ってなんかいい響きだよね。

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照明がなぜかピンクだ。入口向かって左隣にコインランドリーを併設している。

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下足で靴を預けて、番台に向けうと、お母さんがにこやかに迎えてくれる。サウナは追加料金450円で、サウナ専用ロッカーキーとタオルセット(フェイスタオル、バスタオル各1枚)が付いてくる。

浴室は郊外型の銭湯らしくかなり広く、内湯には超音波、マッサージバス、ジェットバス、電気風呂などと充実している。40℃くらいの湯温でしっかり温まることができる。

さらに出色なのは内湯奥からつながっている露天風呂だ。何しろでかい。6~7人くらいは余裕で入れる。内湯より心もちぬるめの38℃くらいに設定されており、親子連れやお年寄りもゆったり浸かっている。さらに外気浴用のベンチも2脚設置されており、外気浴がはかどることこの上ない。

サウナもやはり広い。最大で10人は入れそうな大きさのドライサウナで、テレビも流れている。サウナを出てすぐのところにある水風呂は20℃弱に設定されており、サウナ→水風呂→外気浴のサイクルを回すのに理想的な動線設定ができている。

都市型の小ぢんまりした銭湯にはない広々とした空間の魅力。時々電車に乗ってでも向かいたい銭湯だ。

紀の国湯
住所:〒174-0043 東京都板橋区坂下2丁目33−4 紀の国湯ビル
営業時間:15:00−23:00
定休日:月曜日


■ 第一金乗湯(板橋区)・・・銭湯に臨みうる最高到達点。ネオ・ノスタルジックな温泉空間【98点】

東武東上線の上板橋ないし東武練馬から徒歩15分程度、住宅街のただなかに見える落ち着いた佇まいの門構えの建物が「第一金乗湯」だ。暖簾の「ゆ」の字がなかったら銭湯だと気づけないかもしれない。

落ち着いた風情の入口。バリアフリーに対応

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2017年に改装してリニューアルしたとのことで、内装・外装とも清潔で、スーパー銭湯にも匹敵する落ち着いた空間づくりが意識されている。

脱衣所には古めかしい大柄の木造ロッカーが置かれているが、これはオーナー親族が三田で経営していた銭湯(万才湯)が廃業した折にもらってきたものだそう。他にも古い体重計や藤編みのかごなどが置かれており、モダンさとノスタルジックさがハイレベルに同居している。ロッカー数をあえて絞って、ゆったりとした空間構成にしているのも好印象。

そしてさらに出色なのは浴室だ。2019年に温泉認定を受け、板橋区で2軒目の温泉銭湯となった(1軒目は同じく上板橋の「ときわ健康温泉」)。無色透明で匂いのない白湯だが、温泉だと知って浸かると、なぜか体が普段より温まるような気がする。

浴槽は大きく3つ。1つ目は最も広いあつ湯だ。ジェットバスが2ブース、マッサージバス、バブルバス、電気風呂があり、温度は41~42℃。マッサージバスの水枕がキンキンに冷えているのも(多くの銭湯でぬるい中で)とても良い。

その隣には38~39℃のぬる湯がある。あつ湯よりも狭いとはいえ3人が並んでゆったり入れるくらいには余裕がある。最後に、入口に近いところにある水風呂だ。水温計が正しければ24℃に設定されているが、実際にはもっと低いかもしれない。

奥壁には銭湯絵師・中島茂夫氏のペンキ絵で海と富士山が描かれており、男湯・女湯をぶちぬいたスケールの大きな風景を楽しむことができる。タイルをはじめ白色を基調とした空間構成も、気取りすぎずシックでよい雰囲気だ。

およそ480円の公衆浴場に求めうる最大限のクオリティを備えた銭湯。サウナがないこと、どの駅からも遠くて道に迷いやすいことをそれぞれ1点ずつ引いて98点とさせていただくが、当分これを超える銭湯は出てこないのではないだろうか。

第一金乗湯
住所:〒174-0065 東京都板橋区若木1丁目19−6 第一金乗湯
営業時間:16:00−24:00 日曜は15:00から営業
定休日:不定休

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