3周年を迎えたSINISのこれまで。そして、これから。
2021年9月5日、Instagram分析ツール「SINIS」は3周年を迎えました。テテマーチが7期目なので、振り返ると会社としても大分長く取り組んでいますね。なんか、この1年くらいが怒涛だったのであっという間でしたw
立派な3周年アニバーサリーサイトも作ったので、細かいことはこちらのページを見てもらえればと思いますが、改めてこの3年間について超簡単に振り返りと、これからのSINISについてもお話しできればと思い立ち、久しぶりにnoteを書くことにしました。
SINISを始めるきっかけ
テテマーチ創業期は、CAMPiNというハッシュタグを使ったキャンペーンツールを活用したInstagramキャンペーンの支援に特化して事業展開をしていました。最初は苦戦したものの、市場が急激に成長しInstagramキャンペーンの需要と並行して事業も軌道に乗っていきました。そういった活動の中で、2017年頃からは徐々にInstagramに関するコンサルや運用代行のご相談をいただくようになりました。
僕たちは創業当初、仕組みと仕掛けを駆使する会社になりたい、人が介さなければ提供できないことは極力やらないようにしようと考えていたので、この領域に踏み込むかどうかを役員間で話し合いました。話し合った結果、会社を一気に成長させるためにも領域を広げようという判断を下し、運用代行やインフルエンサー、SNS広告まで一気に支援の領域まで業務を拡大しました。
ぶっちゃけ、CAMPiNを提供していただけの頃と比べて、どの業務もめちゃくちゃ工数がかかり大変でしたw(インフルエンサーさんへお渡しする大量の洋服をブランドから受け取って、大きな袋をもって電車で移動したりしているときは、凄いことに手を出したなと思ってましたw)
中でもアカウント分析の手間が非常に大きく、当時は海外ツールが主流且つ、ほとんどのツールがスクレイピングでデータを取得していたため、結構データが煩雑なのに問い合わせも難しいという状況でした。公式のインサイトが出た後は、インサイトの数値を目視で確認し手打ちでデータをまとめてから分析をするという状態でした。
目視確認でデータを手打ちするって、めちゃくちゃ非効率なんですよね。凄い単純作業なのに、ミスや漏れが生じる可能性が高い。でも時間はかかるし、やってる人の気力も奪う。良いことが無いんですよw
そんな課題感を感じているタイミングで、Facebookから新たにインサイトデータを取得できるAPIが提供されることになり、自分たち自身の課題を解決するためにも分析ツールを開発しようとなったのが、SINIS構想の始まりです。
SINIS 1年目(2018年9月~)
構想から3カ月くらいでリリースしたSINISですが、最初の半年くらいは特に何もしていませんw
とりあえず、自分たちの手間を削減するために作りましたが、せっかく作ったので同じように困っている人にも使ってもらえるのではないか?と思い、全ての機能を無料で開放していました。(全ての機能と言っても、今と比較すると1/5くらいしか機能が無かったと思います。)
まあ、あわよくばリード獲得にはつながるのではないか?くらいは考えていましたね。
そんな感じでリリースしたSINISだったので、特に広告をかけるわけでもなくSINISを展開していたのですが、たまたま「Instagram分析」関連のキーワードで検索上位に出ていたのか、利用者の数はどんどん増えていきました。
半年くらいたったころには、約5,000件のアカウントが連携されており、多くの方がInstagramの分析に対して課題を感じているという実感を持っていました。
そこで、SINISを事業化することでより多くの人に、もっと便利に使ってもらえるよう更なる開発を進めることを決めました。
ただ、3カ月で作ったツールに想定よりも速いペースで多くのユーザーがついたため、いたる所で負荷がかかっていることが分かり、まずはリプレイスを進めることとなりましたw
ようやくリプレイスが完了したタイミングでリリースからちょうど1年が経過し、連携アカウントは10,000件を突破しました。
SINIS 2年目(2019年9月~)
競合分析機能や、UGCの分析機能など様々な機能追加を進めました。最初は全ての機能を継続して無料で提供していました。
そして、ついに!
