海外で躍進する日本のアパレルFR2の世界で勝つマーケティング戦略を学ぶ
おはようございます。ドドルあおけんです。
さて、マーケティングの月曜日。今日は、アパレルでグローバルを目指す石川涼さんからブランド・マーケティングを学びます。
㈱せーの 石川代表とは?
いしかわりょう、と聞くと、僕は日本の宝、プロゴルファーの爽やかな石川遼くん(もうさんか)を思い浮かべますが、
今日は爽やかじゃないほうの石川涼さんです。
昨日ご紹介したキンコン西野さんの記事で僕も入っているオンラインサロンの話をしましたが、昨日西野さんがコロナで皆がオンライン化を目指す中でどう戦うべきか、という内容の投稿をしていて、その中で、”才能も、知見も、ブランド力もある人”と紹介していたのがこの石川さん。
僕は存じ上げなかったので早速調べてみるとかなり面白い人なことがわかったので、今日は早速それをシェアです。まず、このサイトにプロフィールがあったのでコピペです。
1975年生まれ。神奈川出身静岡育ち。20歳のときに上京。アパレル業界に入り、実務での実績を4年間積んだ後に独立。24歳でアパレルブランドを立ち上げ起業。10代~20代の男性に大人気のブランドを数々手がける。渋谷109メンズフロア等で圧倒的な人気を誇るファッションブランド“VANQUISH”の創設者であり、衣料品及び雑貨の卸売・販売(ネット通販事業、直営店事業)、店舗開発事業、メディア開発事業、ライセンス事業等多岐にわたるビジネスを展開する株式会社せーの代表取締役。社長業の傍ら、ネット番組レギュラー出演、雑誌連載等もこなす。
キャラクターがうさぎに決まったワケ
石川代表が現在展開するのが、うさぎのカメラマンをブランドの真ん中に据えたブランド。
fxxkingrabitsのアカウント名でインスタ展開していて、現在グローバルで22万人のフォロワーがついている。
インタビューで、なぜうさぎ?と聞かれた、石川代表の回答が面白すぎです。
自分が兎年だったからってのもあるんだけど、草食系に見えて実はウサギがいちばん動物のなかでセックスするらしいんですよ。俺も超セックスするからちょうどいいやって(笑)。だからウサギ以外はあり得ないみたいになった。
西野さんと同じ匂い(笑)ふたりの波長があうのもわかる気がします。
ちなみにアイコンはこんな感じ。たしかにFxxking Rabits(=2)
きわどさ✗インスタで勝負
なぜうさぎ?、はわかったとして、なぜ、カメラマン?というところでは石川代表の時代を読み取る嗅覚と戦略的思考を垣間見ることができます。FR2のターゲット層を聞かれた2016年の段階で石川代表はこう答えています。
うーん、正直あんまり考えてない。そもそもなんでカメラマンに向けた服をつくろうかと思ったかというと、世界が写真中心のコミュニケーションになってると思ったから。だから俺もカメラをはじめて。みんながiPhoneの写真をアップするとなると、基本的には同じクオリティなんだよね。だから誰が見ても明らかな差を出したいと思ってちゃんとカメラをやろうと思った。Instagramもここまで流行るとは思ってなかったけど、世界の人たちがフラットに使っているから、そこで人気になれば世界で人気があるということに直結している。
FR2のインスタにはきわどい写真がたくさん出てくる。
お尻が好きって本人も言っているので趣味も兼ねてだとは思いますが、かなり戦略的で、代表はこんなふうにいっています。
結局、ウサギのカメラマンはプロじゃないからさ、Instagramの中で抜きん出た存在になるにはヌードが一番早いなって思ったの。世界の人みんなが共通で好きだし、言語で説明しなくていいじゃん。プロかアマかもあまり関係ない。見た人がどう思うかだから。
応募すると自分も撮って欲しい!という女の子がたくさん来るみたいですよ。昔はどう脱がすかがんばってたけど、今は勝手に脱いでくれるからスーパーハッピーらしいです(笑)
服には意味がいる
ここまではちょっと過激なやり口のほうを中心にお伝えしましたが、ここからはもう少し石川代表のビジネスマインドを掘り下げてみます。
2015年に立ち上げたFR2。これまでずっとアパレル業界で服を売ってきた石川代表ですが、これから目的がないと服は売れなくなるという危機感があったようです。インタビューではこんなコメントをしています。
この時代、何かに紐付いている服しか売れないなと思って。例えば「キャンプに行く服」とか「釣りに行く服」みたいに明確な「目的」がないと洋服を買う意味が感じれなくなってきている。そこで、ただの洋服だともうきついから、カメラマンが着る服っていうコンセプトがある。それがないとUNIQLOでいい。
