「みんなで始めよう介護予防~続けるコツ~」地域包括支援ネットワーク会議
2024年2月13日に越谷市出羽地区センターで開催された地域包括支援ネットワーク会議にて「みんなで始めよう介護予防~続けるコツ~」というテーマで講義をしてきました。
普段を東京都で働いていることもあり、なかなか地元の埼玉県で専門職として活動することがありません。今回はいろんなご縁があり、地域包括支援センターから依頼がありました。ありがたいことです。
理学療法士にとって介護予防のお話をするのは大したことではありません。私はこれまでのコミュニティ活動を踏まえ、ホルトランステッド、ウォールディンガーのお話も交えながら、地域の皆さんに関心を持ってもらえる内容になったのではないかと思っています。その内容の一部をお伝えします。
地域包括支援センターとは
地域包括支援センターとは、高齢者等の生活に対して必要な支援を総合的に行う機関です。保健師等・社会福祉士・主任ケアマネジャーが配置されています。主な業務は、①介護予防ケアマネジメント業務、②総合相談支援業務、③権利擁護業務、④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務で、制度横断的な連携ネットワークを構築して実施しています。越谷市には13の地域包括支援センターが設置され、今回は出羽地区にある「越谷市地域包括支援センター出羽」での講義でした。
どんな内容?
地域で活動している医療・介護領域の方々に加え、自治会、民生委員など30名強の方々が参加してくださいました。
今回は
1.介護予防って何ですか
2.動けることの大切さ
3.どんな運動が必要?
4.続けるためのコツ
についてお話をしてきました。
介護予防って何ですか?
介護保険法では国民の努力及び義務が述べられています。
第四条 国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。
平均寿命と健康寿命の差に触れつつ、要介護の原因の約6割となる老年症候群について触れました。老年症候群とは認知機能の低下や日常活動能力が低下するもので、介護予防とはつまり老年症候群をいかに予防するかが重要となります。
動けることの大切さ
加齢による身体症状の変化をデータを用いて示し、身体的フレイルについての解説を行いました。フレイルとは健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指します。どのような状態が身体的フレイルと言えるのか、また身体的フレイルによる悪循環についての説明を行いました。
どんな運動が必要?
健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023の内容に触れつつ、中之条研究の結果について伝えました。いろいろな運動や体操がありますが、越谷市での講義でしたので、リセット体操やステップ体操についてお伝えしました。
続けるためのコツ
健康寿命の延伸については触れてきましたが、そもそも寿命にはどのような因子が影響しているのか?また人生を幸せに過ごすためにはどんなことが必要なのか?こういった問いに対して、二つの書籍を紹介しながら説明を行いました。
煙草やお酒よりも「つながりがあること」が寿命には影響しており、つながりによる良い人間関係こそが幸福に生きるために重要である。そして良い人間関係を構築するのは今から始めても遅くない。
こういったデータを元に、地域特性を踏まえた続けるコツをお伝えしました。
まとめ
今回は講義をもとにグループワークが行われました。活発な対話が行われ、様々なアイデアが出ました。地域の課題を解決するのは、専門職ではなく地域の住民です。今回のお話が参加してくださった方々の今後に繋がるのであれば嬉しいです。
また機会を頂ければ越谷市での活動を積極的に行っていきたいと思います。