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よよこ、自分の城で開花する

マイスタジオの物件を軽いノリで探し始めてから半年。
大家さんと晴れて契約を交わした。
しかし、個人の家とは違い事業所として借りる場合、最初にかかる経費がなかなかのものだった。
さらに、スケルトンで借りたので壁、床、天井すべてリフォームする必要があった。
小さなスタジオとはいえ、よよこにとっては莫大なお金が必要だった。

「ちょっと背伸びしても必要な物を用意すれば、それを使った仕事が増えていきますよ」

以前、メイクさんからいただいたことば。
これはよよこの軽いノリに勇気と大きな力をくれた。

「なんとかなる」

楽しい内装の時間が始まった。

床は無垢の板を使い、壁は漆喰、ひとつだけ濃紺のペンキでアクセントをつける。
予算のないよよこは友人の手を借り、できる限り自分で行った。
友人の紹介の大工さんに床を張ってもらい、電気や水回りだけは業者にお願いをした。
吊り下げる電気も、洗面台も、窓に貼るビニールもすべてこだわって探して決めた。
床で使った板の端材は壁や窓にも利用した。

居心地のいい、人が集まる空間を作りたかった。

そうして約2ヶ月の準備を経て、ついにマイスタジオのオープンを迎えた。
すべてがバラ色に見えた。
たくさんの方からお祝いをいただいた。
そして、オープニングキャンペーンを行った。
信じられないほどたくさんのお客さまが来てくださった。
前職の先輩や同期、後輩、友人、友人の紹介、、、
多くの方が広めてくださって、私は待っているだけで予約はどんどん入った。

そうして最初の3ヶ月はあっという間に過ぎていった。
しかし、よよこは不安に駆られた。

最初はキャンペーンもあったし、いろんな方がご紹介で来てくださったけれど
ひと波過ぎれば閑古鳥が鳴くんじゃないだろうか。
なぜなら、よよこは集客の方法など何も知らなかったし、宣伝方法もよくわからなかったから。
ただ、目の前のお客さまに喜んでいただくことだけを考えていた。
どうしたらあの光を作れるのか、どんな写真が喜ばれるのか、どんな対応が必要なのか。
それ以外のことなど考える余裕も気持ちもなかった。

そしてオープンから半年、全身じんましんになり薬を飲まないと治らない日々が2ヶ月続いた。


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『よよこ、プロカメラマンになる』
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