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【統率者戦】「必須カード」を疑う(アーティファクト編)

・はじめに

無関係なデッキレシピに引っ張られて「これは必須カードだから」と実は自分の統率者とは相性が良くないカードを盲目的に採用したり、あるいはそれが必須カードであることを理由にパーツ交換の際の候補から外してはいないだろうか。

統率者戦のデッキ枠100枚は一見多いようで意外と少ない。
カード1枚1枚の枠が貴重なのだから採用しているすべてのカードに明確な採用理由が存在しているくらいが望ましいと言える。

そこで今回は巷で必須カードやそれに近い扱いをされているカードを『採用しない理由』について考えていきたい。
(※あくまで採用しない理由もあるというだけでこれらが須くデッキから抜くべきカードだというわけではない)

・《稲妻のすね当て》

それなりに少ないマナで被覆をつけられて、装備品だから再利用も可能で、更に速攻までつくことから統率者を守りたいプレイヤーには高い人気を誇っている。
だが装備にスタックでインスタント除去が飛んでくることは避けられないし、被覆がついても全体除去には無力だし、自分の呪文や能力でも対象に取れないので自分の首を絞めることもある。
装備品で被覆がつくことに意味がないとまでは言わないが、除去避けとしては微妙なラインの防御性能なので実際のところこれに手札1枚分の価値があるかどうかはこの靴を履くのが誰なのか、によるところが大きい。

強力なタップ能力や攻撃誘発能力を持っているクリーチャーがデッキに多いとか、統率者が非常に高パワーで統率者ダメージ勝ちを狙えるとか、被覆だけでなく速攻をつけることにも大きな意味がある場合に採用したい。

・《師範の占い独楽》

《無限のエルシャ》や《皇帝ミハイル二世》のようなデッキトップを操作することに価値がある統率者ならともかく、ただ単に毎ターンドローを操作したいだけの理由で手札1枚使って1マナ支払い続ける価値があるかどうかは考えた方がいい。

それにフェッチランドを各1枚ずつしか入れられない統率者戦ではシャッフルしてデッキトップを更新することすら容易ではなく、独楽を適当に入れただけのデッキでは毎ターン1マナ払ってデッキの上から3番目の新しいカードだけ見ることになりがちだ。

・《精霊信者の剣》

決して効果が弱いわけではないが、土地を伸ばし続けるランプ戦略と自分のデッキの相性がいいかどうかは別の話。
デッキ内にビッグアクションがたくさん入っているとか有り余るマナを統率者の起動能力に注ぎ込めるといった構築では輝くだろうが、特定のカードを揃えての勝利を目指すコンボ戦略では過剰に土地を伸ばす必要がないのであまり役に立たない。
それに分割払いしているとはいえ4マナ払っているということは装備して3回殴るまでは《爆発的植生》未満の効果でしかないということでもある。
コンスタントに戦場にクリーチャーを維持して常に殴れるデッキでない場合は剣だけ場にあって加速できないこともあり、使い切りの土地加速呪文を選んだほうがよい場合もある点は念頭に置いておきたい。

・《秘儀の印鑑》

2マナのマナファクトとしては統率者戦最強に近いが、だからといって何も考えずに採用していいわけでもない。
まず第一に、デッキに2マナのマナファクトが必要かを考えたい。
例えば毎ゲーム1ターン目マナエルフから2ターン目に3マナの統率者と動きたいデッキでは理想の動きの中でマナファクトを置いている暇などないことがわかる。

また2マナのマナファクトを利用するデッキだったとしても《秘儀の印鑑》を優先するのが正しいかどうかは疑ってみよう。
多くのケースでは《秘儀の印鑑》に軍配が上がるだろうが、稀に色マナ要求がシビアなデッキでは《太陽の指輪》《古えの墳墓》等で生み出される無色マナを変換できるラヴニカの印鑑サイクルの方が有用なことがある。

・《モックス・アンバー》

ほとんどのデッキでは統率者が場に出るまではマナが出ないので序盤にはマナ加速カードとしてカウントできないことが多い。
気にならないほど統率者が軽量であるデッキや、0マナであること・アーティファクトであることを活かせるデッキ、伝説シナジーの多いデッキでこそ輝くカードだろう。

・《オパールのモックス》

いくら統率者戦がマナアーティファクトで加速することの多いゲームだと言ってもそれだけでコンスタントに達成できるほど金属術は易しくない。
この手のカードをマナファクトとしてカウントしたいなら「出るときは出るけど出ないときは出ない」では困るのだ。
デッキをアーティファクト戦略に寄せているとか統率者がトークンを生成するとか、金属術を達成できる根拠が強く存在するデッキで採用したい。

・《魔力の櫃》、《厳かなモノリス》

アンタップ効果がついてはいるものの基本的には使い捨てなので色拘束が薄かったりマナコストが大きい統率者の早出しを狙うためのカードである。
なので軽量統率者が適当にデッキに入れても重いカードと同時に引いたときくらいしか役に立たず、普通の加速で出てきた統率者の横でアンタップ状態の《魔力の櫃》を持て余してしまうといった戦況になりがち。
使ったあとも置物が盤面に残ることを利用して生け贄にするとか、何度もアンタップして使い回すといった特殊なデッキでないなら抜いてしまうのも手だ。

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