満を持して2019年10月に第1段の有料プランとして競合分析まで可能なSTARTERプランをリリース。翌11月にUGCやファンユーザーの分析まで可能なPROFESSIONALプランをリリースしました。
その頃には、利用者数もさらに伸び連携アカウント数は16,000件を突破していました。更に、リリースに合わせてアドテック東京への出展や、お声をかけていただいたInstagram主催のカンファレンスでブース出展など露出を上げる機会が増えていました。(あこがれのTech Crunchさんにも取材いただきました。嬉しかった。)
正直、これだけの利用者数がいる状況で、ブランディングもうまくできてきているし、初速に大きな期待をしていました。当時、Instagramの価値貢献を見える化することで、Instagramの活用をブームではなく文化に変えてやる!くらいなことをnoteで言ってますね。(今もここは、ぶれていないのですが)
が・・・w まあ、初速は散々たる結果でしたw 課金してくれる利用者もいらっしゃったのですが、想定をはるかに下回りました。
「無料でデータが見られるなら見るけど、お金を払ってまで分析する必要はない」「導入したらどのくらいフォロワーが増えますか?」など、なかなか顧客に価値を理解してもらうことはできませんでした。(今考えると、当時僕たちが目指しているところと市場のニーズがズレまくっていました。)
それでも、「分析することの意味をちゃんと伝えて、分析の仕方を知ってもらえれば価値を感じてもらえるのでは?」と思い、2020年の年明け以降毎週のようにウェビナーを実施して分析の手法についてお話ししました。初回から200名上の参加があり、アンケートの回答もまずまずで、参加特典として初月無料クーポンの配布なども行いクーポン利用者もでてきました。
これは、いけるかも?と思ったのですが3カ月継続した結果、クーポン利用者の継続率は絶望的。ウェビナー参加者は毎回100名前後維持しているし満足度も高い一方で、ウェビナー参加者の課金がほぼ無い状態だということがわかりました。
当時は顧客対応もしながら毎週ウェビナーをやるっていう感じで、めちゃくちゃアクションを増やしていたので、この結果が見えたときは辛かったです。
色々悩んでいたのですが、そのころのSINISはテテマーチの基幹事業であるSNSマーケティング事業部内の1つのプロダクトとして存在しており、専任メンバーがいない状態でした。
そのため、顧客対応が後手に回っている。カスタマーサクセスも十分ではないという課題が見えてきました。ただ、まだまだプロダクトとして安定した収益を生めていない状況で、本当に体制を強化すればPMFさせることはできるのか?安定した成長をさせることはできるのか?確実なことは言えない。それでも、今のままでは改善することは難しい。経営陣と相談し事業部化することに決めました。
テテマーチの期初が6月なので、2020年6月スタートの6期に向けて採用活動に注力することにしました。幸運にも、6月~7月にかけて3名の専任メンバーを採用することができ、事業部として独立した動きを進められるようになりました。
この時は、なんとかメンバーが揃えられたと思っていたのですが、実はここでも1つ反省がありました。それは、ビジネスサイドのメンバーを全員新規メンバーにしてしまったことです。せっかく「SNSマーケティングに明るい会社が提供する分析ツールという強みを持っていたのに、新規メンバーだけでチームを構成してしまったので、せっかく会社が持っているナレッジを取り入れるのに時間がかかってしまいました。(メンバーのせいではなく、僕の考えが至っていなかったなと反省です。)
1年たった今では、SINIS事業部のメンバーはAPIやInstagramの仕様についてはSNSマーケティング事業部のメンバーよりも知見を深めていますが、Instagramの分析という専門性の高い知識を入れるところで、最初は苦戦させてしまいました。
社内で新規事業を立てる際は、新規採用をしても良いが社内のメンバーも抜擢することをお薦めします。
ただ、専任のメンバーを置いたことで、2020年6月以降秋にかけてはそれまでと比較して順調に導入を伸ばすことが出来ました。
SINIS 3年目(2020年9月~)
事業部化して最初の数カ月は堅調に有料アカウントが伸びていきました。ただ、事業部化したことでそれまで案分だったコストも明確に分けられていたため、立てた計画は非常に高い目標となっていました。伸長はしているものの6期の序盤から事業計画との乖離が生まれていました。更に、11月、12月と急激に低迷してしまいました。SINISをやっている中で1番きつかったのがこの頃です。新メンバーに参画してもらい事業部化して半年足らずで原因不明の停滞。去年の年末は本当に辛かった・・・。
ただ、2021年年明け以降は回復し、少しホッとしました。色々やってきた結果、SaaS事業の戦略について色々と再考しないといけないという考えが高まっていきました。もちろん、有料版を出すタイミングでLTVやCACなど一般的なSaaSの考え方は一度インストールしてたのですが、最初の数カ月だけ計測していたものの有効性が見えずに管理するのをやめてしまっていたのです。
そこで、改めてSaaS事業の経験がある方にアドバイザリーとして入ってもらい、セグメントの切り方やLTVやCAC、ユニットエコノミクスの考え方を再インストールし、7期(2021年6月~)の計画を再考したのです。昨年末に急激に停滞したときに1番良くなかったのは原因が特定できなかったこと、改めてセグメントを分けてそれぞれ課金と解約を見ていくことでどこに課題があるのか?を見える化することの重要性に気づくことが出来ました。
