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【温泉】ジョージアの個室硫黄泉に入った話【海外】

仕事を辞めて久々に長い休み(有給消化期間)ができたので、20日間余りの海外旅行に出ることにしました。アイスランド→ブルガリア→黒海に面したコーカサス地方のアルメニアを経て、隣のジョージアで硫黄泉を個室で堪能してきました。

アイスランドの記事はこちら(2件)

ブルガリアの記事はこちら(1件)

アルメニアの記事はこちら(1件)


ジョージアってどんな国?

ジョージア、(2015年までの旧名グルジア)はアルメニア同様に南コーカサス地方に属する国で、北と東はロシア、南側はトルコ、アルメニア、アゼルバイジャンと国境を接しているほか、西は黒海に面している。

ジョージアの地勢図(出所:日本国外務省

面積は日本の5分の1の7万平方キロメートル、総人口は370万人で、静岡県とだいたい同じくらいの人口しかない。日本からの旅行者は1万人に満たず、これまで旅してきた黒海沿岸諸国同様にマイナーな国である(出所:トラベルジャーナルオンライン)。

とはいえ、松屋が「シュクメルリ」(焼いた鶏肉を牛乳とニンニクのソースで煮込んだ料理)を提供したり、フジパンから「ハチャプリ」(チーズ等を載せて焼いたパン)を模した商品が販売されるなど、特有の料理が近年注目され、南コーカサスでは最もなじみがあるのではないだろうか。

シュクメルリ
ハチャプリ

実際、首都のトビリシはきわめて観光地化されていて、英語もかなりの割合で通じる。夏場とあってポロシャツに短パンサングラスの、典型的な観光客の姿もアルメニアよりずっと多かった。

隣国のアルメニア同様にキリスト教国としての歴史が非常に長く、国名も守護聖人聖ゲオルギウスにちなむ。街中にも重厚な教会建築が数多く残っており、観光スポットとしてのみならず、現地の人々の信仰と祈りの場としてきわめてアクティブに機能している。

首都の丘の上にそびえる至聖三者大聖堂(サメバ大聖堂)

トビリシの温泉文化

さて、日本の温泉愛好家にはよく知られていることかもしれないが、ジョージア、特にトビリシにはハマムと呼ばれるトルコ式の風呂施設が数多く残っている。

トビリシという名前は「暖かい場所」という意味で、温泉街はその由来にもなった名所なんです。

日本ジョージア商工会議所

とのことで、多くは首都を貫くように流れるクラ川のほとりに集中しており、温泉街的な位置づけになっている(下の地図参照)。

特にNo.5と呼ばれる浴場が有名で、地元の人たちともみくちゃにされながら風呂やサウナに入れるとかなんとか。地図上で検索すると、"Sulfur Bath"などとついた施設が多いことから察される通り、硫黄分を多く含んだ温泉や、蒸し風呂(サウナ)を備えていることがほとんどだ。

しかし、筆者がこの時期体調を崩していたこともあり、人混みを避けて訪れたのは観光エリアを少し外れた「キエフ温泉」(Kyiv Sulfur SPA:კიევის აბანო)という施設だった。

飛び込みキエフ温泉

大通りを一本入ったところに位置する旧ソ連時代からの一軒家温泉で、立派な石造りの建物が目を引く。

施設外観

こちらは共用の大浴場というわけではなく、個室を時間貸しするタイプの施設になっている。予約もできるらしいが、ウェブサイト上で会員登録が必要っぽかったので、平日の早い時間帯ならよいだろうとアポ無しで突撃してみた。

上記画像の入口のドアを開けると、シンプルな受付がある。受付のお姉さんに予約なしと伝えると、今案内できるのはサウナがなく、風呂場とシャワーのみの一番シンプルな部屋か、サウナ等のついた広い部屋だという。風呂のみで1時間50ラリ(1ラリ≒55円。約2,750円)と、サウナ付きは90ラリ(4,950円)と、円安と現地の物価水準を考えると、そこそこいい値段がしたことと、自分のすぐ後ろにカップルがいたので、広い部屋はカップルに譲り、風呂のみの部屋を選択。

部屋は受付から地続きで、廊下に浴室が並んでいる(下写真)歴史ある建物のはずだが、内装はかなりキレイ。

廊下にいくつかの浴室が並ぶ

案内された部屋は、脱衣所と浴室の2スペース構成で、一人なら十分に広く使える。そもそも海外に来て広い湯船にガッツリ入れるというのは、それだけでけっこう満足感の高いことだ。またタイルなどをちりばめた内壁もお洒落。

脱衣所
浴室

浴槽のタイルの色味のせいで緑色がついているように見えるが、実際のお湯は無色透明。ただ、Sulfur Bathの看板に偽りなくゆで卵のような硫黄臭がする。

浴槽

備え付けのシャワーも温泉臭がするので、おそらくこちらも温泉から引っ張ってきている模様。なお、匂いこそすごいですが喉越しは滑らかで、かなりエグみがあったアルメニアの温泉と違って飲んでもOKそう。

シャワーも温泉

体感の湯温は41~2℃といったところで、かなり暑めで、すぐ身体から汗がにじみ出てくる感じがある。5分ほど入って、水シャワーから冷水を頭から浴び、タイルの張られた台で横になることで交互浴っぽさを演出できる。

横たわり台

部屋の案内書きを見る限り、垢すりやマッサージもやってもらえるらしい。垢すり15ラリ(約825円)、ボディマッサージ20ラリ(約1,100円)とのことだが、色んなところの口コミを見る限りかなり当たり外れが大きいっぽいので、今回はパス。

マッサージ等の案内

風呂のみで1時間と聞かされた時は、正直途中で飽きるかもしれないと思ったが、交互浴を繰り返したり、写真を撮ったりしているうちにあっという間に時間が来てしまった。

ゆっポくん@ジョージア

残念ながら日程の都合もあり、温泉街の庶民的なハマムには入れなかったが、むせかえるほどの硫黄臭のする温泉は日本でもなかなかお目にかかれないユニークさ。ジョージアを訪問した際は、ぜひ一度は行ってみてほしい。筆者も再訪時はNo.5に行ってみたい。

ひとまず海外温泉記事は以上になります。ここまでお読みくださりありがとうございました!

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