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初めてのソロ山のぼり

体力も知識も装備も準備万端だ!
と、初めてのソロ山のぼりに選んだのは、山のぼり初心者王道の高尾山。
東京都八王子市に属し、標高は599m。京王線高尾山口の標高が190m程度なので標高差は約400m。
高尾山にはいくつかのルートがあり、体力や目的で選ぶことができる。
年間を通して自然を楽しめる国定公園で、年間250万人が訪れるという人気の山だ。
<前回の記事はこちら

高尾山登山ルート

2023年1月。
暖かい晴天の日を選び、いざ高尾山へ!
今回私が選んだルートはのぼりが6号路、下山が4号路から2号路を経由して1号路で下山するルート。
9時前には高尾山駅に到着し、わくわくしながら6号路の登山道へ。
1月の平日でも前後に人がいて、ソロがいいのにひとりが不安な私はホッとしながら進んでいった。

6号路は川沿いを歩くので、聴こえてくるのは静かに流れる水の音。
思わず笑みがこぼれる。
「やっとこれた」
のぼりたくてのぼりたくてたまらなかったから、登山道にいるだけでとにかく嬉しかった。
時折立ちどまり、木々を見上げてはニヤニヤする。
山に入ってどれだけ山のぼりをしたかったのかが実感できた。

今回は初めて山の地図アプリを使い、みながらルートを確認していった。
遭難の多くが低山での道迷いとあるので、この地図アプリを使いこなすのはとても重要だと思った。

心は踊り、ステップを踏むようにどんどん前へ前へと進んでいく。
疲れも感じず休むことなくどんどんと。
6号路は登山道ではあるものの、厳しいのぼりではなく比較的緩やかな道をのぼっていく感じ。
途中、沢の中を歩いたり、同じような道ではないので飽きることもない。

山のてっぺんに近づくと待ち受けていたのは長〜い階段。
380段ほどあると数えた方の投稿にあった。
のぼってものぼってもその先には階段しかみえない。
浮き足だっていた私の足も徐々にスピードが落ちていく。
「いや、この階段の先にはてっぺんが待ってる!」
てっぺんを妄想し励ましながら、やはりほぼ休まずにのぼっていった。

「あれ?」
のぼった先にあるはずのてっぺんがない!

てっぺんと思っていた場所はゴールではなく、5号路と合流し緩やかなアスファルトの道をのぼっていく。
ようやく本当のてっぺんに出逢えた。
6号路ルートの標準タイムは90~100分。
それを60分でのぼりきった。
最後の階段はきつかったけれど、疲れはなかった。

「軽いもんだな」
健脚気分でひとりほくそ笑む。

高尾山山頂からの景色

高尾山からみる富士山を期待したが、この日は残念ながら雲がかかってみえなかった。
ひとまず休憩しようと、コンビニで買ったおにぎりを食べる。
山でつくるごはんに憧れているものの、そんな余裕はまだない。
てっぺんを楽しみにしていたわりに、食べ終わったらすぐに下山を開始した。
てっぺん滞在時間20分。

吊り橋がみたくて下山は4号路を選択。
「これが噂の吊り橋かあ」
と勝手に噂をつくりあげ、まるでドラマのワンシーンのように軽快なステップで渡っていく。
ここまでは本当に幸せだった。
夢の時間だった。

4号路の吊り橋

4号路を降りきると2号路と1号路の分岐点に到達する。
1号路は傾斜の緩い下り坂で、2号路はちょっとけわしそうな階段から始まる。

私は迷わず2号路を選択。
階段を降りはじめた。
「痛い」
左の膝に激痛が走った。
それでも降りようとしたが膝が私を止める。
「仕方ない」
緩やかで歩きやすい1号路に変更。
右足を頼りになんとかケーブルカーの高尾山駅までたどり着き、休憩することにした。
「きっと食べて休めば回復するに違いない!」
そして前から気になっていた天狗焼を購入。
パリッとした皮に甘さ控えめの黒豆あんがたっぷり入っていておいしい!!
これぞ山のぼりの醍醐味!とばかりにモリモリ食べる。

「よし、これでラストスパートがんばるぞ!」
と思ったのも束の間。
「あれ?やっぱり痛い」
痛みはさらに悪化し、降りることは困難な状況に。
「あ〜、まただ。まだダメだったんだ」
やむをえず残りの下山はリフトを使った。

悔しくて仕方がなかった。
疲れていないし、元気だし、降りたいのに膝がいうことをきかない。
思えば7年前、膝痛で山のぼりをあきらめた最後の山も高尾山だった。
「どうして?」
こんなに鍛えたのに、体力はあるのに、いろいろ取り組んでいるのに、、、
やるせなさと情けなさで悲しい気持ちになった。

帰りの電車を乗り換える階段がつらすぎる。

やっとの思いで帰宅。しばらく休むと膝痛はなくなっていた。

つづく


距離 7km
累積標高(のぼり) 544m



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