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ハッシュタグは本当に重要なのか?Instagramのアルゴリズム変動が語る真実


「ハッシュタグは重要ではない」

テテマーチとしてInstagramをマーケティング活用するための支援事業を始め、5年が経ちました。この5年間、Instagramに参入する企業は年々増加しています。

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*1:279社を対象にしたInstagramに関する弊社実施のアンケート結果より

特にコロナウイルスの感染拡大後、オンラインマーケティングの必要性や重要性が高まり、活用を決断されたり予算を増額された企業は多いようです。

さて、Instagramのビジネス活用は年々拡大していますが、多くのアカウントの目標は「フォロワー数の増加」です。

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そして、フォロワー数を増やすために、という文脈でよくご相談いただくのが「ハッシュタグ経由でのリーチ数を増やしたい」というお悩みです。

「どのようなハッシュタグをつければ良いか」「いくつのハッシュタグをつけるべきなのか」といった疑問の声が、セミナーや商談の中でも数多く挙がります。

そのようなとき、私たちはハッシュタグに関するアドバイスをさせていただきますが、前提としてお伝えすることが一つあります。
私たちはハッシュタグをそこまで重要視していません」というお話です。

もちろん、ハッシュタグを上手く活用することで、新たな生活者層との接点を増やすことができます。
しかし、ハッシュタグはあくまで「手段」であって「目的」ではありません。それにもかかわらず、ハッシュタグをテクニカルにHACKすることが目的化しているケースが多く見られることに危機感を感じています。

この記事では、
「なぜ私達がハッシュタグを重視していないか」
「ハッシュタグよりも重要な要素とは何か」

についてお話します。

ハッシュタグを増やすとユーザーに見てもらえなくなる?

まず覚えておいていただきたいのは、「ハッシュタグを付けることで、逆に投稿がユーザーに届かなくなる」場合があるということです。

昨年、「ハッシュタグを30個(1投稿あたりの上限まで)付けると、投稿がユーザーに表示されづらくなる」という噂が流れました。

その噂の真偽を確認するために、私たちもハッシュタグの数を調整する実験を行いました。その結果分かったことは、「投稿につけるハッシュタグの数を減らすと、ハッシュタグ経由での投稿の閲覧数が減少する」という当たり前の事実でした。
つまり、噂とは逆の現象が確認されたのです。

では、なぜそんな根も葉もない噂が流れるようになったのでしょうか。

その後も調査を続けると、「ハッシュタグを数多く付けた場合、投稿の閲覧数が減少するケースは確かに存在する」ということが判明しました。

ただ、その原因は「ハッシュタグを付け過ぎているから」ではなく、「投稿内容とは関係のないハッシュタグを付けているから」だったのです。

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簡単に言うと、「投稿内容とは関係のないハッシュタグを付けた投稿は、ユーザーに届きづらくなった」ということです。

「インスタハック」とInstagramアルゴリズムの変動

そもそも、ユーザーにとっての「ハッシュタグ」には、どんな役割があるのでしょうか。

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▷ユーザーによるハッシュタグの利用シーン①:探す
旅行、子育て、レシピ、ファッションコーデ、特定の地域のカフェなど、テーマに沿ったアイデアを探したいとき
▷ユーザーによるハッシュタグの利用シーン②:確認する
特定のブランド、商品、店舗、施設、イベントなどのクチコミを確認したいとき
▷ユーザーによるハッシュタグの利用シーン③:繋がる
共通の趣味があるユーザーと繋がりたいとき

①〜③のようにユーザーの目的に違いはありますが、いずれも「特定の情報について調べる」際に利用することが分かります。

さて、ある時期から、このユーザー行動を逆手にとってハッシュタグを濫用するケースが増えてきました。「インスタハック」です。

例えば「#ユニジョ*2」や「#タビジョ*3」といったハッシュタグで検索した際に、「簡単に稼げる副業」の投稿が検索結果画面を埋め尽くしていたことがありました。
これは「#ユニジョ」や「#タビジョ」といったタグに興味を持つユーザーに対して自分の投稿を表示したいというアカウントが、実際には関連性のない投稿にそのハッシュタグを付けたことにより起きた現象です。

*2: ユニクロのアイテムを使ったコーディネートが多数投稿されているハッシュタグ
*3: インスタ映えするような旅行先やフォトスポットが多数投稿されているハッシュタグ

ユーザーにとっては、自分が調べたい内容にはそぐわない投稿ばかりが並び、利便性が低い状態になっていました。

これに対してInstagram側が対策を講じたのか、今年に入ってから、検索結果にこのような投稿が並ぶことは少なくなりました。ハッシュタグとコンテンツの組み合わせによって表示/非表示を判断するようにアルゴリズムが変更されたと思われます。

これは、まったく関係のないハッシュタグを付けた場合に限った話ではありません。

例えば、料理系の投稿であっても、完成した料理の写真だけが載っていて作り方の情報は一切ないような投稿に「#レシピ」「#作り方」といったハッシュタグを付けると、レシピを探すユーザーにとって邪魔な投稿になってしまいます。
また、個人が個人を探すときに利用する「#○○好きさんと繋がりたい」というハッシュタグに企業アカウントの投稿が紛れ込むのも、あまりいい状態とは言えません。

このように、Instagramを利用するユーザー目線に立ったときに、似たジャンルのハッシュタグでもユーザーにとって不利益なケースが存在するのです。
ユーザーのことを考えず、ハッシュタグを無理やり使用することで、Instagramによる投稿に対する評価を落としてしまう可能性があると、私たちは考えています。

