すべての中小企業に、パワハラ監査を義務付けよう!
GW明けに、上司のパワハラが原因で自殺した若い銀行員のニュースを読み、
暗澹とした気分になってしまった。
いわゆる「パワハラ防止法」が施行されて久しいが、違反しても罰則のないこの法律、果たしてどれだけ有効性があるのだろう?
パワハラ加害者はそもそも人間性に問題がある場合が多い。
そのため、簡単に対処できる問題ではなく、
たとえパワハラが行為が無くなったとしても、
被害者の精神的被害はすぐに癒せるたぐいのものではない。
パワハラ被害にあった人は、一体どう行動するのがベストなのか?
「どうせ解決できないのだから、転職すればいい」という意見がある。
だが、日本では転職が容易ではない上、
そもそもなぜ被害者側だけがそんな負担を背負わなくてはならないのか
納得が行かない。
被害者が望むのは、パワハラ行為を止めてもらうだけではなく、
やはり「加害者が正当に処罰されること」ではないだろうか。
一方で、大企業はともかく、予算もスタッフも不足している中小企業にとって、「パワハラ対策」が難しいことも理解できる。
「相談窓口」が整備されていない大半の中小企業では、パワハラ被害者は誰にも相談できずに孤独に問題を抱え込むしかない。社員数が少ないと、社内に相談できる同僚がいない場合も多いだろう。
さらに、中小企業では、経営者やそれに準じる者が自ら(意識せずに)パワハラを行っているケースも多い。
例えば、一人の有能な社員が経営を回している場合、その人がパワハラ・セクハラを行っても、社長はその人を罰することができず、逆に被害者を追い出しにかかるケースもある。
そこで提案だが(誰にだ)、
すべての中小企業の人員(社員・非正規雇用者・アルバイトなど全スタッフ)に、公費で「パワハラ実態調査」を義務付けたらどうだろう。
スタッフ全員に、オンラインで「パワハラに関する匿名アンケート」に回答してもらい、例えば過半数のスタッフからパワハラの事実が上がってきた場合、国(or地方自治体)がその会社に調査に入るのだ。
そして、パワハラ加害が疑われるスタッフに対して、
①パワハラ教育講座の受講
②講座後の理解度チェック・作文
③実際にパワハラが認められる場合は、被害者への謝罪
を義務付ける。
さらに、会社に対し、
①防止対策の策定
②半年後・1年後の改善度チェック
を義務付け、それに違反した場合は罰則として、
被害者に対する損害賠償および、会社名公表、転職サイトにその旨を記載する。
果たしてこれは厳しすぎるだろうか?
いや、全然厳しくはない。
そう思うのは自分自身が、パワハラの横行する中小企業での勤務経験があるからだ。十数名ほどのその会社では、社長とその元愛人でサイコパス(M)による専制経営が行われていた。
Mは自分が気に入らない社員がいると、とことんいじめ抜き、社長と結託して追い出しにかかる。私が在籍した数年間に果たして何人追い出されたことか。結局、私もその一人だったわけだが。
私は転職に成功したが、問題は2つ残った。
①トラウマを克服できず、自尊心は傷ついたまま
②被害者が増え続けるリスクを解決できないまま会社を去った
残念なことだが、
この世から完全にパワハラを無くすことはできないだろう。
ならば、実効力のない法律だけに頼るのではなく、
「被害者保護」を第一に据えた対策を1日も早く実施すべきだ。
さもなければ、この先もいくつもの不幸が繰り返されるだろう。