自分らしい人生を生きるためのヒント
先日、仲間と共に周囲にお声がけさせていただいた「社会人のキャリア教育アンケート」ですが、非常に嬉しいことに3日間で400名超というとても多くの方々にご協力いただくことが出来ました。感謝しかありません。ありがとうございました。
人は働くうえで、どんなときにどんなことで悩むのか、そしてその悩みはどのように晴れていくのか・・・等々いただいたデータから色々なことが見えてきました。
基本的に今回のデータを参考にして今後の取り組みを考えていくのですが、折角なので集計の一部を共有させていただくことで、何かのヒントになるのではと思い抜粋してまとめてみました。ご回答いただいた方々のキャリアのお悩み情報が、皆さんが今後自分らしい人生を生きていくための何らかのヒントになれば幸いです。
まず、今回アンケートに回答いただいた方々の属性です。
アンケートにご回答いただいた方々の属性
こうしてみると男性は40代のボリューム(オレンジ)が多く20代(青と赤)が少ないですね。自分たちの周囲に声をかけているので仕方ない(私が45歳なのでw)ですが。一方、女性は各世代満遍なくといった感じです。現在20代若手男性の声は、今回のデータから見えにくいかもしれないことをちょっと意識しておくと良いかもしれません。
また回答いただいた方々は、男女ともに20代の頃は1000人以上の比較的大きな規模の企業にお勤めになられていた方が多くなっています。
新卒ですぐにベンチャーにチャレンジした、という方の回答は少な目でした。学歴大卒、新卒ではまず大手へ就職した方々(若手男性少な目)というのが今回のアンケート母集団の属性になります。
では、早速アンケート内容に入っていきます。
社会人になってキャリアで初めて悩んだ時期は?
初めての悩み。こちら男女間でグラフの波形は似ています。社会にでて早いタイミング、1~3年目に多くの方が悩まれていることがみてとれます。そしてこの悩みの中身についてですが、ここには男女で共通する項目と異なる項目がありました。
グラフでみるとこのような感じです。「仕事内容」、「評価・報酬への納得感」については男女共通しての悩みである(がゆえに、「いまの会社にずっといてよいのか?」の悩みにも繋がるのでしょう)のに対して、男性には職場の「人間関係」で悩む方が多くみてとれました。男性のほうが精神的に大人になりきれてないのでしょうか?なんとなくわからなくはないです。学生ノリが抜けないというか。。あくまで主観ですが。
あと、このタイミングはまだ「キャリアビジョン」で悩むという感じではなさそうです。
さて、このキャリア序盤での悩みはどうやって晴れた(晴らした)のでしょうか?
悩みを晴らした手段については男女での違いはほぼありませんでした。「転職・転職活動」によってというのが最も多く、また興味深かったのは「仕事で成果が出た、仕事が面白くなった」が多かったことです。
つまり、意気揚々と社会に出てみたものの、当然ながらスキル的にも未熟な新人です。思うような(自分はもっと出来る!という理想も高いのか?)成果を出せず「仕事があってないんじゃないか?」「もっと評価されてもいいんじゃないか?」「こんなはずじゃないのに」と悶々とする。そういった状況を職場ごと転職という手段で変えてしまうことで悩みを晴らす、もしくはグッと我慢して頑張って仕事が出来るようになってくると自然と面白くなり悩みが晴れていく。仕事や職場を自分にあったものに変えるのか、その仕事を頑張って「上手になる」のか。
どちらが良いかという点はここでは論じませんが、要するにキャリアの序盤の悩みは、「上手になれば面白くなる」そうすれば解決していくという案外シンプルな方程式なのかなと感じました。
さて次です。
社会人になってキャリアで一番「深く」悩んだ時期は?
