”らしさ”を活かす
こんにちは。ヤマトです。
海士町での日々を綴る、あまちょうだよりWeek3です。
自己紹介はこちら↓
「初夏の島はもう暑いだろう」なんて呑気に構えていたのですが、日中は暑いけども朝晩はまだまだ冷え込むのが実際でした。衣服の調整を怠りがちで、やや鼻声になってきた最近です。
さて、オリエンテーションを経て、活動先が決まりました。今回のグローカルプログラムで活動の拠点となるのは、
【海士町教育委員会 共育課 伝承郷育係】です。
10カ所ほど活動先を紹介していただいた中で、なぜここを選んだのか。直感に導かれた、が正直ピッタリくる表現にはなります。ですが、現時点で考えていることを、ちょこっと言語化して記録してみます。
①島の「祭り」の文化に触れ、海士らしさを経験し、想いを発信したい
島では7月に、夏の例大祭が開催されるそうです。面白いのは「地区ごとに」「数年に1回」の部分。それぞれの地区が、それぞれの周期で祭りを開催するそうで、今年は5地区で夏の例大祭があると聞きました。そしてご縁をいただいて、宇受賀(うずか)地区と北分(きたぶ)地区で、神輿の担ぎ手として祭りに参加させていただくことになりました。
祭りと聞いて思い出すのは、昨年度までいた福岡・田川での川渡り神幸祭。5月の祭りに向けて、地区ごとに山笠のバレンの準備をしたり、獅子舞や奏楽の練習をしたりしていました。子どもも大人も、女性も男性もみんなで作っていく神幸祭は熱量がハンパなく、見に来ていたお客さんにも伝わるような熱気がありました。その熱気こそが、地域の人と人をつなげていたことを、ふと思い出したのです。
海士でも同じように、祭りを通して地域が盛り上がり、団結し、熱気の渦が生まれているのではないか。その祭りに当事者として関わることで、海士の人や文化とつながることができるのではないか。そのように考えました。
海士町での活動の軸を「祭り」に絞り、ここに携わる人の想いや、自身が感じたことを発信することを通して、伝承教育係が目指す「島だからこその価値」「海士町ならではの魅力」を伝えていけたらと、今は思っています。
②グローカル生の架け橋の存在になりたい
今回の私で、JICAグローカル生(グローカルプログラムに参加する協力隊候補生)は10代目になるそうです。「JICAグローカル生のヤマトです!」と自己紹介すると、「あ〜、JICAね。」とほとんどの方に認知していただけます。過去のグローカル生が地域に根ざし、地域の人と、地域のために活動を続けていたことがうかがえます。
顕著なのが、過去のグローカル生による町役場近くにある隠岐神社周辺の活動。ここにはたくさんの史跡がありましたが、竹林で存在が見えなくなってしまったり、雑草が生い茂っていて道が歩けない、といった実態がありました。人手や財政的に厳しい課題がある中で、グローカル生が一役買ったとのこと。
見違えるような景観になり、島民の人も喜んでいたそうです。しかし、時間の経過とともに、また草が生い茂っていました。「ツアーでここを紹介したいけど、紹介しにくくなっている」という声を聞き、過去のグローカル生の活動を引き継ぐ形で関われないかなあと思っています。そして今この活動を行うことで、今後来島するであろうグローカル生が島民の方と関係を築きやすくしたり、活動しやすくなったりしたらいいなと思います。
また、今回お世話になっている知々井(ちちい)地区は、初めてJICAグローカル生がお世話になる地域です。なので、知々井のみなさんとの関係も強く築きたいと思っています。2軒お隣に住むおじいちゃん(町議会議員さん)にお話を伺ってみると、「地域の人の手伝いと、地域の行事に参加することに取り組んでみたらいいだろう」とのこと。それもあって、牡蠣の磨き作業や神社掃除に関わらせてもらってます。顔と名前を全員覚えられたら、活動しやすいかなあ。
地域が、地域であること
海士町は、人口減少、少子高齢化、財政難といった課題最先端地域でしたが、持続可能な地域社会づくり、つまりサステナブルな町を目指している地域です。サステナブルであるとは何か。JICAの講義では、「ある状態がずっと変わらないこと」ではなくて、「常に変化しながらも、本質的な状態や価値が持続されていること」と学びました。例えるなら、川の流れ。川の水は常に変わり、水位も変わる。でも川は常に川である。流入と流出のバランスが取れた状態=動的平衡が、サステナブルである、と。
そんなサステナブルな町、つづいていく町を考えていく上で大切なことは、「 ある地域をその地域にしている本質は何か」ということ。言い換えれば、その地域らしさというか、「この町の何が失われたら、この町ではなくなってしまうのか?」という問い。地域のアイデンティティや本質を失わないことが、重要であると考えます。
先ほどのおじいちゃん(おじいちゃんとは呼べないほどお世話になりつつありますが、あえて愛を込めて。)曰く、「ここは地域の行事が、地域のアイデンティティになっているんだよ」と教えてもらいました。まさにこれだなと。地区それぞれの個性を知ることが、海士らしさを存分に味わえると感じています。「祭り」に焦点を当てているのも、ここが大きいです。
今はまだ、たくさん受け取ってばかりの島生活ですが、それも「ここの者と認められている証」だそう。そして、「とにかく、挨拶から始まる人のつながりを大切に」と語ってくださるその想いに、一つひとつ、応えていきたいと思います。
ここまで。お読みいただきありがとうございます。
◯おまけ
休み?の概念が難しいグローカル活動ですが、ゆったりした土曜日を過ごしました。一部お届け。
読んでいただきありがとうございました!