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15年間「実は嫌だった家具」を買い替えた話

2023年3月31日(金)🌔9.4 🌥5:30-18:01
24:春分  72:雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

 良品週間を利用し、とうとう、無印のスタッキングシェルフを買った。3x5の大きなもの。オーク材。当初はウォールナット材を考えていたが、濃い色は傷が目立ちそうなのでやめた。

背板がないのが不安だったが、なぜか収納力が上がったので詰め込む必要はなかった。
いちおう、別売で低めのストッパーはある

 扉がついているマスが4か所あるが、これは無印と提携している&PAPERS 
のもの。面ファスナーで取り付けている。無印純正の扉はアクリル素材であまり気に入らなかった。
 書類をつっこんだフォルダや、ファイル類を入れたマスは本に比べて雑多な印象で、どうしても目隠しがしたかったので、この&PAPERSの扉がなかったらたぶんシェルフ自体を買っていないと思う。
 棚の上は猫の寝床と猫走りなので、猫ベッドと布以外何も置かない。でも、これはこれですっきり。

 そう、15年。15年間も。
 我が家のこの場所には、夫が一人暮らし時代に使っていた(これがもう、かなりぞんざいな使い方だったのを覚えている。3つのうち1つは半分倒れていた)、無印のパルプボードボックスを3段積み上げて使っていた(ヘッダー画像)。
 パルプ、つまり紙。シミもつく。長く使っていると凹みも出る。本来縦置きすべきものを横置きしていたので、マスが妙に縦長でスペースに無駄が出る。
 ずっとずっと気に入っていなかった。いつまでも部屋に段ボールがあるみたいな気持ちだった。
 でもな…軽いし背板もあるし…特に困っていないし…夫は別に不満を持っていないどころか変わったことをしたがらないし…何より私は贅沢できるほど働いていないんだし…と自分に言い聞かせながら(やはり買い物って尊厳の問題なのだ)、パルプの棚を受け入れようとがんばって15年を過ごしてきた。

 いざ、こうして買い替えてみると、なぜ毎朝毎晩いちばん目につくところに「紙…」と憂鬱な気持ちになるものを置き続け、これほどまで耐えていたのかと思う。思っていた以上に私は耐えていた(もちろんパルプボードも適切な使い方はある)。
 最近は外出中も棚の画像を見てニヤニヤしている。早く家に帰りたい。これはほぼ、猫の写真を見る時と同じ気持ち。
 自分の部屋に同じような問題をかかえているひとは、心の健康のためにぜひ買い替えてほしい。とても心によいから。もう削られないから。それどころかチャージされるから。
 
 今回は自分で稼いだお金で支払った。
 古いパルプボードボックスの回収も、スタッキングシェルフの組み立ても、自分でお金を払って業者さんにやってもらった。
 ケチな私にとっては大きな決断だったが、これが今回のベストチョイスだったと思っている。

 これだけ大きな家具を、搬出して、搬入するとなると、夫の協力が不可欠になる。棚の排出はとても一人ではできない。
 しかも、このスケジュールを区の粗大ゴミ回収と組み合わせるのはとても難しい。
 うちの夫を、本人が乗り気ではないことにつきあわせると、ちょっとしたことで果てしなく不機嫌になることが、あまりに想像できた。

 悲しいことだけれど、私は棚を買うかなり前の段階から、自分の心を守るために、これは夫の力を借りずに一人でやったほうがいいと決めていた。
 そして夫が出張中に私はすべてを実行した。そうすれば、搬出前夜に遅い時間まで本をすべて棚から出し、それをあちこちに置いても、露骨に「邪魔だ」と嫌な顔をされることもない。

業者が棚を組み立てている間の猫、警戒中。

 次は、「賃貸だし、やり方がよくわからないし」と思いながら15年放置していた、シーリングライトを取り外し、何か気に入るものに替えようと思っている。
 これもおそるおそる夫に申し出たところ、「ダサいけど長年ほっといてるからそのままでいいのかと思ってた」と、私の今さらの申し出に少々驚いた顔をしながらも、あっさり受け入れられ(もちろん現状復帰できるように)、心底ほっとしたところだ。

 空間の改善に手をつける気が何年も起こらない理由は、もしかしたら「同居家族が何もしたくないと思っている」というケースが一番多いのではないかと思う。自分のやる気の問題だけじゃあ、決してないのだ。

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