彼女はサイコパス
…になりたいそうです。
一般的にサイコパスと言えばシリアルキラーのイメージですが、もちろんシリアルキラーになりたいわけではありません。
世界トップレベルのCEOや優秀な軍人、神の手を持つような外科医などにもサイコパスはいるそうです。
最大限の利益を生み出すために、必要な場面で他人の感情に左右されることなく冷酷さを持てるのが「良いサイコパス」。
悪いサイコパスは後先考えずに快楽のために突っ走るタイプ。
彼女は「良いサイコパス」になりたいのだそうです。
いつも他人の気持ちばかり気にして優先してしまう強い共感性を持つHSPの人とは真逆の存在かもしれません。
真逆だからこそそうなりたいと思う気持ちは分からなくもないです。
彼女が読んでいるのはケヴィン・ダットンの「サイコパスに学ぶ成功法則」という本。
良いサイコパスは自分の利益主義なので他人の感情に振り回されることはありません。
これをしたら他人がどう思うかは全く興味がないのです。
そして目的のためなら多少の犠牲を払ってでもとことんやり通す。
目的のために他人を操る能力に長け、それに罪悪感を感じることもない。
文字にするとちょっと怖いですが、HSPの彼女からするとそういうことができる思考がとても羨ましいのだそうです。
本には良いサイコパスになる方法が書いてあります。
サイコパスの考え方を知るということが大きいと思います。
とても繊細な彼女は絶対にシリアルキラーになることはありません。
生まれ持った性質なのでサイコパスにもなれません。
でもサイコパス性を身につけることはできます。
今まではくよくよ悩んでいたことを、他人の感情は他人のもので自分には関係ないと思うようにするだけでとても楽に物事を考えられるようになったと彼女は最近よく言っています。
つい先日彼女の職場でこんなことがあったそうです。
職場のOさんは本当に気の利かない全く仕事のできない、そのくせ自分を棚上げして言い訳ばかりする人。超がつくほどの非繊細タイプ。
彼女よりだいぶ年上ですが、立場的には彼女の後輩だそうです。
連日彼女はそのOさんの仕事まで請け負ってくたくたになっていました。
Oさんが手を抜いている物事に彼女自身は気づいてしまうので、あれもこれもとやっているうちに自分の仕事自体が進まなくなってしまう。
肝心のOさんはやってもらっていることにすら気づかない。
気づかない人だということは分かっているし、ある程度スルーもしてきたけれどもう限界。
これでは自分の身が持たないそう感じたのでOさんに怒りました。
するとOさんは逆ギレしたそうです。
この事件に彼女は相当やられていました。
自分が耐えに耐えた後に指導してキレられたことが理解できないと憤っていました。
でもそこであることに気づいたそうです。
Oさんは仕事ができないことは事実で、迷惑を被っているのは自分だし我慢する必要ないのではないか。
Oさんが怒られてどう感じるかなんてしったこっちゃないし、自分の言いたいこと言った方が得だ。
そこでサイコパス性を出す練習をすることにしたんだそうです。
言ってしまえばOさんには利用価値はありません。仕事できないので…。
だったら自分が不満を溜め込まないように言いたいこと言った方がいいだろとなったらしいです。
そして人を怒った後にあー怒っちゃったなとか、言いすぎたかなとかは一切考えないようにしているんだそう。
そうやって少しずつ自分を変えていると彼女は言っていました。
以前の彼女だったら絶対できなかっただろうなと話を聞いていて思いました。
繊細であるがゆえに言いたいことが言えない、我慢するってあるあるなんだと思います。
でもいい仕事をするという目的のためならサイコパスになったっていいじゃないかと僕も思います。
ちなみに同じ本を僕も読んでみましたが、外国人特有の言い回しが多くてちょっとだけ読みにくいのと、僕は別にサイコパスに憧れていないので途中で読むのをやめちゃいました。
自分の気持ちを出すのが苦手っていう繊細さんは読んでみて損のない本だと思います。
今までの自分ではない思考のトレーニングをして実践していくというのは結構疲れるようです。
職場で怒ったりという事件もあり、何日間かご飯も食べられずぐったりしていました。
でも少しずつ自分を変えたいと思って努力しているのは素晴らしいなと思うので、僕も家事とかできる限りのサポートをしていこうと思います。