イチゴが大量に実を付けているように見えるが、本当は効率が悪い
イチゴの植物工場の研究開発をしているスタートアップ企業などが、大量にイチゴの実が実っているような写真をアップしているケースがあります。
イチゴの大きなカテゴリーとして、一季なりなのか、四季なりなのかという違いがあるので一概には言えませんが、基本的にインパクトはありますが、イチゴの通年、安定生産にはあまり意味のない光景です。
イチゴの栽培や管理の効率を理解していないと、このトリックには気づきにくいと思います。
大量にイチゴが実っていて、これが取れ続けると勝手に頭の中で印象を形成するようなことになります。
イメージ写真にあるように、大量にイチゴが実っていると、必ず“なり疲れ”という減少が起こり、2ヶ月前後の期間、実を付けなくなります。
単純に計算すると年に6回ほどしか収穫できなくなり、それを平均化すると収穫量は期待するものではなくなります。
また収穫の6回のときだけ、収穫作業が激増し、その他はないというような労働バランスの崩れが起き、コスト面でも無駄の多い人員配置を強いられます。
これはロボットに変えても同様な波は発生します。
ここで重要なのは“平準化”という考え方です。
MD-Farmでは、一年中、安定して、毎日、収穫できるような栽培方法を確立し特許化しています。
如何に“なり疲れ”を起こさないか、その中で高い収穫率をキープし続けられるかという思想が、植物工場としての平準化をもたらし、効率化の基礎となります。
このような技術は、大学の農学部などでは研究しておらず、実際のいちご農家の一部の篤農家が、その技術を理解しているケースがほとんどです。
植物工場の研究などで、大学の農学部と連携、または技術指導などを受けるケースが多く見られますが、「象を見たこと無い人と象の絵を描くことをしている」ようなものになります。
地道に、一歩つづ、イチゴの特性を理解し、栽培を積み重ねる以外に新しい道は開けないと感じます。
MD-Farmは10年以上、閉鎖型空間でのイチゴの栽培に携わり、それを実現するLED証明や栽培棚、管理システムなどを自社開発しており、その栽培ノウハウと設計思想が大きな財産だと考えています。