並行してSINISのCSがしっかりと顧客と向き合ってくれたおかげで、2021年に入って以降、有料プランの新規導入数は堅調に伸びました。また、2021年1月にスタートしたInstagram運用を支援する代理店向けのPARTNERS制度に参画いただく企業も増え、2021年6月からスタートしたテテマーチ7期の1Qは見事目標を達成することが出来ました。
SINISのこれから
SINISはInstagramのマーケティング活用に携わるすべての方へInstagramの分析をもっと便利に、簡単にするサポートをしてきました。SINISがサービスを開始してから3年が経過し、当時はSINISの活用面談をしてもほとんどの担当者さんがフォロワー獲得のみを会社から求められているという状況から、昨今はInstagramのビジネス活用も多様化しフォロワーだけではなくエンゲージメントやUGCなど計測したいものが多岐にわたってきていると感じています。
以下は、セミナー用に用意した資料ですが、公式アカウントをグロースさせるためには競合分析も並行して行うことが効率的だったり、公式アカウントだけでなくUGCやインフルエンサーとのタイアップも行い多面的に消費者にブランドの情報を訴求することが必要とされていると考えています。
この全体像にこたえるために、SINISには3つのプランを用意しています。SINISではLITEプラン(無料)⇒ 自社分析
STARTERプラン(月額1万円)⇒ 自社分析・競合分析
PROFESSIONALプラン(月額5万円)⇒ 自社分析・競合分析・ユーザー分析(クチコミ&ファンユーザー)
※Instagramにおける3C分析と呼んでいます。
まだまだ、自社アカウントの運用だけに注目されている企業が多いと思いますが、視野を広げたInstagram活用を知っていただき、Instagramのビジネス貢献を体感できる企業を増やしていきたいと考えています。
また、昨今では1ブランドが運用するInstagramは1アカウントだけでなく、店舗アカウントや、スタッフアカウントなどマルチレイヤー化するケースが増えてきていると感じています。
特に、アパレルや飲食店、美容クリニックなど、限定の取扱商品やメニューなどローカル情報は店舗アカウント、コーディネートや施術例など個人の技術にやセンスに依存するパーソナル情報はスタッフアカウントから発信することで、効果的にInstagramを活用されるケースも増えています。
そこで、SINISでは昨年末より「複数アカウント一括分析プラン」という、複数のアカウントをマクロ分析できるプランも提供を開始しました。
そして、国内最大の33,000件の導入実績を持つSINISの強みを活かした新しいプロダクトもリリースしました。それが「monosashi powered by SINIS」です。
これまで、私たちも感じていたInstagramのマーケティング支援の大きな課題として、「基準がわからない」というものがありました。
・数値が低調なのはこのアカウントが良くないのか?業界全体的な傾向なのか?
・右肩上がりに成長はしているものの、本当に良いペースなのか?
・上司やクライアントから達成が難しい目標を求められるが説得できない
業界の傾向やトレンドを数値で見ることができないからこそ、基準がわからず経験則や肌感に頼ってしまいがちなInstagram。そのInstagramの基準を測る「ものさし」をSINIS内の33,000アカウントのデータを活用し提供していきます。
更に今後は、monosashiで得たビッグデータの一部を通常のSINISにも取り入れていくことを検討しています。データ管理を簡単にするだけでなく、その数値が妥当なのかどうか?を判断する基準もSINISで確認できる。基準がわかれば、現状が良いのか悪いのかの判断を付けやすくすることもできると考えています。
また、当初から考えていたInstagramのマーケティング活用をブームではなく文化として定着させるために、SNSの実利貢献を可視化するプロジェクト「サキダチラボ」もスタートしました。
このプロジェクトでは、事業会社と連携して、売上データや来店データ、ECサイトのアクセスデータなどとSNSデータがどのような関係を持っているのか?を調査しています。SNSのこの数値が上がれば「来店に繋がる」「売上に繋がる」そのようなビジネスへのSNSの貢献を見つけることで、SNSは「やったほうが良い(want)」ではなく、「やらなくてはならない(must)」にしていきます。また、そこで得たナレッジをSINISも落とし込み、見るべき指標をもっと明確にしていければと考えています。
最後に、順調に走り出した7期目ですが、1つだけ既に今期の目標で未達成となっているところがあります。それが人員計画ですw
現在、SINIS事業部では全方位的にメンバーを募集しています!ご興味ある方は是非カジュアル面談からどうぞ!
SINISで募集している職種
・カスタマーサクセス
・インサイドセールス
・マーケティング
・エンジニア
・デザイナー
これからもSINISを通してInstagramマーケティングの支援を便利に、簡単にするだけでなく、Instagramの実利貢献を見える化し、Instagramマーケティング市場を盛り上げていきます!
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