InstagramとGoogleの共通点

さて、このような流れはGoogleの検索エンジンのアルゴリズムの変遷によく似ていますよね。

かつて「とにかくキーワードをたくさん盛り込めば検索に引っかかる」「被リンクの数を増やせば上位表示される」といったテクニカルなSEOが主流だった時代がありました。
Googleのアルゴリズムが今ほど研ぎ澄まされておらず、「人間にとって有益なコンテンツ」と「機械が人間にとって有益だと判断するコンテンツ」に乖離があった時代です。

しかし、現在は「機械が人間にとって有益だと判断するコンテンツ」が「人間にとって有益なコンテンツ」にどんどん近づいています。
それに伴い、「ユーザー・ファースト」が当たり前の判断基準になりました。

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*4:ちなみに、実はInstagram創業者のケビン・シストロムは元Google社員です。Instagramのアルゴリズムの源流にはGoogleの思想があるのかもしれません。

Google検索のSEOにおいては、キーワードの有無や被リンク数は依然として重要な要素ですが、それ以上に「そのコンテンツはユーザーにとって価値があるか」が評価の基準になります。

Instagramに特有の「フォロワー・ファースト」

さて、それではGoogleとInstagramの大きな違いはなんでしょうか。それは、「フォロワー」という概念の有無です。

Google検索には「フォロワー」が存在しないので、誰がそのコンテンツに対してフィードバックするのかは決まっていません。
したがって、SEO業者はユーザーの検索クエリから検索意図を類推し「あるクエリを検索する誰か」に向けてコンテンツを制作します。

一方で、Instagramには「フォロワー」が存在します。
つまり、誰がそのコンテンツに対して最初にフィードバックをするのかが明確に決まっているのです。

Instagramの活用支援をしていますと、この事実を見落としている方が意外と多いことに気づきます。
Instagramでは「ユーザー・ファースト」よりも先に「フォロワー・ファースト」であるべきなのです。

Googleでは下記のような流れでコンテンツの評価が決まります。

1.検索者にとって価値のあるコンテンツを投稿する
2.Googleから評価を受け、クエリごとに掲載順位が調整される
3.読者からのフィードバックを受ける(クリック率、滞在時間、スクロール量、サイト内PV数など)
4.読者からのフィードバックを元に、コンテンツがGoogleから評価され、5.掲載順位が調整される

一方、Instagramでは下記のような流れでコンテンツの評価が決まります。

1.フォロワーにとって価値のあるコンテンツを投稿する
2.フォロワーからフィードバックを受ける(いいね、コメント、保存、DMでのシェアなど)
3.フォロワーからのフィードバックを元に、投稿がInstagramから評価され、フォロワー以外にも届くようになる
4.フォロワー以外のユーザーからもフィードバックを受ける(いいね、コメント、保存、DMなど)
5.フォロワー以外からのフィードバックも加味して、投稿がInstagramから再評価され、さらに露出が増える(ハッシュタグの人気投稿や発見タブ等)

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フォロワーからの評価の重要性について、ご理解いただけたでしょうか。

ハッシュタグは手段でしかない

ここまで読んでいただけていれば、「なぜ私達がハッシュタグをそこまで重要していないか」、その理由が分かっていただけたのではないでしょうか。

ハッシュタグはあくまでフォロワー以外のユーザーに投稿を届けるための手段です。フォロワーからのフィードバック(いいね、コメント、保存、DMでのシェアなど)には大きな影響を与えません。
つまり、いくらハッシュタグを改善したところで、フォロワーからのエンゲージメントは増えないのです。

もちろん、あるハッシュタグの人気投稿欄に掲載されることで、一時的にインプレッションやエンゲージメント数が伸びることはありますが、それはあくまで「その投稿がたまたま伸びただけ」です。それによってフォロワーからのフィードバックが改善することはありません。

フォロワー数を増やすためにハッシュタグ選定に注力するのもいいですが、それよりも先にやるべきことは「フォロワーからのフィードバックを最大化する」ことです。「エンゲージメント率を高める」と言ってもいいでしょう。
それが実現できれば、自然とフォロワー以外のユーザーにも投稿が届くようになります。

Instagramは「大好きな人や大好きなことと、あなたを近づける」

Instagramのブランドミッションは、「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」です。

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「近づける」という言葉には、「見つけてもらう」と「親密になる」という2つの意味が込められています。
このうち「ハッシュタグ」は「見つけてもらう」ための一つの手段に過ぎません。

最も重要なことは、ユーザーにとって「大切な人」「大好きなこと」だと思ってもらうことです。それが実現できなければ「見つけただけ」で終わってしまうでしょう。

ユーザーにとってどんなコンテンツが「大切」「大好き」だと思ってもらえるか、という問いに簡単な答えはありません。その答えはアカウントや状況によっても異なります。

ユーザーの興味関心の移り変わりの早さはSNSの大きな特徴です。常に最新情報を手に入れ、フォロワーにとって価値のある投稿を模索しつづけましょう。

最後に

私達はInstagramのコンテンツの良し悪しを測るためにも、Instagramのデータと向き合うことは重要だと考えています。

テテマーチが提供しているSINISでは、各投稿のエンゲージメント数やリーチ数など様々な数値を取得、保存できます。自分たちの過去投稿のデータからフォロワーの評価を得た投稿を確認、分析することでより良いコミュニケーションをとっていきましょう。

SINISは、無料から利用することもできるので、是非ご活用ください。


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