需要予測とは?課題・種類・方法やEXCELでの例と、AIを活用したポイントを解説
需要予測とは、過去の販売データなどを参照し、自社の商品やサービスがどのくらい売れるのかを予測することを指します。
正確な需要予測を行うことは、企業活動においてとても重要です。
なぜなら、この需要予測に応じて、商品の増産や、サービス提供のために人材を確保を行うためです。的確に需要予測を行うことによって、コストを抑えることにも繋がります。
精度の高い需要予測は企業の成長にとって必要不可欠だと言えるでしょう。
しかし、精度の高い需要予測は難易度が高く、属人化する恐れのある業務です。そのため、近年では需要予測にAIを活用する取り組みが注目されています。
この記事では、需要予測の課題や、AIを活用した需要予測のメリットなどを紹介します。
需要予測とは
先に述べたように、需要予測とは、自社の商品やサービスの需要を予測する取り組みです。
納期までに余裕がある場合は、受注してから生産を開始することができます。
しかし、近年では納期が短縮傾向にあり、見込み生産や見込み調達が当たり前になってきています。
そのために役立つのが需要予測です。
実際より見込みが大きいと、余剰在庫を抱えることになり、見込みが小さいと、機会損失を引き起こしてしまいます。
あらかじめ売れる量を正確に予測し、資材を調達し、生産体制を敷くことが重要です。
需要予測は仕入れのほか人員配置、設備投資、資金調達など企業活動すべてに関わる重要な工程であると言えるでしょう。
需要予測の4つの課題
企業活動において重要な需要予測ですが、課題があります。
例えば…
「需要予測といっても、前年度実績を流用しているだけで、正確な需要予測とは程遠い」
「需要予測が大きく外れて、余剰在庫を抱えてしまった」
「現状、需要予測は担当者の勘や経験に頼っている」
上記のように、需要予測はさまざまな問題を抱えているのが現状です。
以下、その課題4つを詳しく説明します。
1.属人化しがちな需要予測の業務
需要予測には、高度なノウハウが必要です。
過去の実績や経験などが必要となるため、需要予測は属人化することの多い業務だと言えます。
もし、その担当者が退職したとしたら、需要予測の業務を行うことのできる人材が不在となってしまいます。また、同じ担当者が継続して同じ業務に当たることは、人材流動の硬直化の要因にもなります。
2.不確かな勘や経験に頼って需要予測を行う
需要予測が属人化しがちな業務となってしまう要因に、不確かな勘や経験などによる業務のブラックボックス化があげられます。
需要予測にはデータ分析などの専門知識が必要なため、精度高く行うことは困難です。
外資系の企業でフォーキャスターと呼ばれる専任の需要予測担当者がいることからも、その困難さがわかります。
データの推移から需要予測を行うためには、専門知識が不可欠と言えるでしょう。
3.需要予測と営業目標を同一視してしまう
需要予測は、主に商品・サービスを売る営業側(供給側)と、需給側の立場があります。
営業側の立場になると、売り逃しの機会損失を避けるため、商品・サービスを過剰に見積もる傾向があります。
これは需要予測ではなく、あくまで営業目標です。
需要と供給、その両方の立場から、需要予測を立案する必要があります。
また、自社内にノウハウが十分にない場合、前年度実績などを元に精度の低い需要予測を立ててしまいがちです。
4.需要予測を立てる商品・サービスが多すぎる
多様なニーズに応えるため、世の中にある商品・サービスは増加する傾向にあります。
需要予測を立てる商品・サービスは数個から数十個であれば、まだ人の手で対応できる範疇内ですが、それが数千個に上った場合、とても対応できません。
人の手によって同じ精度で需要予測を立てることは、不可能でしょう。
売上の大部分を占めるAランク品のみを抽出し、その需要予測のみに注力するといった方法もありますが、おすすめできません。なぜなら、Bランク以下の商品・サービスが作っている売上をおろそかにすることに繋がるからです。
数多くの商品・サービスの需要予測を担当者が人力で行った場合、ミスを犯すこともあるでしょう。
需要予測のミスは、企業活動に大きな影響を及ぼします。
一方、AIが需要予測を行った場合、疲れることもミスをすることもなく、瞬時に結果を算出することが可能です。
EXCELで使用できる需要予測の具体的な手法
需要予測には、どのような方法があるのでしょうか。EXCELでも使用できる、代表的な分析方法について1つずつ紹介していきます。
◆時系列分析法
時系列分析法とは、過去の販売データを元に分析する方法です。時系列分析法は、過去数年分の実績データがある場合に使用可能です。状況によっては、以前のトレンドなども交えて分析します。
◆算術平均法
算術平均法は、過去のデータの算術平均を計算するものです。
今後も同じく不規則な変動が続くものとして、算術平均値を「予測値」とします。
誤差のある測定値を分析するときにも役立つ方法です。
算術平均法は、少数の極端な数値の影響を受けやすい点に、注意が必要であると言えるでしょう。
◆回帰直線法
回帰直線法は、上昇傾向、または下降傾向にあるデータを分析する際に使用します。
データの流れを直線で表すタイプのもので、関数をデータに当てはめることによって、数値が変動した場合の予測ができるようになる手法です。
散布図に直線を当てはめるため、関係がわかりやすいというメリットがあります。
◆移動平均法
移動平均法は、仕入れ・在庫に変化があるたびに平均単価を算出して売上原価とし、棚卸資産の評価額を算出する方法です。
利益額を求める際に重要な方法と言えるでしょう。
◆加重移動平均法
加重移動平均法とは、過去のデータよりも現在のデータほど重く扱う手法で、過去のデータになるほどに、その重みを等間隔で減少させていく手法です。
場合によっては、先に紹介した移動平均法より正確な予測ができます。
◆指数平滑法
指数平滑法は、時系列データから予測値を使って需要を予測する手法となります。
前回の実績値が、予測値とどれだけ乖離していたかを確認し、予測値を割り出します。
こちらも、過去データよりも直近のより新しいデータに重きを置いて算出を行う手法です。
◆ホルト・ウィンタース法
ホルト・ウィンタース法は、傾向と季節性の両方に重きを置く時系列予測の手法です。
また時系列データが少ない場合は、季節指数が作成できませんが、外部で作成したものを使用することができます。
しかし、需要予測を行う商品が季節の変動を受けない場合、活用ができません。その点、注意が必要な手法だと言えるでしょう。
◆多変量解析
多変量解析とは、特定の対象に関するデータの関係性を解き明かす解析方法のことです。
「すでにある店舗の売上や、地域の人口などのデータを参照して、チェーン店が出店した場合の売上を予測したい」といったことにも活用できます。
EXCELをはじめとした需要予測の3つの方法
続きは以下、MatrixFlow記事をご覧ください(無料で閲覧できます)。
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