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なぜMD-Farmを設立したか?:3つの技術革新

私は、以前にあるスタートアップに参加していましたが、そこの開発方針が販売やマーケティングのスピードに偏重しており、重要な技術ベースを軽視する傾向がありました。
そして、それが植物工場というビジネスの根本を揺るがす可能性が高いことに疑問がありました。

小規模な植物工場と大規模な工場には大きな技術革新が必要で、現在、出回っているのは、その重要な部分の技術革新、確率が疎かになっているものがほとんどだと認識しています。

大規模化に必要な技術革新とは以下のようなものになります。
(1)大規模化に伴う室内の熱移動、空調の制御
(2)完全無農薬での病気を発生させない栽培技術
(3)初期投資の軽減とその容易な展開性、長期運用のメンテナンス軽減

(1)大規模化に伴う室内の熱移動、空調の制御
これは見えないものを見つけ出し、その効率を考え、実証して、効果を確定する作業が必要です。
MD-Farmではこの作業に5年の歳月を費やし、現状考えられる最適解を見出すことに成功しました。

(2)完全無農薬での病気を発生させない栽培技術
この部分は地味ですが、大変重要です。農薬法の基本を理解し、国々で違う登録農薬の内容を把握した上で、最初から最後まで一切の農薬を使用しない環境で病気の発生を皆無にする。ここには害虫の発生も含まれます。
MD-Farmがスタートする前は、「【 公開 】イチゴの植物工場で、病気を予防する方法」という方法で病気を予防していましたが、更にその上をいく管理方法を確立し、5年以上、一切の病気、害虫を発生させず、完全無農薬栽培方法を確立しました。

(3)初期投資の軽減とその容易な展開性、長期運用のメンテナンス軽減
このパートは、農業分野だけでなく、工業のエキスパートが必要になる分野です。初期投資の軽減はもちろん、規格化された生産システムをスピーディーに展開できるようになっているかも重要な部分となります。
更に大きなポイントでは、運用時のランニングコスト、メンテナンスコストという部分です。
現在の植物工場の多くは、水の循環を前提としているので、ここは大きなコストが発生するパートになります。
水の循環はどうしてもコストが高いのです。
MD-Farmでは、供給する水をイチゴが必要な量だけを与えるシステムに変更しており、そもそも排水が存在しません。つまり循環させる水が出ないのです。
これは最も水を有効利用するだけでなく、排水設備から始まり、循環装置、そのメンテナンス等、膨大なコスト削減に繋がります。

私は、上記の技術革新を確立させつつ、工場展開をしないと展開後に管理コストが膨大になり、かつ展開するのにも多くのマンパワーを必要とするものになると考えます。

MD-Farmは、上記の課題を解決、確立させようとして集まったメンバーでスタートし、その解決を高いレベルで実現させました。

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松田祐樹@MD-Farm
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