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騒音

 外野がうるさい。勉強しろだとか将来はどうするだとか、毎日毎日うるさい。大人になっても続くのかしら。そんなのたまったもんじゃない。ならば消せばいい。そう提案したのは悪魔。そして私は契約した。一人、また一人と消えていく。
「もうやめなさい」
 ママが言う。うるさい。だから消す。やっと静かになった世界で、私は呼吸ができる。そう思っていたのに。
 どれぐらいの時間が流れたのか知らないけれど、今では無音がうるさい。

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