よよこ、ライティングの研究にどっぷりハマる
2ヶ月治らなかった全身じんましんの原因はわからなかった。
ただ、スタジオは予約が入ろうがなかろうが毎月あたりまえに家賃は出ていくのだから、常に不安とは隣り合わせ。
ようやく理解した現実を前に、よよこの体が反応したのであろう。
ではもし、こんな現実を最初からわかっていたら覚悟はできていただろうか。
いや、きっとわかっていたらためらったであろうし、覚悟など待っていてもできるものではない。
「なんとかなる」から「なんとかする」へ
よよこにとってスタジオは自分を超える場所になった。
オープンしてまず最初に取り組んだのは「安定した光の追求」
失敗のないライティングだった。
めざしていた美しい艶感を生みだす光は、どうしたら生み出せるのか。
当てる位置、角度、距離、いろいろ試し「よし、これでいける!」と安定した光を作れるようになっても、被写体によって見え方は変わる。一人ひとりに合わせた微調整は不可欠だったし、「あんな光」や「こんな光」を作り出すには試行錯誤が必要だった。
よよこが通った写真スクールはブライダル撮影に特化していたので、ライティングについての指導はクリップオンしかなかった。
ただ、クリップオンを使って「いかにしたら自分のほしい光を作れるのか」というのは、ブライダルの頃からずっと取り組んできたこと。
持てる知識とライティングの本をいくつも購入し研究に没頭した。
また、私が最初に購入したストロボのメーカーにはアクセサリーがあまりなかった。なので、足りないものは手作りして補った。
やってもやっても辿り着けない光はたくさんあった。
それでも試行錯誤を繰り返すうちに「自分なりの光」というものが段々とわかるようになった。
何度か写真学校のセミナーも受講した。
しかし、広くて環境の整ったスタジオでいくつものライトを使っての撮影は、よよこにとってはむしろ現実的ではなかった。
よよこが撮りたいのは、どんな空間でも描きたい光を創る技術。
それは自分で見つけるしかなかった。
そうしてライティングにハマり、興味は次第に「光を創造する」世界へとスイッチしていった。
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『よよこ、プロカメラマンになる』
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