企業はInstagramと、どう向き合っていくべきか?【SINIS】で目指したいこと
はじめに
僕たちテテマーチは、Instagramのビジネス活用支援を初めて5年目を迎えました。
2015年6月12日、テテマーチは誕生し最初に出すサービスのフィールドにInstagramを選びました。が、「インスタ映え」が流行語になる2017年までの最初の2年間は本当に大変でした。
リンクも張れない、インサイトデータも見られない(2016年8月に機能追加されるまで)、ビジネスで活用しやすい機能が少なかったInstagramに投資してくれる会社はほとんどいませんでした。むしろ、そもそも移り変わりの早いSNSの市場で当時はSNOWや、Snapchatなど勢いのある新興SNSの登場も目まぐるしく、Instagramがいつまで流行するのか?そもそも定着するのか?など懐疑的な方も非常に多かったです。
それでも、他のSNSの機能をカバーするInstagramの新機能やショッピング機能の実装など目まぐるしい発展があり、現在はInstagramに投資いただける企業も増え、それと同時に僕たちテテマーチも成長することができました。
Instagramのバブル時代
ただ、そんな中で感じている率直な体感としては、Instagramのビジネス活用は「バブル時代」に突入しているという危機感です。
他のマーケティング施策と比較するとコンバージョンまでの成果は非常に追いにくいInstagramに対して、多くの企業が様々な期待を胸に投資をしています。
Instagramに関するビジネスセミナーや、ビジネス活用をテーマとしたメディアの記事が4年前では考えられないほど溢れています。Instagramを企業のマーケティング活動の中で活用することがトレンドであり、当たり前のようになってきているように感じます。
しかし、見えないところでは多くのInstagram担当者がInstagramの投資効果について会社から求められているということが、クライアントの担当者さんや僕たちが運営するセミナーの参加者を通して聞こえてくるのです。
もちろん、僕たちはInstagramが企業のマーケティング活動にとって有効的であることに疑いはなく、事実成果を体感されている企業もいるのですが、まだまだ手探りでどのような効果を期待すべきなのか?を模索している企業のほうが多いと感じています。
もし、このままInstagramの担当者さんやInstagramに投資している企業が、Instagramへの投資効果を見出せない状態が続いてしまうとどうなるか?いずれInstagramのビジネス活用に対する期待が、疑念になり、最終的にはInstagramへの投資が縮小、あるいは打ち止めされてしまう可能性があると感じています。
さらに言えば、投資のうち止められる可能性が高いのがInstagramのオーガニックのアカウント運用や企画系キャンペーンなど、工数やコストはかかるが投資効果が見えにくい施策です。一方で、ターゲティングが優秀で数字が見えやすいInstagram広告は投資を継続される。こうなってしまうと、広告を著しく好まない現代のユーザー(僕たちのインターンを通して、最近の若者に増えてるな~という感覚です。)に起きうる可能性としてはInstagram上の企業の発信=広告というイメージの定着。企業は広告ばかりでつまらないというレッテルを張られてしまい、企業の存在自体がInstagramユーザーの懸念になってしまうことも考えられます。
大前提Instagram広告は高性能で成果も期待できます。ただ、Instagramの広告が始まる以前よりビジネス活用創成期から支援してきた僕たちとしては、工数もコストもかかるし、効果の可視化もしにくいオーガニックのアカウント運用やキャンペーンもInstagramのマーケティング活用にはかかせないと考えています。Instagramユーザーを楽しませ、双方向のコミュニケーションが取れる、アカウントのオーガニック運用や、企画系キャンペーンも確実に企業のマーケティング活動の成果の一端を担っていると考えています。ただ、他のマーケティング施策と比較してなかなかその効果を明示することが簡単ではないのです。それでも、この課題に立ち向かっていかなければ、僕たちを成長させてくれたInstagramのビジネス活用がシュリンクしてしまうのではないかと感じています。
SINISで目指したいこと
僕たちは「SINIS(サイニス)」というInstagramの無料分析ツールを2018年9月にリリースしました。もともとこのツールは僕たち自身がInstagramのアカウント運用を支援する上でレポーティングにかかる工数を落とすために必要と考え、僕たちが利用する目的で作ったものでしたが、多くのInstagram担当者の方に助けになるのならと無料で公開しました。
これまでのSINISで提供してきた機能はInstagramアプリ内で確認できるデータをPC上で確認可能にし、数値データをCSVダウンロードできるようにしただけのツールでした。ですが、リリース後1年間ペイドの広告はほぼ0で、16,000件を超えるアカウントが導入をしてくれました。それくらいInstagramを分析しようとしている人がいるし、僕たちが効率化のために作ったツールを利用してくれるのだと感じました。
テテマーチは現在30名程度の会社です。それに対し、Instagramを活用しようと考えている企業は数多あります。ありがたいことに、ご紹介やお問い合わせをいただきたくさんの企業の皆さんとお仕事をご一緒する機会は増えています。ただ、僕たちは30名程度しかいないのです。僕たちだけですべてのInstagramをビジネス活用したい企業を支援するのは不可能です。
2019年11月26日、僕たちはSINISをアップデートしPROFESSIONALプランをリリースしました。僕たちがInstagram分析で確認したい数値を追える機能を追加し、僕たちが培ったノウハウをツールに落とし込むことで、SINISを通してより多くのInstagramのビジネス活用を支援していきたいと考えています。
これまで僕たちはInstagramのビジネス活用支援を僕たちが行う代行業務やコンサルティング業務としてお手伝いする機会がほとんどでした。しかし、より多くのInstagramのビジネス活用を支援するためにSINISをたくさんの企業に使っていただきたいと思っています。また、SINISを使い運用支援する支援会社さんとのパートナーシップも結ぶことで、より多くの企業へ僕たちのノウハウをお渡しできればと考えています。
SINISを通して、少しでも多くの企業のインハウス化の手助けや支援会社の業務負担の軽減を行っていき、更には企業のマーケティング活動におけるInstagramのパフォーマンスを可視化できるような仕組みも作っていきたいと考えています。
Instagramのビジネス活用をブームではなくマーケティング活動の文化として根付かせることでInstagramの発展を支援していくことがInstagrmに育ててもらった僕たちテテマーチができる恩返しです。
僕たちはSINISを通して、Instagramのビジネス活用の価値が浸透し、全てのInstagram担当者や企業がInstagramとの向き合い方を理解している状態を目指していきます。
世の中の一歩先を見据えて、「サキダチ、ヤクダツ。」をテテマーチは体現します。