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ノート

「ノート」って響きが好き。昔っから好き。
なんかわからないけどその言葉を聞くと、テンションが上がるのと同時に、知的な自分が湧き上がってくる。

雑貨屋文房具屋で色とりどりのいろんなノートが陳列されているのを見る。
ワクワクする。
目に留まったものを手に取って開く。
罫線だけが引かれた真っ白なページ。
ここに文字を埋め尽くしたい!という衝動に駆られる。

でもいざ買ってみると何を書いたらいいかわからなくなる。
真っ白なページに書く一文字目。1ページ目。
そこからノートの世界が始まってしまう。
使い方や書きたいことが見つかっても、果たしてこのノートにそんなことを書いていいのかと戸惑ってしまう。

それでノートを手に入れてテンションが上がっていても、しばらくうーんと唸ってしまう。
このノートはどのように使ってあげるべきなのだろうか、と。

その点、今まで使ったノートの余ったページとか裏紙とかは気が楽だ。本業が終わった後の紙たち。もうどうとでもしてくれって感じが伝わってくる。
だからこちらも書きたいものを思いっきり書ける。躊躇なく楽しめる。


手書きは好きだ。でも、他の人に見られてしまうリスクを感じると書けなくなる。
以前お気に入りのノートに日記を書いていたことがあったが、保管の方法に困った。あとで見直すために取っておきたい気持ちもあるが、ふとした拍子に他人に見られてしまったらと思うとゾッとする。それだけ、日記の中には私の全ての思い、考え、隠したい本音がダダ漏れだった。
試行錯誤の末、アナログの愛おしいノートを諦め、スマホ上で書くようにした。

学生時代のノートは私の財産だった。どの参考書よりも自分にとってわかりやすくて使えるものを、と思ってノートにまとめるのは工夫を凝らしていた。あのような使い方は好き。それで一冊使いきれれば満足感がすごい。一冊の物語が完成した気持ちになる。
勉強気分じゃない時もノートを書いてる時間は好きだったので、楽しんで続けられた。

私はノートが好きだ。真っ白なノートはここにどんな世界を広げようかとワクワクする。
でも緊張感が生まれる白。
私は結局この白から逃げて、切れっぱしの白に頼っていくのかも。

〜愛おしいものシリーズ第4弾〜

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