●200字小説「祈り」
発熱、頭痛、喉の痛み、鼻水、倦怠感。まぎれもなく俺は病人だ。
スマホを掴むが、両親は遠方だし、頼れる友人もいないし、恋人には俺の浮気が原因で振られたばかり。
その時インターホンが鳴る。画面に笑顔の男が映る。
「今、あなたは幸せですか?」
宗教の勧誘か。正に神の救いだ。
「初対面の人に頼むのもなんですが、実は熱が出ていて全身もだるくて。それでーー」
「1日も早い快復をお祈りします」
祈りよりもポカリをくれ。
発熱、頭痛、喉の痛み、鼻水、倦怠感。まぎれもなく俺は病人だ。
スマホを掴むが、両親は遠方だし、頼れる友人もいないし、恋人には俺の浮気が原因で振られたばかり。
その時インターホンが鳴る。画面に笑顔の男が映る。
「今、あなたは幸せですか?」
宗教の勧誘か。正に神の救いだ。
「初対面の人に頼むのもなんですが、実は熱が出ていて全身もだるくて。それでーー」
「1日も早い快復をお祈りします」
祈りよりもポカリをくれ。