人生RPGでレベルアップをせず、最強装備に全集中した者のエンディングは?
低レベル縛りのやりこみプレイ
古代ギリシャの哲学者プラトンは『イデア論 洞窟の比喩』で、われわれが実像だと信じているこの世界は、たんなる虚像にすぎないと説きました。
見ている影絵は、仮想現実でしかないと。
もしそれが本当だとすれば、人生はロールプレイングゲームのようなもの。
一般的なロールプレイングゲームでは、主人公キャラが敵キャラとの対戦で経験を積んでレベルアップをすると、能力値が上昇してキャラクターはどんどん強くなっていきます。
バトルの副産物として、敵がKOされるときに金品を落とすことがあり、経済的な恩恵もあります。
成長させたキャラクターの性能プラス、戦いで得た金銭で買った武器や防具(一部、拾得物あり)を装備してさらに各種ステータス値を強化させると、最終のラスボス戦に向かうのです。
そして、勝利をすればハッピーエンド。
この仮想現実とされる現代社会を、ドラゴンクエストに召喚すると…
▶START
大学卒業後にゲームをスタートさせた勇者は、[職業 企業戦士]としての戦績を収めながら着実に昇進(レベルアップ)をし、モンスターをぶん殴って手に入れた『ゴールド』は、積立NISAで回していく順調な序盤。
物語も中盤に差しかかり、囚われの身だった姫をマッチングアプリで救出すると『おうじょのあい』を入手できるので、そのまま夫婦となって郊外のお城を35年ローンで建てるまでがデフォルト。
終盤前のLv42、竜王をたおして王になれる器ではないことを悟り、それならこれ以上旅をつづける理由もないと、戦士の制服だった『てつのよろい』をそっと脱ぐのです。
早期リタイアをしたらしたで、自宅でゴロゴロすることが多くなり、嫁から「掃除のじゃま」と疎ましがられ、しぶしぶ外出をしようとしたのですが…これまで争いばかりの人生で、戦闘しない鎧はなにを装着すればいいのか?が分からず『迷子』になる。
元勇者は、こうして『ダサオジ』の烙印を押されてしまいましたとさ。
《完》
これが、サラリーマンのロールモデル。
▶START
いかにラクして『ゴールド』を集めるか?が人生最大のテーマである[職業 プチ遊び人]は、王様に雇われて中年になるまで冒険をする気はさらさらなく、ウシジマくんの真似ごとをして一旦は財を築くが、寝返った連れのゴールドマンに寝首をかかれ、あえなくゲームオーバー。
▶CONTINUE
ITバブルという『ふっかつのじゅもん』で生き返ると、雑魚キャラ戦でちまちま貯めた小銭を握りしめ、孤島で『ルイーダの酒場』を開店させたまではいいが、才能と計画のなさからあっという間に火だるまになりながらも、なんとか一命はとりとめる。
ゲームも終盤になってきた現在、大やけどは完治したもののほぼ初期レベルのたるんだボディに鞭打ったとて、いまさらドラゴン退治ができるはずもなく…「それなら…」と中古専門の『武器屋』へ行くと、元値がやや高めの鎧や装備品をポチッては一喜一憂している←イマココ。
最期は、『どくけしそう』を持たずに入った毒沼で毒に冒されて病死か?門番のゴーレム戦で『つうこんのいちげき』を喰らって事故死か?は神のみぞ知る。
《完》
これが、ここの中の人のリアル。
防御力2しかない布の服
そういえば、昨年は”ユニクロ“の鎧しか買ってないので、新年一発目はドラクエっぽい鎧にしようと『ぬののふく』にしました。
まさに。
はじまりの町なら『ぬののふく』は20ゴールドだったのに、Amazonに出店していた『武器屋』では残念ながら2,300ゴールドもする、その差115倍のハイパーインフレ。
昨今の物価高の影響が、ドラクエの世界にまでおよんだTシャツのドーパミン放出は…とくにコメントなしの50%。
布の服ついでに、むかしTwitter職人にオーダーメイドで作ってもらった『 残酷な赤いベルト』を装着。
その残酷さのおかげでここ最近、健康診断で血圧が高いことを指摘される(基礎代謝量がおちて、太ってきたのが一因かと)。
高額な装備をそろえるのもいいけれど、経年劣化してきた身体にも投資をしようと誓う令和6年新春。
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