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独身男性が東京の銭湯を勝手に評価する(その15)

今回は東京豊島区、板橋区、北区の銭湯を紹介します。

※新型コロナウイルス感染症の影響で、営業日や営業時間を一時的に変更している銭湯が多くなっています。
本稿では最新の情報の発信を心掛けておりますが、実際の営業についての確認は各銭湯にお願いします。

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■ 宮下湯(豊島区)・・・地下水汲み上げの水風呂が出色【78点】

巣鴨駅から山手線の線路沿いに歩いていくと、線路をまたぐ宮下橋に差し掛かる。「宮」下という地名は、このあたりにかつて氷川明神(現在は小石川植物園西隣)があったことに由来するそうだ。

宮下橋

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宮下橋からほど近く、由緒ある地名を冠した宮下湯は地元に根差した良銭湯である。徳川家の屋敷跡に建っているというマンションの地下1階のビル型銭湯。階段の踊り場の設えなどはかなりモダンな雰囲気だが、入口の気の抜けるような手書きの張り紙とのギャップが面白い。

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タオルは無料貸し出し(しかも2枚くれるのは地味に有り難い!)、リンスインシャンプー・ボディソープは備え付けがあるので手ぶらでも入浴できる。

余談だが、貸してもらえるタオルがどうみても近隣の会社などのノベルティのタオルなのがまた気が抜けていて面白い。

浴室構成は、入口から向かって右側に縦長の浴槽が設置されている構成。手前から湧きだし口のある白湯、バイブラ、マッサージバス、座風呂、一番奥に水風呂。また、左奥にサウナ(別料金)がある。筆者は入っていないので詳細不明だが、比較的広いと思われ、何人か入っていた。

さて、この銭湯は「ヒートポンプ浴泉」という仕組みを採っている。ド文系の私にはちょっとよくわからないのだが、空気の力でお湯を温め、温泉のように芯から温まるお湯を提供できるのだそうだ。

確かに浴槽を出て水風呂を経ても、ずっと体が温まっている感じがあった。お湯と水風呂の交互浴を繰り返していると、手足の皮膚がほんのりまだら模様になる、サウナー用語で言うところの「あまみ」がクッキリと出ており、ヒートポンプの効用かと驚いた。

…まあ、浴槽の中央部に堂々と掲げられた説明文をガッツリ読んでから入ったためのプラシーボかもしれない。というか、そもそも温度が比較的高い(体感41℃)ので、ヒートポンプでなくても十分温まる。

さて、そんなお湯も大変よろしいのだが、個人的なハイライトは水風呂だ。くみ上げた地下水を用いた水風呂は15℃で、水流もあるため体感温度はさらに低い。しっかり体を温めておかないと風邪をひきそうな温度だが、キリっとクールダウンして意識がハッキリする「ととのい」かけの感覚が味わえる。

やはり水風呂は常連客にも人気のようで、どう頑張っても2名までしか入れないキャパシティの浴槽に入れ代わり立ち代わり人が入っていた。お風呂との交互浴でさえ「ととのい」やすいのだから、サウナと水風呂を組み合わせると物凄いことになるだろう。次回の訪問が今から楽しみだ。

強いて欠点を挙げるとすると、備え付けのシャンプーで髪がキシキシになることや、脱衣所の床や蛇口に抜け毛が目立つことだろうか。とはいえ優れた湯質を備え、お湯もスタッフの人柄も柔らかい良銭湯。宮下橋のあたりは桜並木が続き、季節には花見も楽しめそうだ。

隣にコインランドリーも

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宮下湯
住所:〒170-0002 東京都豊島区巣鴨1丁目30−2
営業時間:15:00−24:00
定休日:木曜日

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■ ゆーらんど(板橋区)・・・湯舟とサウナが充実した老舗【88点】

地下鉄都営三田線の新板橋駅から徒歩10分程度、中山道と旧中山道の交差する箇所に位置するのが「ゆーらんど」だ。中山道側から向かうときは、交番を目印に左折するとわかりやすい。

浦安のネズミの某テーマパークや、多摩市のキャラクター多数の某テーマパークよろしく、ランドの名前を冠した施設はそのワクワク感において我々を裏切ることがない。ゆーらんども同様、そのお風呂とサウナの充実ぶりに驚かされる銭湯テーマパークである。

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男湯の浴槽はいくつかの種類に区切られた内湯、浴室からさらにドアを隔てたミストバス、カランの並び、奥まったところにある小さ目の薬湯の3つ。

内湯は比較的熱めで体感40~41℃くらい。ハッキリと仕切られて1人用のスペースに分かれた座風呂やジェットバスといい、1つだけ離れておいてある温めの薬湯といい、なんとなく京都の銭湯っぽい配置を感じる

ミストバスは露天というわけではないが完全に隔離された別空間になっており、ぬるめのお湯の張られた浴槽に、粒子の細かいミストが舞う。湯あたりもしにくいので、一人考え事をしたり、何も考えずにリラックスするのに向いている。

サウナは熱めのドライサウナ。比較的広めで6人くらい。天井近くにテレビがある。マットはあらかじめ敷いてあるが、板張りが傷んでいるのかガタついたり軋んだりするので、座る場所はよく選ぼう。

サウナを出たところの水風呂はしっかり冷える体感20℃未満。広さも深さもあって申し分ない。

いつも人で賑わっているが、それも納得の充実した銭湯。フロントの方は、サウナの混み具合を教えてくれるなど細かい気遣いも抜群。こういう銭湯が近所にあれば、と思いつつ、今日も自宅から15分歩いて向かうのであった。

ゆーらんど
住所:〒173-0004 東京都板橋区板橋1丁目41−13
営業時間:15:00−25:00
定休日:月曜日 

■ 地蔵湯(北区・閉業)・・・お地蔵さん近くの老舗に幕【74点】

JR京浜東北線の東十条駅から、徒歩10分弱。名前の通り、小さなとげぬき地蔵尊の隣にある銭湯だ。

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Facebook上で閉業を聞きつけ、訪れたのは最終営業日となる3月末日の数日前。すでにサウナは停止していたが、水風呂は稼働していたため、交互浴は可能だった。

白湯、バイブラ、ジェットバスの定番な浴槽構成だが、名前にそぐわない白を基調とした清潔感ある浴室と、水風呂があれば十分にリラックスできる。

サントリーの某ウイスキーのCMよろしく「なにも足さない、なにも引かない」構成が結局普段使いには嬉しい。閉店数日前だというのに、地元の人が目立ち、この場所がいかに親しまれてきたかよくわかる。

番台の方の愛想があんまりよくなくて、銭湯お遍路のスタンプも勝手に押せと言わんばかりに半ば投げて寄越すような渡し方をされたのは正直ちょっとムカついたが、同じように閉業を聞きつけた一見が多かったのだろうと推察する。

JRの駅も近く、普段なら居酒屋に繰り出す人たちで賑わうエリアも「まん防」下の夜9時過ぎ、人出はまばらになっていた(※筆者の訪問は3月の終わりごろ)。ひっそりと町に溶け込む銭湯に幕。寂しいが、これも一つの風情だろうか。

解体後はマンションになるらしい

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地蔵湯
【閉業】

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