【書評】世界の果てを目指す物語(森見登美彦・「ペンギン・ハイウェイ」)
※森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」(角川書店・2010年)の書評です。
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これは、世界の果てを目指す物語だ。
日本SF大賞の本作だが、読んだ人は、果たしてSFなのかと首を傾げることだろう。そもそもSFに疎い私でも、異色の作品であることは理解できる。
主人公アオヤマ君の住む郊外の街に突如現れたペンギン。何も食べなくても平気、車にはねられても無傷、街を離れると消えてしまうなど、どうやら普通の動物ではないらしい。
そして時を同じく