「深く」悩むのはいつでしょう。こちらは男女で波形に違いがみえます。男性は7~9年目(29歳~31歳頃)が突出しているのに対して、女性は4年目~15年目(26歳~37歳頃)と分布がなだらかに広がっています。なぜこういった違いがでるのかとても興味深いです。男性にとって30歳という年齢の節目に何かがあるのか(気持ちの問題なのか)、女性は年齢というよりもライフイベントに影響を受けやすく、昨今ライフイベントの起きる年齢幅が広がっているということなのか・・・などと想像が膨らみます。
さて、この「深い」悩みの中身をみてみます。
キャリアで初めて悩んだこと、と深く悩んだことで比較してみると、男性は「仕事内容」と「人間関係」については若い頃ほど強く悩み、女性は「仕事内容」について比較的永く悩み続けるように見受けられます。
また注目すべきは「キャリアビジョン」について、男女ともに深く悩むテーマとして存在感(特に男性は仕事内容や報酬・評価への納得感以上にグンと伸びています)が出てきている点かと思います。仕事が出来るようになってきた一方で、キャリアビジョンが描けないということについては深く悩む人が増えてくる様子が見てとれますね。
※一方、意外だったのは世間的によく言われる「ワークライフバランス」には皆さんあまり悩んでいない点です。仕事大好きな方々からの回答が多かったからでしょうかねw
さて、この深い悩みはどうやって晴れていくのでしょうか。
こちらも最初の悩みを晴らしたプロセスと同様に、男女とも転職・転職活動によって悩みが晴れていった方が最も多く、その他、やりたいことが見つかったり、仕事で成果が出て面白くなったことで悩みが晴れたという方が多くありました。いかに深く悩んだとしても、それが仕事内容からくるものであった場合、やっぱりここでも「上手になれば面白くなる」の法則が当てはまってきそうです。
一方、興味深かったのは「自分自身で考えて」悩みを晴らしたという方が多くいたことでした。「社外の方の影響」というのも目立ってきています。
「自分自身で考える」とは?
自分自身で考えて、もしくは社外の方から影響を受けて深いキャリアの悩みが晴れる、というのは一体どういうことを指しているのでしょうか。
前述のとおり、深い悩みの要素の一つであった「仕事内容」については「上手になれば面白いの法則」で解決できそうです。とにもかくにも更に仕事の腕を磨いてもっと上手になることですね。
一方で、別の深い悩み要素である「キャリアビジョンが見えない」についてはちょっと違ったアプローチが必要そうです。そう、まさにこれこそ自分自身で考えなければいけないテーマといえます。また深い悩みであるからこそ、晴れたときはパワフルにもなれるはずです。悩んで悩んで悩み抜き、ときに社外の方にも助けを仰ぎながらあらためて自分自身のビジョンを明確にできたとき、つまり「キャリアの旗」が立てられたとき、人は心のモヤが晴れパワフルに前に進み始めることが出来るようになった、自分自身の実体験とも照らしながらそんな皆さんを想像をしながら集計データを眺めさせていただきました。
「キャリア→人生の旗」のちから
ここからは少しアンケート回答から若干横道に逸れ、前述した「キャリアの旗」のもつちからについて触れさせていただこうと思います。
「キャリアの旗」とは、単なるキャリアの目標にとどまるものではないと考えます。それはあたかも遠く真北に輝く北極星のように自分自身がいかなる状態であっても顔を挙げれば目指すべきものとして常にそこにある揺らがないもの(自分は必ず〇〇になる!)である場合もあったり、一方で遠い目印のように目指すものではないものの、手元にあるコンパスのように自分自身がいま進むべき方向を指し示すもの(迷ったらワクワクするほうへ、迷ったらワイルドなほうへ、といった)である場合もあります。
昨今時代の変化はますます激しさを増し、先が見通しにくくなっています。しかし、だからといってその変化に飲み込まれていては自分の進む道はただ時代に翻弄されていくだけ。変化に飲み込まれるのではなく、流れに対して強くしなやかであることが大切です。そしてそのしなやかさを生みだすのが、「こうなりたい」、「こうありたい」、「これを大事にしていきたい」という旗なのです。
混迷の世の中においても、この旗が定まればその日々の一歩一歩が力強さをまし、日常がワクワクで彩られていきます。旗が明確であれば仲間も支援者だって集まってきます。まさにそこからが自分の人生を歩み始めるということなんだと思います。(そんな大人で溢れる世の中を想像するだけで楽しくなってくるのはきっと私だけではないはず!)
これが我々の考えるキャリア、いやすでにキャリアに限定されない「人生の旗」が持つちからです。
そして、こんな素敵な力をもつ「人生の旗」。自分で考えて立てるものですが、このプロセスにはある種の技術が必要となり、実はそう簡単なことではありません。だからゆえキャリアビジョンについて深く悩む方はいつの時代でもいなくなることはないと考えています。もし自分自身の旗を立てられずに悩んでいる方がいらっしゃれば遠慮なくいつでもお声がけください。
是非一緒に考えていきましょう!
アンケートのご協力ありがとうございました
最後に、今回「社会人のキャリア教育アンケート」にご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。生々しい体験談コメントなども全て目を通させていただきましたが、本当にたくさんの気付きをいただくことが出来ました。心より御礼申し上げます。
ご依頼時のfacebook投稿にも記載しましたが、私自身ミライフの仲間とともに、「これから大人になっていく子供たちが「働く」ということに希望を持っていけるよう、子供たちが憧れるカッコいい大人が溢れる世の中を創っていく」という旗を掲げ、今回のデータも参考にしながら微力ながら活動してまいりたいと思っています。応援いただけたら嬉しいです。
では、ここまでお読みいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。