イチゴの植物工場開発に大学の農学部は必要ない
MD-Farmでは、イチゴの植物工場開発に大学や都道府県の研究機関との連携は一切していません。
と言うのも、連携することが研究開発の方向性を見誤ったり、スピード感が全く合わなかったりすると考えているからです。
植物工場の開発ステージを以下のようにイメージします。
ステージ1:研究室レベルで少数の棚で実験的な栽培
ステージ2:1,000株レベルで通年栽培実証
ステージ3:数千株レベルで通年栽培実証
ステージ4:病気を発生させないで複数年連続栽培
ステージ5:高収量品種でなり疲れを起こさずに通年栽培
ステージ6:完全無農薬で病気を発生させず複数年栽培
ステージ7:空調などの設備を大規模栽培用に設定、運用
大学の農学部や都道府県の研究機関は、ほぼステージ1しか経験がありません。しかも試験栽培のレベルでそれに必要な器具の開発は全くされていないため、『理論上の栽培』しか語れません。ステージ2がクリアできているところは個人的に聞いたことはありません。
ステージ3をクリアすれば、小規模な限定された範囲での栽培は可能となりますが、大規模化した場合は、病気の発生や運用に伴う手間の増加が容易に考えられます。はっきり言えば、採算性の低いショールーム的な運用に限定されます。
ステージ7をクリアした場合のみ、大規模な工場展開が開けるとMD-Farmでは考えています(MD-Farmはクリア済)。
仮にステージ3をクリアして、途中のステージを不完全なまま、ステージ7を実行すると、病気が発生した場合、工場内全体にあっという間に広がり、収量の大幅な低下、最悪の場合、苗の全滅が待っています。
(あるスタートアップはこれに陥っているという情報もあります)
イチゴの植物工場は、地道に研究開発を進める必要があり、そのノウハウの積み重ねが大きなポイントになります。
大学や都道府県の研究機関に教えを請うことは、自らの理解や経験を構築することに足を引っ張ることが多いと考えます。
そもそもやったことがない人たちに、何の教えを請うのでしょうか?
自ら考えることを放棄した時点で、イチゴの植物工場開発のハードルは超えられないくらい高くなると考えます。