別のインタビューでは、「No SNS」と書いてあるTシャツを石川代表が着ていて、気になったインタビュアーは、そのTシャツはどんな意味ですか?と聞く、という流れがあったのですが、その回答の中で、服が人同士のコミュニケーションツールになるように設計している、と言っていました。
単なる、素材とかカタチのデザインということにフォーカスしてしまうと、それはもうだいたいUNIQLOでいいわけで、その土俵に乗らず、石川代表は、服を自分を着飾るものから、コミュニケーションを生み出すツールとして再定義して、コミュニケーションの中で際立つための意味のデザインをし、その意味を売っている、といえそうです。
グローバルが前提
現在FR2が展開している店舗を探そうとサイトに行ってみると香港、中国、フィリピン、タイ、シンガポール、オーストラリア、サウジアラビア、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリアなど本当にグローバルにリアル店舗を展開していることに驚きます。現在102店舗。
インスタグラムプラットフォームを活用して上手にコミュニケーションをコントロールできれば、世界規模でブランドが作れることを実証しています。
この規模で展開している日本企業ってあんまりないですよね。たんなるエッチな服屋さんではないことがこの1枚の写真でわかります。すごい。西野さんが”才能も、知見も、ブランド力もある人”と言われる意味がわかります。
石川代表は別のインタビューでグローバルへの向き合い方についてこんなふうに言っています。
「日本は島国で人口もある程度いるので国内向けのビジネスで成立していたが、選択肢が圧倒的に増えた今、消費者を一つの方向に向かせるのは無理。服屋だけではなく、いろいろな産業にとって世界がライバルになった。昔のように、日本だけでは大きい商売はもうできない。日本から流行るものは出てこない。とにかくグローバル企業になっていかないと生き残れない」。
グローバル企業になろう!ではなく、グローバル企業にならないと死ぬ、って言っています。世界中を飛び回って実際にビジネスをやっているからこそわかる感覚です。
このインタビューの中で、石川代表は、日本人でパスポート持っているの3−4割で、そのうち9割の人が1回しか海外に行っていない。それはだいたいハワイとかグアムとかのリゾート。圧倒的にグローバルの経験値が少ないといいます。
代表は2010年からグローバル展開をはじめて、53カ国に行ったといいます。その経験から、これまで日本国内では日本人向けにすべてのサービスが設計されているものがほとんどだが、石川代表はどんな国の人が来ても同じスタンスで対応できるようにしたいと言っています。
今まで無印、ユニクロ以外であまり海外展開で成功している企業というのはあんまりみかけませんでしたが、「せーの」すごいですね。過激の裏にあるグローバルをとりにくしたたかさ、これからも追ってみたいと思います。
学び、気づき
ということで、今回西野さんからの情報をもとにFR2、そして石川代表についてご紹介しました。今日の学び・気づきをまとめます。
・インスタグラムというグローバルプラットフォームを前提にブランディング、マーケティングを組み上げているのが成功の大きな要因。まず日本ではなく、まず世界のスタンスが大事。
・文章からコミュニケーションが写真に変わっていく、ということを鋭敏に感じ取り、インパクトのある画像で、グローバルにリーチする、という目的がまずあり、そこから”カメラマン”のうさぎというアイコンを生み出すプロセスは、自分が表現したいものを作る、という自己中心的クリエイティブの真逆のアプローチ。
・モノでなく、意味を売る、それを価値として提供し、普通よりも高い価格で買ってもらう。ブランド化=意味化といえるかも。
・ここから、自分ごと化するとすると、誰にどうやってリーチするか、という伝える手段と範囲を予め考え抜いた上で、そこからさかのぼって発信するコンテンツや表現方法を磨いていかないと到達しない、がんばれ。
・また、自分が届けようとしている価値はなんなのか?どんな意味を受け取る人に感じてもらえるのか、そこはドドルのビジネスにしても、このnoteについても継続して考え、アップデート・再定義していく必要がありそう。
ということで、本日のお話は以上です。
明日は、経営戦略、事業戦略の火曜日。KPIとNPSという横文字系を深掘ってみたいと思います。
マーケティングの月曜日
経営戦略・事業開発の火曜日
EC・ロジスティクスの水曜日
DXの木曜日
グローバルの金曜日
文化・教養の土曜日
エンタメの日曜日
それでは、今日もよい一日を。
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